紙で遊ぶ 燐寸のお話(8)
前回のお話
こうなると、何も買わないわけにはいかない。
「頭のところが黄色のマッチってありますか?」
思ってもみなかった言葉が口から出た。
まあ、もしなかったら買わずに済む口実ができる。
「ございますとも!」
店の奥から出てきたのは、確かに黄色いマッチだった。マッチ箱の絵は、昔の幼稚園のお道具箱みたいで、なんだか可愛かった。
「このマッチの名前は(日常の冒険)と言います。そうだ!ちょっとお待ちくださいね。」
お店の女の子は、もう一度店の奥に行くと、なにやら取り出してきた。
「これはオマケです。久しぶりのお客様ですから・・・・。」
「久しぶりって、どのくらい?」
「二週間ぶりかな・・・。お代は35円です。」
「・・・・・・ありがとう。」
(つづく)