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赤毛(2)

地上に落ちた赤毛の天馬は、ただの赤毛馬になった。

天使たちが憐れんで、しばらく傍にいたが、
               どうすることもできない。

赤毛は、自分の運命を受け入れた。

ただの馬になっても、天馬だった頃の気品は残っていた。
赤毛は輝くような美しさを保ったまま、森の中に佇んでいた。

(つづく)