ギフト(8)
おばあさんの巾着からは、おいしそうな おむすびが、次々に現れました。
「ひとりで暮らしているから、こんなにお米を炊いたのはひさしぶり!」
おばあさんの声は、弾んでいました。
店の裏側にある小さな庭に行くと、みんなが集まっていました。
暑くなく、寒くなく、よい日よりです。
「いただきまーす!」
みんなで おばあさんが作ってくれた おむすびを 頬張りました。
「みんなで食べると おいしいね!」
みんなは お口をもぐもぐさせながら、うなずきました。
気持ちのよい風が吹いてきました。
猿が言いました。
「デザートに、ぼくのバナナを食べようね。」
「うん!」「いいね!」「楽しみだ!」みんなニッコリしました。
そのバナナは、1本しかないのですが、
きっと世界一おいしいデザートになるに違いありません。
(おしまい)