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かたつむりには「いい天気」(7)

やがて、雲の間から、太陽が顔を出しました。
それを合図に、お休み処の楽しい宴もお開きとなりました。

翅のある虫たちは、一斉に空に舞い上がりました。
「ありがとう。かたつむりさん。」
「お礼に、私たちの舞を見て下さい。」

かたつむりたちは、空を見上げて、
翅のある虫たちの、優雅な舞をうっとりと眺めました。



「今日は、いい天気の、よい一日でした。」
「本当に。」
「我々も、そろそろ帰るとしましょうか。」
「そうしましょう。」


かたつむりたちは、今日一日の楽しかったことを反芻しながら、
      それぞれのおうちへ、ゆっくりゆっくり帰ってゆきました。

               (おしまい)