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店長論 第一章⑦

店舗全体の様々な課題を、いかに楽しんでもらえるか意識しながら作り上げる取り組みは、財産になった。

異動後、半年くらいこの取り組みをやらせてもらい、ようやく軌道にのりはじめた矢先に、お世話になった店長の異動が決まる。

なおかつ、店舗が工事支障で半年後に閉店が決まっており、その間の期間の店長代理を任命され、入社後2年で、実質店長のスタートとなった。

信頼の厚かった店長の異動によるスタッフの不安、閉店に対するスタッフの不安、やった事のない店長業務の数々。

初めての店長経験としては、実に貴重だった。

それまでやってきた取り組みのおかげで、ある程度の信頼関係がスタッフと気付けていたことで、皆助けてくれ、なんとか無事に、スタッフの転籍からお店の閉店まで問題なく終わらせることが出来た。

スタッフ同士が仲の良かった店舗だったので、
解散パーティも開かれ、スタッフからのメッセージカードをもらった。

感謝や尊敬の念、楽しかったというカードばかりの中、1枚のカードが今でも忘れられない。
「店長は人によって態度が違う」
という最後のメッセージ。

当時24歳だった僕は、
ノリの良いスタッフとは親しげに、呑みに行き、バカな話もして、自己啓発本の教えにのっとって理想論を語るわりには、若者ならではの差別や態度の違いが出ていたんだと今なら分かる。

ショックを受けながらも、そんな態度が悪いとは気付けず、うるせー!なんて感じつつ、代理ながら初の店長を終えたのを覚えている。

「教わる力」
「叱る力」
「巻き込む力」

20歳で上京してきた夢に挫折し、落ち込みながらも、素敵な人たちとの出会いに励まされて立ち直り、スタートしたこの生活。

店長になるまでに、3人の尊敬する人たちから、この3つの力を手に入れることが出来た。

RPGかのように、行く場所行く場所で手に入れられる武器は、今の生活でも磨きがかかり自分を支える力になっている。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

店長論 第一章
〜店長を目指した若者が店長になるまで〜
完結

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