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怪談の真相を確かめてはならない理由…

※(この話は、実際に体験した方の話を基にフィクションを混ぜて作成しています。)


学校の怪談。

皆さんも昔、一度は聞いたことはあるのではないでしょうか?


トイレの花子さん

理科室の夜中に動く標本

合わせ鏡


本当かどうかはさておき、夜の学校にはどこかそんな話が広まりそうな不気味な雰囲気が醸し出しているものです。


これからお話しするのは、学生の時に体験したものです。

本当は誰にも話したくはなかったです…

その理由は、話を全て聞けばわかるでしょう。




□□:いいか、そーっとだぞ。

麗乃:ねぇ、やっぱりこんなことしてまずいんじゃないの?

△△:大丈夫だって、警備の人もいないの確認したし。

麗乃:本当よね??

△△:ああ、間違いない。

〇〇:(大丈夫かな…)


その日僕ら4人は夜の学校に来て、校門の上を飛び越えて校内に入りました。


学校にはとある不気味な噂、いわゆる怪談があったのです。


それが、金曜日に個室トイレが2つ並んでいるトイレの片方の個室に入って反対の個室がある壁を叩くと誰もいないはずなのにノックが返ってくる、というものでした。


一時期、学校でその噂が話題になっていて僕ら4人の間でもよく休み時間の時に話していました。

□□:なぁ、だったら俺らでその噂の正体、調べねーか?

4人のうちの□□がそう提案すると、

△△:乗った!

麗乃:へ〜、面白そうじゃん。

と?が賛同して、残る一人となった僕でした。

〇〇:いや、僕は…

□□:よし、〇〇も一緒な。

〇〇:ええ??ちょっ、何も言ってないんだけど!!?

△△:いいじゃんか、どうせこれから俺たち暇なんだしさ。

ちょうど期末テストが終わって夏休みに入る前の時期だったので、確かに暇な時期ではありました。


麗乃:で、いつそれ調べるの?

□□:今週の金曜の夜!

△△:おお、マジかよ!?

□□:ああ、噂は金曜日に起きる。けどそれ以外の日には起きない。ってことはその日の前と後には、誰かしらあのトイレにきてるはずだ。あの噂のもとになる仕掛けをつけに行ったりして。

〇〇:ん?ってことは、□□は噂は誰かの仕業だと思ってる?

□□:ああ、そうだよ?お前、まさか幽霊の仕業だなんて思ってないよな?

〇〇:いやぁ…それは…

△△:なるほど、だからビビってたのか笑笑

〇〇:違うって!そういうわけじゃ…

麗乃:まぁ、でも確かに□□の言う通り、学校に生徒も教師もいない時間に誰かがあのトイレに来て、仕掛けをしてるって可能性が一番高いよね。

□□:だろ?


麗乃:でもさ、だったら木曜の夜の方が良いんじゃないの?

□□:いや、それだと仕掛ける前だから向こうに逃げられる可能性が高い。

□□:金曜なら、何が何でも向こうは仕掛けを取り外しにトイレに来ないと行けないだろ?もしバレたくないんなら。

△△:なるほど…


そんな話しあいをしてから、僕たちはその週の金曜日の夜学校に行くことになりました。




外にいる間は月明かりのおかげでまだ視界は確保できていたのですが、建物に入ると窓がないところは真っ暗だったので、それぞれ持ってきた懐中電灯のスイッチをつけて視界を確保することに。


△△:うわぁ、くっら!!

□□:ば、静かにしろ!

△△:ああ、すまんすまん。

△△が□□に小声で注意された後、僕たちは廊下の奥へと進んでいきました。


麗乃:ねぇ、例のトイレはどこだっけ?(小声)

□□:この先に階段を4階まで昇って、それから左に曲がったところにある女子トイレだ。(小声)

道中、4人以外いないはずの校舎の中で物音が聞こえたりし、その度に4人とも同時に止まってはお互いの顔を見つめあってはまた歩みを進めて、を繰り返していました。


そして、


□□:ついたぞ。

噂の、個室の壁を叩くとノックが返ってくるという女子トイレに僕たちは辿り着いたのです。

昼の間は女子生徒なら誰でも使っていそうな何の変哲もないトイレも、夜になると不気味さが増していました…


□□:だ、誰が行く…?

このトイレの個室に誰か一人が入ってそのトイレに仕掛けをしに来る何者かが来るのを待ち、残る3人が近くで待機して見守りその何者かがきたら、一斉に飛び出て捕まえる。

そういう計画だったのですが、トイレの不気味さで4人とも怖くなっていたのでしょう…

言い出しっぺの□□も、か細い声で聞いてきたんです。

麗乃:…

〇〇:…

僕と麗乃は怖さで返事ができず黙っていると、

△△:お、俺が行くよ。

△△が名乗り出て△△がその個室に入って行き、残る僕と?、□□はすぐ近くの教室に入り身を隠すことに。


それから、数分ほど待った時でした…


シーン…


誰もそのトイレに来る気配は一切せず、しかしそれほど時間は経っていなかったのでそのまま僕たち3人は教室に隠れて時々廊下の方を見守っていると、


コンコンッ


〇〇・麗乃・□□:!?

女子トイレの方から、個室の壁をノックをする音が聞こえたんです。

□□:今、聞こえたよな…?

□□が聞いてきて、僕と?は同時にゆっくり頷きました。恐らく△△がノックしたんだと3人とも思ったはずでした。

が、次の瞬間、




△△:うわぁああああああ!!!???




女子トイレの方から△△の叫び声が聞こえ、僕ら3人は急いで教室を出て女子トイレの方に向かいました。

何か△△にとんでもないことが起きたに違いない…

3人とも不安でいっぱいになりながらも女子トイレに入り、個室のドアを開け懐中電灯で中を照らすと、真っ青な顔をした△△が個室の隅でブルブル震えていたんです。


△△:あ、あ、あぁ…


目を見開いていた△△は、指を個室の壁の上を指していました。

□□:どうした!?何があった!?

□□が大声で聞くと、

△△:み、みっちゃったんだよ…俺。

麗乃:何を?

△△:そ、そこで、



長い黒髪を…前に垂らした、ち、血塗れの女をよぉ…



〇〇・麗乃・□□:!?


それから、4人は急いで学校を出ました。

恐怖で全身が震えていた△△を先に家まで送って、それから夜だったこともあり女子だった麗乃を次に家まで送り、それから僕と□□はそれぞれ家に帰りました。




次の日、△△が心配だった僕たちは3人で集まって△△の家に向かいました。


△△の家に着きインターホンを鳴らすと、前日のあのトイレの個室でただならぬ形相をしていた△△は、その時は至って普通な様子で玄関を開けて僕たちを出迎えてきたんです。


△△:よぉ、みんな。どうした?


あまりに普通すぎて、寧ろ怖いとさえ思いました。


□□:どうしたって、お前昨日あんな叫んだだろ?

麗乃:そうよ。ねぇ、大丈夫なの?

△△:いや確かに昨日はあんな叫んじゃったけど、よくよく考えたらあれ幻覚だったんだよ。

〇〇:幻覚?

△△:そう、まぁあんな暗いし雰囲気やばかったし?

△△:とにかく俺は大丈夫だから。ま、あがんなよ。


そう言って、△△は気前よく家の中に3人を招いてくれました。


まぁ、△△の言う通り幻覚だったのかもしれない。

それに、下手にこれ以上そのことを話題にするのは却って良くない気がしたので、それ以上そのことには触れず4人で家の中でお菓子を食べたりゲームしたりして遊んでいました。


その後、△△の両親が帰ってくる時間になる前に僕たち3人は△△と別れて、
△△の家を出ました。


□□:ま、あの様子なら大丈夫か。


麗乃:そうね、下手に話掘り下げて△△を不安にさせても仕方ないし。

〇〇:うん。


そう思って、3人は別れそれぞれの家に帰っていきました。


とりあえず、あの学校のトイレの階段のことにはこれ以上関わらないでおこう。

そうすれば、何も起きずに済むと…

3人ともそう思っていたに違いないです。


が、しかし…




それから月曜日になり、教室に入り麗乃と□□といつも通り挨拶をかわし、


麗乃:あれ?△△遅くない?

□□:寝坊でもしたんじゃねーのか?

〇〇:△△にしては珍しいな。


と冗談言って、△△が教室に来るのを待っていました。


数分後、教室に担任がやってきたのですがその表情はどこか険しく、僕ら3人は嫌な予感がしました。


担任:ええ、静かにしてください。これから大事な報告があります。

担任:今日未明、




山内△△が河川にて遺体で発見されました。





その瞬間、教室にいた全員があまりのショックで静まり返っていたのは、今でも忘れられません。

それと同時に、僕と麗乃、□□はただならぬ悪寒を感じました。



数日後、△△の葬式が行われ僕たち3人をはじめ、担任とクラス全員が葬式に参列しました。


葬式の後、僕と麗乃は姿が見当たらない□□を探しに行くと、葬式の会場の入り口付近で佇む□□を見つけたんです。


〇〇:□□…

□□:お、俺のせいだ…

□□:俺のせいで、あいつは…

自責の念にかられ、□□は号泣していました。

麗乃:違うよ、□□だけじゃないよ!

麗乃:私だって…

〇〇:うん、僕のせいでもある…

3人とも、△△の死に責任を感じて涙を流しました…


しばらくして…


□□:なぁ、俺に考えがあるんだ。

□□が先陣切って喋り出した。

□□:今度、視てもらおう。

〇〇:え?

□□:多分、俺たちだけじゃ無理だ…

□□:△△が見たの、あれ絶対…


何かを言いかけて、□□は話すのをやめました。


けど、3人ともその言わんとしていたことが何かは分かっていました。


あの日、トイレに△△以外に入ってきた人影は一切見えなかった。

そして、△△が個室に入っていたそのトイレには小さい窓があるが、とても人が通れるサイズではなかった。それに、そこは4階だった。当然、人が入れる訳がない…

△△が見たもの、



それは間違いなくこの世のものではないと…



数日後、□□の親戚の知り合いの霊媒師の人に僕たち3人は視てもらうことにしました。



霊媒師:いや〜、危なかったね3人とも。

□□:先生、それはつまり…

霊媒師:とりあえず、これで3人は大丈夫。霊はもう寄ってこないよ。

麗乃:あ、ありがとうございます!

〇〇:先生、その危なかったというのは…?

僕は恐る恐る、その霊媒師の方に聞きました。

霊媒師:え?ああ、本当に危なかったんだよ3人とも。

霊媒師:あと少し遅かったら、










そのトイレにいた女の霊が、君たち3人を順番に殺そうとしてたからね〜


fin.







<あとがき>

ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。今回の話、実際に体験された方の話を基に書いたものではありますが、実際には死者などは一切出ていませんのでご安心ください。

あくまで、体験談を基に私が想像したものを加えて書いた話です。

ですが、実際に怪談の真相を確かめようとして命を落とされたという方はもしかしたらいるかもしれません…


ですので怪談の真相を確かめるというのは、

我々素人が軽はずみに手を出してはいけないものと思ってもらった方が良いのではないかと、

私自身は思います。

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