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店長論 第一章⑤
店長の基礎を学ばせてもらい、よし、もっとお店を良くしていこう!と一致団結した矢先、異動の辞令があがった。
初の異動は、新しく開業する店舗の立ち上げメンバーであった。
今まではアルバイトとして、オープンから軌道にのるまでを体験させてもらったが、次はアルバイト採用から教育、開業準備までのトレーナーを経験させてもらった。
ここでは、副店長との良い出会いがあり、厳しさとこだわりを、学んだ。
副店長は、異動前の職場でかなり厳しいとは聞いていたが、寮で隣に住むようになったこともあり、めちゃくちゃ仲良くなった。
この副店長の教え方は、なぜやらない?なぜこだわらない?の一点張りの教え方。
しかし、そこには一貫性があり、真似したくなる部分が多かった。
閉店した後、翌日のために商品整理(服をたたむこと)やレイアウトなど徹底的にやるブランドだったのだが、その副店長はアルバイトスタッフがだらだら仕事をしていると全員帰らせて終電まで一人でやって、始発でまた来て開店までに完璧に仕上げるような人だった。
僕自身は、この行動を今でも忘れないし、かなり磨かれた。
だが、このこだわり一点張りの教え方は、若いスタッフにとっては反発を生むこととなり、スタッフたちは副店長をどんどん嫌いになっていった。
日に日に増していく不信感に危機感を覚えた僕は行動を起こしてみた。
僕は、この店で初めて真剣に怒ることを学ぶことになる。
副店長が怒るよりも、先回りしてスタッフを怒った。
なんで覚えてないの?やる気あるの?あれもこれも出来てない、なんで?
いわゆる叱る(感情的ではない)というのは未経験者には出来ない。
とにかく感情的に怒りまくったのを覚えている。
のちにこれが叱るにだんだん変わっていけることになるのだけが、怒った事がない人に「叱る」のは難しいんではないかと今でも思っている節がある。
この店舗では、『叱る力』を学んだ。
怒り役は、得てしてそのあとのフォローさえしっかりすれば意外と人気が取れる。怒るから叱るになっていったあと、フォローも随時やっていくことで
副店長の信頼もスタッフから回復することに成功し、よしこれからだ!という所でまた異動の話がきた。
開業してからものの、3ヶ月後であった。またか。。。
続く
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