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狐と豆腐屋(3)

お賽銭箱にお金が入ると、わたしは時々買い物に出かけた。

早朝、そっと祠を後にする。

商店街を抜けて、向かった先は、おいしいお豆腐屋さん。

お店は、おばあさんと、若い人の二人が営んでいた。
    若い人は、とても お豆腐屋さんには見えなかった。

「油揚げを3枚下さい。」

   「モゴモゴ・・・・」

よく聞こえない小さな声での応対。

けれど、仕事は丁寧で、
  いつも、揚げたてのお揚げを包んでくれるのだった。

(つづく)