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「お前は何者だ?」現場で一番聞かれた言葉!

小生はエンタメ業界ではかなり特殊な部類に入っていると思う。
普通、この業界は監督やカメラマンや照明マンなど大体ずっと同じセクションで専門的な技術を磨いているのが常識。
しかし、小生はカメラでも照明でも音響でも何でもやっていた。というのは映画スタッフになりたい!とか凄い映像を撮りたい!とか、そんな気持ちは全く無く。単なる機材技術や映像やシステムがどの様に作られるか知りたかっただけである。なので、興味を持つとどのセクションも知りたくなる。
で色々と現場や飲みの席で他のセクションの事を聞いたり、やってみたい的な事をよく言っていたら、その内。急な欠員が出来たのでやってみるかと色々な現場やセクションから声が掛ってきた。
ある先輩からも何でもやってみる事も悪い事ではないと言ってくれたが、結構それを認めない職人的な人も多いのだ。
さらにいつの間にか技術だけでなく美術や演出、はたまた特殊メイクまでテレビでも映画でもライブでも何でも頼まれる様になっていった。
そんな頼まれればどんな現場にも行って。昨日はカメラ、次の日は演出とかしてると、よく会う出演者とかが「何者なの?」とよく聞かれ始め実はその頃はエンタメの仕事だけでなく他のコンピュータ関連の会社経営と二足のわらじ状態だったので、余計に不思議がられたものだ。
そんな「何者ですか?」と聞かれると小生は「騙され屋です」と答えていた。これは、内容も聞かずに頼まれれば何でもやっていたので。ある先輩から「お前は騙され屋か?」と言われた事が妙に気に入って言う様になった。現に話も聞かないのでノーギャラだったり重労働だったり寝られなかったり、話が違う現場も結構あったからだ。
ただ。個人的には安いギャラで重労働であっても、あまり気にしない性分なのである。
今でもそうだが、それほどお金に執着がなく、いい様に利用されている事も判っていながら色々な現場で体現出来る方が楽しかったからだ。
そんな風なので、周りも「あいつはタダでも、急でも、文句を言わずやってくれる。」と思われたらしく、色々な所から頼まれていた感じ。
それを心配してくれる仕事仲間も居たけど、個人的には色々な現場を体現出来る事に興味を持っていたので問題は感じる事もなく、今ではエンタメ意外に他業種の企業コンサルやウェブ技術開発なども行うようになってきているのは良かったと思っている。
最近、若い人たちはコスパやタイパといった効率重視での対価に価値を持っている様だけど、たまには無駄に思える事も挑戦して欲しいと思う。

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