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「外では弟に甘えさせたい姉は家に入ると甘えん坊になります」
ー△△大学前ー
?:〇〇、お疲れ〜
〇〇:お疲れ〜
一緒に講義を受けていた友人と別れ、俺は大学の門を通り過ぎた。
ドンッ
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綾:やっは〜、〇〇ー!!!
〇〇:うぉ!!びっくりした…
綾:あはは、ど〜う?調子は?
〇〇:ま〜、ぼちぼち??
綾:本当に大丈夫?
〇〇:うん、平気だよ。
こちらは、俺の姉の吉田綾乃クリスティー。ミドルネームが入っているのは、俺と綾姉ちゃんの母さんがイギリス生まれで、母さんがつけたのだ。ちなみに、俺のことは吉田〇〇ジョンと名付けた。
今、両親は海外に出張中で、家には俺と綾姉だけ住んでいる状態だ。
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綾:なにかあったら、姉ちゃんに相談するんだぞ?
〇〇:分かってるよ、ありがとう。
綾:あっ、そうだ!今日家でピザ食べながら映画観ようと思うんだけど、どうかな?
〇〇:最高じゃん!さすが綾姉ちゃん!
綾:でしょ?決まりだね!
ということで、今夜は家でピザパーティーとなった。
綾姉がスマホでピザの注文と決済を済ませてくれて、あとは家に帰って待つだけにしてくれた。
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綾:完了っと。〇〇、今日はおんぶして帰るよ!
〇〇:いや、それは恥ずかしいよ!!綾姉。
綾:え?じゃあ〜、抱っこしてあげる!
〇〇:もっと恥ずかしいから!!
綾:も〜う、昔はよく抱っこしてあげてたんだよ??
〇〇:昔でしょ?もう子どもじゃないから。
綾:子どもじゃないけど昔も今も、〇〇は私の可愛い弟なのは変わらないよ!
そう言うと綾姉が俺の頭を撫でてきた。
〇〇:ちょっと、くすぐったいてば!笑
綾:あはは笑
普段からこんな明るいのは、おそらく母さんの遺伝子を受け継いだからだ。
まあ、だからこそ父さんはそんな明るい母さんに惹かれ、そして俺たちを産んでくれたんだなと毎回思わせてくれる綾姉には、感謝している。
今は、子どもたちと両親たちでそれぞれ分かれているが、父さんには母さんが、俺には綾姉がいるので、お互い心配しないでいられるんだろう。
そう思っただろう…
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ガチャ
家に入った瞬間、
綾:やばい…疲れてきた〜
フラついた足取りで綾姉はそのままリビングへ向かい、ソファーにダイブした。
〇〇:ちょっと、大丈夫??
綾:ん〜、ダメかも〜
もしや…と、密かに思った。
綾:膝枕して〜〜
やっぱり!
〇〇:しょうがないな〜笑
ソファーでうつぶせになっていた綾姉の顔の横に座ると、綾姉はすぐ顔を俺の膝に乗せてきた。
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綾:えへへ〜ありがと〜
〇〇:今日も仕事大変だった?
綾:うん〜たいふぇんだったぁ〜
〇〇:よしよし、綾姉は偉い偉い!
綾:そ〜う、ねひぇちゃんがんぶあった〜
それから、綾姉の頭を撫でてあげた。
最近、家で綾姉と二人っきりになると、綾姉は何故か急に甘えん坊モード全開になるのだった。
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(インターホンの音)
〇〇:あ、ピザ届いたよ!ちょっといくね。
綾:え〜、ひぃざまくぅら〜
〇〇:ダ〜メだって、ピザ食べられないよ?
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綾:しょれはやダ〜
〇〇:じゃあ、ちょっとどいて待っててね。
綾:しょうがないな〜
綾姉に頭を退かせてもらって、俺は配達のピザを受け取りに言った。
〇〇:ほら、ピザきたよ〜
綾:うぉおおお、美味しそうな匂い!!!!
急にソファーから飛び起きるのが、まるで子どもみたいだった。
テーブルに皿を置いて、ピザを取る。
綾:ん〜おいひぃ〜〜〜!!!
〇〇:ほんと、綾姉は美味しそうに食べるよね。
綾:だって〜美味しそうに食べるのが一番良いんだよ?
それはその通りだ。
俺もピザを頬張ると、チーズがもの凄く伸びた。
〇〇:うわ、凄っ!?
綾:あはは。ねえ、今からどっちがチーズ伸ばせるか競争しようよ!
〇〇:こら、食べ物で遊んじゃいけないよ。
綾:は〜い笑
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それから綾姉とソファーでくつろいで、ピザを食べながらサブスクで映画を観ていた。
途中で二人で爆笑したり、時々泣きそうになったりして、映画を満喫していた。
綾:ふにゃ〜〜
本編が終わってスタッフロールのところに差し掛かったとき、綾姉がうとうとしながら頭を俺の肩に乗せてきた。
綾:zzzzz
〇〇:寝ちゃったか。
そっと綾姉の頭を俺の肩から下ろして、ソファーに置いてあった枕に綾姉の頭を乗せてあげた。
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綾姉にかけてあげる掛け布団を取りに行こうとしたとき、スマホから着信が来ていた。
〇〇の父:よ〜〇〇。姉ちゃんと楽しくやっているか?
〇〇:うん。ちょうどさっきまで一緒に家で映画観てたんだけど、寝ちゃってさ。
〇〇の父:はは、そうか。こっちも母さんがホテルの部屋でさっきまで俺が膝枕してたんだよ笑。
〇〇:そっちも、母さんが甘えん坊だったんだね笑。
〇〇の父:そうなんだよ笑。さっきまで外のレストランにいた時は物凄く元気だったのに部屋に着いた途端、子どもみたいにス〜ス〜寝ちゃってさ。
父さんとの通話を終えて、クスッと笑った。
掛け布団を取って来て、綾姉に掛けてあげると、
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綾:ん〜〇〇のひじゃじゃな〜い。
寝言なのか、それとも起きてるのか分からなかったが、俺は電気を暗くしてソファーに座って自分の掛け布団を掛けてから、綾姉に膝枕をしてあげた。
綾:んふふ〜
〇〇:起きてるね、綾姉?
綾:〇〇がチュ〜してくれたら、寝れる〜
〇〇:もう、子どもじゃないんだから…
綾:おにぇが〜い〜
〇〇:しょうがないな〜笑
俺はソッと、綾姉の頰にお休みのキスをした。
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綾:んふふ〜〜おやふみ〜zzzzz
〇〇:おやすみ…zzzzz
fin.
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