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焼き芋とドーナツ - 日本とアメリカの女工の話

焼き芋とドーナツ - 本の概要

今日は『焼き芋とドーナツ』という本を読んだ感想とまとめをお話しします。著者は湯澤規子さんで、図書館で子どもが「ドーナツ」というキーワードを表紙に見つけ、これも出会いだし読んでみるかと読んだら結構楽しめた本です。偶然の本との出会いは好きです😊
内容は日本とアメリカの女工についての歴史を描いています。具体的には、1800年代から大正時代までの女性たちの働き方や生活について詳しく描写されています。
焼き芋とドーナツというタイトルは、日常の間食に象徴される小さな楽しみを表現しており、「日常茶飯事」と記録するに取り止めのないこととされていた茶飯事に焦点から日米の100年ほど前の女工に広がっていきます。

日本の女工

まず、日本の女工について。1日8時間労働が定められたのは1919年の国際労働機関の総会で、定められた主な目的は女性と幼年工の長時間・深夜労働を禁止するためでした。大正時代の女工たちは、朝9時から夜9時まで、夜9時から朝9時までの二交代制で働き、布団を共有していました。1日の労働時間は12時間-14時間ほどであり、制限するような仕組みは当時はなかったようです。働く環境は劣悪で、2交替で使う布団にはシラミがわくこともあったようです。家族以外の人と布団をシェアするのはちょっと嫌だなと。

また、1890年の集会及政社法や1900年の治安警察法で、女性の政治活動は厳しく制限されていました。1945年に参政権が認められるまで、女性の政治参加はほぼ不可能でした。

アメリカの女工

次にアメリカの女工について。1800年代のアメリカでは、日本と同じく女性たちは長時間労働を強いられていました。しかし、彼女たちは自ら文章を書き、『ローウェル・オファリング』という雑誌を刊行したりしていました。これは、彼女たちの労働環境を改善しようとする意識の表れで実際に雑誌が作られ、働く人たちの環境が外の人に触れることになったり、文字になって働く人たちの間で問題意識が共有化されていくとこで環境改善につながっていきました。

フロンティア精神

アメリカの女工たちが雑誌を刊行する背景には、フロンティア精神があります。自分たちで開拓し、改善していくという意識が強く、男性も女性もその精神を共有していました。例えば、西部開拓時代には、女性が教師として子供たちを教育する役割を担っていました。日本では何かしら大きな力が働いていて個の犠牲的に長時間労働をしている雰囲気を読み取りましたが、アメリカの女工の長時間労働は自分たちで切り開いていくの、働く時間を減らす減らさないのそういう問題じゃない、という意思を感じました。

津田梅子の例

津田梅子さんも日米の女性の違いの引き合いに出されています。彼女はアメリカで英語や生物学を学びましたが、日本に戻ってからはその知識を活かす場が少なく、就職先には苦労をしました。アメリカ留学をした男性たちはメキメキ出世をしていって国の重鎮になっていくのに女子留学生(梅子さん含めて六人一緒に行った)の扱いは男性と比べると放っておかれたようです。女性のこのように、日本とアメリカでは女性の役割や社会的地位に大きな違いがありました。

感想

この本を読んで、過去の日本の女工たちの過酷な労働環境について知ることができ、アメリカの女工たちの自立心とフロンティア精神には感銘を受けました。100年前も今も日本の働き方や仕組みって変わってないんじゃない?と根本的なところに触れた気がしました。また、現代の働き方や女性の地位について考える良い機会となりました。


以上が『焼き芋とドーナツ』についてのまとめです。専門外なのでよくわからず表面的なところしか噛み砕けてないかもしれません。興味が湧いた方はリンクを貼っておきますので一読いただき、より詳しく当時の日米の女工について知っていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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#焼き芋とドーナツ #女工 #歴史 #ドーナツ #日米

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