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大切な人が去るんだから、思いのままにでいいんだよ

4月某日。

私にとって宝塚大劇場の舞台に立つ最後の真風涼帆さんを見送った。

今日この日「当たり前の風景」が終わってしまうのだと思うと、次の公演には真風さんは居ないんだなと思うと夜道でちょっと泣けて来た。

出会ってからの約7年の月日が経つ。

真風涼帆さんを初めて見た時、何度も「本当に女性?」と目を疑った。主演の朝夏まなとさん以上に印象的だったその姿。大きな身体に特徴ある声。私の中では、トップ就任する前の宙組2番手時代から当たり前のように舞台に立っていた。

あの日から私の生活は宙組中心でいつだって真風涼帆がいた。

こんな風に、長く「濃く」私の人生に存在するタカラジェンヌはこの先現れるだろうか。初めて観た瞬間に雷に打たれるような衝撃的な出会いはあるだろうか。7年間いつだって真風さんはそこに居た。劇場に足を運べばいつだってあの大らかな立ち姿があったし、歌声が包み込んでくれた。

呟いた当時、一部の方から反発されたが、これは私の譲れない部分として。また140文字では伝えきれなかった事を改めて記そうと思う。

2月のあの日、次期体制が発表された。

誰かが去れば誰かが次に真ん中に立つ。宝塚はそう言う世界だ。そんな事、私が今更言わなくてもそうなのだ。

もちろん、私も芹香斗亜さんの宙組を楽しみにしている。朝夏さん時代も大好きで大切だし、きっと芹香さんの時代も大切な思い出に残るはず。楽しみで仕方がない!!花組時代から見ている事もあるし、宙組に来て公演を追うごとにアップデートされる姿を見て来た。その姿を見るとホッとするぐらいには大きな存在でなくてはならない人だ。長い間2番手だった彼女がトップスターになる事を望む声も多いし私もその一人だ。

実はあの時、私自身がちょっと待って…ってなったのだ。

あの時期はまだ退団公演も始まっていないタイミングだったので、終わった後の事について「まだ先の事を考えられない」と思う人もいただろう。ついていけないと感じる人もいたと思う。次期体制に盛り上がるTLを見て、私自身一緒に盛り上がりながらもちょっと戸惑ったのも事実だ。

頭では真風さんが去った後の宙組がある事を理解しているけれども感情が追い付かない。まだ始まっていないのにその先の話をされる事がしんどいなって感じる人もいるかもしれない。特に真風さんのファンの方はそう言う思いの方が多いかもしれない。そんな人達に向けてそれでいいんだよ。自分は自分のペースでいい。ついていけないからと気に病む事はないと言いたかった。

真風さんのファンが次の体制を歓迎していないみたいに言うな!と言うお叱りを受けたが、誰もそんな事は言っていない。だけどぶっちゃけ人間の「気持ち」ってそんなに器用に出来ていないと思うし、私は別にそう言う人が居てもいいんじゃないかと思う。実際に次の公演を見て「やっぱり真風さんがいい」って思うかもしれない、真風さんが居ない宙組を見る気持ちが起きない人がいるかもしれない。

それでいい。

それだけ、真風涼帆って大きな存在なんだもん。

だからこそ、すぐに割り切れないんじゃない?

退団ってご本人はすっきりした顔でやりきった!って去っていくけど、ファンの気持ちが付いていけないって事はよくあるじゃない。6/12になれば公式ホームページから名前が消え、大劇場や宝塚ホテルなどの看板は差し替えられる。その風景を受け入れるのに時間を要する、または受け入れられないって事もあると思う。

ファンになった月日の長さや熱量の差はあれど、それだけの情熱を真風涼帆と言う人に傾けて来たんだよ。大きな存在を失う怖さがあって当たり前なんだよって言いたかった。

真風さんのファンが芹香さんのファンが、ファンだからどうするべきこうするべきみたいな話をしたいんじゃない。ましてや誹謗中傷がなんて話をしたかったんじゃない。どちら側でもないしそことは切り離して欲しい。

SNS上の声に惑わされず自分の気持ち・感情を大切にして欲しい。

ただただ、そう言いたかっただけだ。