制作ノート(番外編)お姫様の小箱 1
これは、小箱を作っている過程で、勝手に脳内で生まれたお話です。
自分を100%恋愛に賭けた。
そして、その賭けに負けた。
その人は、私を「妹みたいな存在」と言って、違う人との結婚を決めた。
目の前には、冬の海。お酒をあおる。
自分の100%を賭け、好きだった人に去られた喪失感。
生きている意味がない。
「人魚姫みたいに、海の泡になろう・・・。」
そう思って、ザブザブと海に入っていった・・・・。
うっ!冷たい、というより痛っ!
我慢しきれず、海から上がってしまう。歯がガチガチと鳴った。
辛くて、情けなくて、海の水みたいに苦い水が目からいっぱい流れた。ついでに鼻水も盛大に流れた。
鼻水を垂らした人魚姫。根性のない人魚姫。
きれいな海の泡にはなれず、ただただ滑稽だった。(つづく)