店長論 第二章⑤
アパレルチェーンブランドで、ずっとやってきた僕に来た辞令は
珈琲屋さん。
飲食業の経験もなければ、ブラックコーヒーも飲めなかった当時の僕は
なぜかすぐに「やります!」と答えていた。
実は、店長になってから約4年くらい経っており
次のキャリアアップをするのには先輩が大幅に詰まっていた。
年功序列感の嫌いな僕は、新たなチャレンジをしたいと常に発信していたこともあり選んでもらえたのかもしれない。
人生のおおきなターニングポイント。
今回の新業態は、今や大人気店で有名になったけど、当時は1店舗しかなかった珈琲屋さんとコラボレーションして取り組む、
コーヒースタンド。
飲食業なんてほとんどやっていない小売りの会社でなぜか、
コーヒースタンド。
ドキドキしながら研修を受けに、オシャレCAFEに辿り着いた。
スペシャルティコーヒーという、品質が良く、美味しい。かつストーリー性も高いコーヒー。
初めに、簡単にコーヒーの歴史や、その珈琲屋さんが大切にしていることを学んだらすぐにレジに入ることに。
のちに飲食の良い所として知る事となる、とりあえずやってみる!精神。
アイスだっけ?ホットだっけ?オーダー通したっけ?何言ってるか分かんない。心の中で泣き叫ぶ。
飲食経験がない僕は、レジで注文をとることすらまともに出来なかった。
アルバイトのどのスタッフよりも役に立たない。
最短記録で店長になり、店長内でもトップクラスにまでなっていた30歳の僕のプライドはボロボロに崩れ去った。
こんなにも出来ない!と思う経験は初めてだった。
今でもあの時の落ち込み方を奥さんが笑う。
だけど、負けず嫌いの僕は落ち込みつつも、すぐに立ち上がる。
「教わる力」を10年ぶりに引っ張りだし、毎日学んだことを徹底的にノートに書き出しまとめ直す。どのスタッフにも積極的に話しかけ、人としての信頼をもらって教えてもらいやすい空気を作る。
何とか2週間過ぎた頃には、レジをこなし、スタッフさんたちとも仲良くなることができた。
結局、2ヶ月程度の研修をさせてもらったのだが、
ここでのたくさんの学びは、店長としてだけでなく
人生の財産となった。
学びの中身は、また明日。
続く
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