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店長論 第一章④
教わる力を学び、おもいやりの詰まったノートの力を学びながら、その開業店舗のアルバイトリーダーを任されることになった。
同じオープニングでのリーダーになるには、圧倒的に経験値が足りないと思ったので、研修でお世話になった先の店舗のご厚意でダブルワークさせてもらった。
無論、当時はモテたくて、家賃もそれなりの一人暮らしでお金が必要だったのもダブルワークの理由である。
研修先店舗で朝早くから清掃や品出し、レイアウトなどを学び、午後から自身の店舗でそれを実践しながら、教える日々が続いた。
2店舗の経験から、自身の店舗に足りない事をたくさん気付くようになり、店長に意見具申を繰り返した。若かった為、今思うと、本当に面倒なスタッフだっただろう。
奇しくもその行動が、店長とスタッフの距離をあけてしまう原因となったのを覚えている。やはり店長とは尊敬されていなければ、チームは成り立たない。本来であれば、アルバイトリーダーであった僕が、そうなるように行動すべきであったが、自分の理想とはかけ離れた店長にイライラした日々が続き、反発を繰り返した。
にも関わらず、店長は僕を半年で契約社員に引き上げてくれた。
今でも感謝しているし、本当に申し訳なかったと思う。
契約社員になるタイミングで、店長が交代となり、新しい店長が着任した。
カリスマ性が高く、人を大切にする理想的な店長だった。着任早々、社員とアルバイトの信頼関係がバラバラな様子を見抜き、50名近くいたスタッフを4チームに分け、各チームにリーダーを任命した。僕も1チーム任された。
それぞれのチームごとにチーム名やポリシー、役割を決めさせて、全て任せてくれながらフォローしてくれた。
ここでの4チームのリーダーたちは思いやりに長けたメンバーで、普通は、ライバル視や争ったりするのだが、仲良く常にチームだけでなく店舗全体を話し合えた。
悩んでいるやつがいれば、ご飯に行き、
新人がくれば、皆で迎える。
業務中も細かく声をかけ、輪にはいれないやつがいれば、家族のように自然に入れるように配慮してやる。
人数が多かったのもあるが、あんなにも店舗全体が、おもいやりに長けていた店舗は後にも先にもあの店だけだったと思う。
この期間で、今考えると店長の基礎は学ばせてもらった。
チームの作り方、育て方、成功体験、失敗。
やりたいビジョンの整理の仕方。
自身が店長になるまでに、尊敬した店長は2人。
その、1人がこの期間の店長であった。
続く
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