紙で遊ぶ 燐寸のお話(10)
前回のお話
「私がどうしてマッチ屋をやっているのか・・・ですか?」
「ええ。もしよければ、お話を聞かせて下さい。」
マッチ屋の店主は、少し困った顔をした。
「私は、あなたの店のマッチに救われました。子どもたちが巣立ってしまって、空っぽな毎日でした。でも(日常の冒険)を重ねていくうちに元気を取り戻しました。こんな素敵なマッチを売っている、あなたの話を聞かせていただけませんか?」
「わかりました。大事なお客様のご要望ですから、まあ、特別に・・・。」
「ありがとうございます。」
(つづく)