![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247224/rectangle_large_type_2_557376f82d64fbc2e69776a119be872d.png?width=800)
「クレイジーな彼女の夏大作戦で〇にかけました」
夕方になり、空が赤く染められていた。俺は、浴衣を着た奈於と縁側で涼んでいた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247272/picture_pc_2df05cb520f7319c7eeddfc68b332f7d.png?width=800)
奈於:ねぇ、〇〇?
〇〇:どした?そんな顔して?
奈於:花火したい。
〇〇:花火?ん〜っと、家にないから買ってくる…
奈於:いや、普通のじゃダメ。
〇〇:え?普通じゃダメって…まさか家で出来る打ち上げ花火とかじゃないとダメ?
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247279/picture_pc_9142589eca8c97bce8063ba7de4ff222.png?width=800)
奈於:ん〜、それも良いけど…あっ、そうだ!
奈於は縁側から家の奥に移動すると、誰かと電話をし始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
少しして、電話が終わった奈於がこっちに戻ってきた。
奈於:〇〇。今から車出してくれる?
〇〇:え、どこ行くの?
奈於:今から、おじいちゃんが用意している場所に。
〇〇:へ??
車に乗り込み、奈於が目的地にナビをセットした。
〇〇:ん?乃木丘公園?
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247319/picture_pc_9e1dde702f9e4526a6b1b5ca38b2e1a3.png?width=800)
奈於:そ。そこに行ったら、おじいちゃんが凄いの用意しているから。
そう言う奈於は、ものすごく楽しみな感じに笑っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
車で1時間くらい運転すると、目的地の乃木丘公園に着いた。
奈於の祖父:おお。待っとったぞ〜、奈於〜!
奈於:ヤッホ〜、おじいちゃあ〜ん!!
〇〇:(え…まさか…)
見ると、花火師がセットするかのような花火発射台が置いてあった。
奈於の祖父:言われとったの、用意しといたぞー。奈於や〜!
奈於:ありがと〜!
奈於の祖父:やあ、奈於の彼氏さんや。とびっきりのを用意しといたからのう。
〇〇:なんか、すいません。こんな凄いの、用意してもらって。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247341/picture_pc_c7980f58738e9e879c5c35289a3253ce.png?width=800)
奈於:ほら、〇〇人混みの中で花火見るの嫌だって言ってたじゃん。
最初は、「こんなにしなくても…」とか思っていたが、奈於なりに俺に気を遣ってくれたのかと思うと、なんだか申し訳なくて、でも嬉しかった。
〇〇:ありがとう、奈於。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247445/picture_pc_03caa4953ab96890c8ca75f6b7794099.png?width=800)
奈於:ふふ。あ、始まるみたいだよ。
奈於の祖父:お二人や〜。心の準備は出来とるかいなあ〜?
〇〇・奈於:は〜い!!
ヒュルルル〜〜〜〜 ドォーーーーーン!!!
見事な花火が1発、空に打ち上がった。
それから何発もの、色鮮やかな花火が上がり、空は幻想的な景色に変わっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全ての花火が終わったと思った俺は、奈於の祖父にお礼を言った。
〇〇:凄く綺麗でした!!ありがとうございました!
奈於の祖父:おぉ、何を言っておる?まだ、お楽しみがあるんじゃよ!
〇〇:はい??
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247402/picture_pc_62ed2dbe53128492bb2aa33987dee4d2.png?width=800)
すると、突然黒子のような人たちが現れ、俺と奈於の体に巨大なロケット花火を括り付けた。
〇〇:う、嘘ですよね???
奈於:おじいちゃん、準備できたよ〜
奈於の祖父:ほいよ〜、点火するぞ〜
一瞬、夢でも見ているかと思い頰を抓った。
そして、これが紛れもなく現実だと思い知らされた。
奈於:へへ、楽しみだね?
〇〇:いや、おかしいからぁあああ!!!!今すぐ、火を消してぇええええ!!!
奈於の祖父:はは、安心せい。花火が爆発する前に、お前さんたちはロケット花火から切り離されて、安全な位置でパラシュートが開くからのう。
そんな、笑顔で冷静に言わないでください…おじいさま…
シュ〜〜〜〜〜 バァーーーン!!!!!
〇〇:うぉおおおおおおお!!!!!????
奈於:いよっほおおおおおお!!!!!!!
悲鳴をあげる俺とは対照的に、奈於は歓喜の叫び声をあげていた。
奈於の祖父:はっはぁー、特等席から花火が見れるぞー!
〇〇:(そんな特等席、いらないでぇええす…)
ゴォオオオオ!!!!!!!
上昇して空気との摩擦で、激しい音が耳に響く。
〇〇:(ああ、俺…ここでさよならだ…)
ゴォオオオオ!!!!!!!
〇〇:(短い人生でした…)
ゴォオオオオ!!!!!!!
〇〇:(もっと、遊んでおけば良かったぁあああ!!!!)
そこから、俺の意識は飛んだ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇:…
目がさめると、どうやら地上に無事降り立っていたらしかった。
奈於:あ〜、良かった。〇〇、失神してたんだよ?
そりゃそうだ!!!
奈於の祖父:はっははは!!どうじゃ、凄いじゃろ?
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112247496/picture_pc_93f9b92b0fd0ca53ec36dcb159316bd2.png?width=800)
奈於:うん、凄く楽しかったよ!!!
奈於の祖父:〇〇君はどうじゃった?
〇〇:もう…勘弁してください…
fin.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?