論理学入門 III
論理学入門 I では記号論理学の基本を、論理学入門 II では述語とか量化に挑戦してみました。
この先、ちょっと記号の操作に関してもう少し広げていく予定です。記号の操作というと、数学っぽくてお嫌いかもしれませんが、小学校の算数レベルの事だと思ってください。小学校の算数といえば、
複雑ですね。嫌ですね。通分って憶えてます?
21+34+35+15 = 105 なので、これは 1 になります。最初から1って言えよ、って話ですが、しかし1だと分かったら1なので1だと分かりますよね。変な分数とは違います。
論理においてもゴチャゴチャなに言ってるかわからない時に、通分・約分できないでしょうか。できるからこそ今ここで通分の話してます。
これからやってくやつも、約分・通分と似てます。今後、ほんとに約分・通分みたいに記号だけで「計算」していくところまで目指していますが、今日は約分・通分がどうやって起こるかみたいなところを考えてみましょう。
おじさん来ました!!!
まためんどくさい事言っています。「明日は」という時間を相手にすると、論理学入門 II でやってみたいにめんどくさくなるので、そこは無視してみましょう。おじさん、やり直しです。
それでもめんどくさかった。おじさん、言われなくても分かりますよね。おじさんの言うとおりです。晴れてるか晴れてないか、それ以外にありません。記号で描くと、
になりますね。晴れてるか晴れてないかのどちらか、それ以外にないので、おじさんは常に正しくなります。「正しい」というのは道徳的な正しさとかそういうのではなくて、本当にそうなる、という意味です。専門用語でこれを「真」(しん)と呼びます。
一般的に、
というのは必ず真になります。そりゃそうですよね。AであるかAでないのどちらか。当然そうでしょう。恒真式と呼ばれています。必ず真になります。ちなみに英語では tautology と言います。これがちょっとわからないというのならお知らせください。
一方で、これはちょっと無理ですよね。
これは起こりえません。記号で書くと、
一般的に、
は成り立たつはずがないので、必ずウソになりますね。成り立たないことを「偽」と呼びます。矛盾してますもんね。専門用語でもこれは「矛盾」と呼ばれています。英語では contradiction と言います。
真偽揃いましたね。どっちか分からないことはあっても、真か偽のどちらかになります。生活の上でそうじゃないことはもちろんあるのですが、論理学では真か偽のどちらかになるというのが前提です。
またおじさん来ました!
なんとなくこれは真だと感じますね。「なんとなく」ではなく、ハッキリと矛盾していることを
まず、「昼は晴れている」は 昼 & 晴 になりますね。
そして、「晴れていなければ昼である」は j晴→昼 ですね。
で、この両者を「か」でつないでいます。なので | ですね。
論理学入門 I でやった通り、j晴→昼 は jj晴 | 昼に書き換えられますね。
ところで、jj晴 ってなんですか?!
晴れじゃないじゃない、って、晴れってことですよね。二重否定は肯定、
-1 x -1 = 1 なのと似てて面白いと思うのですが、否定を2回やると肯定になります。なので jj晴 は 晴 に書き換えられます。なので、j晴→昼 は 晴 | 昼に書き換えられますね。
ちょっと立ち止まって考えてみましょう。論理学入門 I でやったように、晴れと昼の組み合わせは以下の4つでした。
晴 & 昼 (晴れている昼間)
晴 & j昼 (晴れている非昼間)
j晴 & 昼 (晴れてない昼間)
j晴 & j昼 (晴れてない非昼間)
表にしてみましょう!
「晴れている」というのは「晴」が「真」ということです。
この4つしか無いんです。今知りたいのは (昼 & 晴) | (晴 | 昼) がこの4つのうちどれに当てはまるか、それがわかればいいんですよね。おじさんのことを分かりたいと思わなくても、おじさんの言ってることが理解できます。
ちょっとここで情報整理です。(昼 & 晴) | (晴 | 昼) は (晴 & 昼) | (晴 | 昼) と同じことですよね。
(晴 & 昼) と (晴 | 昼) は別々に考えてみますね。算数と同じ、全部いっぺんに計算すると混乱して間違えます。
まずは 晴 & 昼 を。
晴と昼が両方「真」のとき「真」になりますね。そりゃそうだろ、って話なんですけど、そりゃそうだろをやり続けるのが論理学です。「そりゃそうだろ」に行き着くのがゴールなのかもしれません。なので、「そりゃそうだろ」というのは「達成」だと思ってください。
それではもう一つ、そりゃそうだろ しましょう。晴 | 昼 ですね。晴れているか昼間か。
両者出揃いました。まとめてみますね。
なるほどなるほど。晴 & 昼 と 晴 | 昼 では両方真のとき、晴 | 昼 だけ真のときがありますね。
で、今知りたいのは、(晴 & 昼) | (晴 | 昼) ですね。「(晴 & 昼) または (晴 | 昼) 」ってことです。表に足してみますね。
あれっ、結局 (晴 | 昼) と同じですね。 晴 | 昼 が真の時は (晴 & 昼) | (晴 | 昼) も真、晴 | 昼 が偽の時は (晴 & 昼) | (晴 | 昼) も偽になっちゃってます。これってつまり、 「晴 | 昼」 と (晴 & 昼) | (晴 | 昼) はおんなじだという話です。
そりゃそうだろ、って思う人もいるかもしれませんが、なぜだか考えてみましょう。
晴 & 昼 が真のとき、晴 | 昼 は真となります。「晴れてる昼間」は「晴れか昼のどちらか」に当てはまりますね。
「晴れてる昼間」は「晴れか昼のどちらか」の一形態とも言えます。なので、(晴 & 昼) | (晴 | 昼) というのは (晴 | 昼) と同じことになってしまうわけです。(晴 & 昼) は悪く言うと蛇足ですね。何も情報を足してません。
つまり、(晴 & 昼) ならば (晴 | 昼) なのです!
大きな声で言ってしまったせいか、おじさんにも聞こえてしまったようです。すみません。
これって論理学入門 I でやったやつですね。→を消す方法憶えてますか?レゲカのことを憶えていただいてるのは知ってます。
しかし、今日はもう長くなってしまったので終わりにして、次回の 論理学入門 IV はここから始めましょう。おじさんにはまた来てもらいます。
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