「僕(私)は、君に惹かれた 」 〜after 01〜
美波から空手を教わって、髑森たちから美波を庇って、それから〇〇は美波と恋人になった…
あれから数年後。
美波:ん…
美波が目を覚ますとベッドの隣に〇〇が起きて空いたスペースが出来ていた。
美波:ふぁ〜、ん?
開いた部屋のドアの隙間から、食欲をそそる匂いがしてきた。
美波:(キッチンにいるのかな?)
美波がドアを開けて廊下に出てキッチンに向かうと、料理をしている〇〇の後ろ姿が見えた。
美波はそっと〇〇に近づくと、〇〇に後ろからハグした。
〇〇:ん、おはよう美波。
美波:んふふ、おはよう〇〇。
〇〇:まだご飯出来てないから、ソファーでゆっくりしてても良いよ。
美波:大丈夫、これ〇〇への訓練だから。
そう言いながら、美波は〇〇の首に顔をくっつけてくる。
〇〇:いやいや、なんの訓練よ?笑
美波:え、新しい空手の。笑
〇〇:ふふ、面白い主将さんだ笑
美波:何作ってるの〜?
〇〇:美波の大好きなフレンチトースト。
美波:やっぱり♪
同じ大学に入学してすぐに、2人は同棲を始めた。
美波:ん〜、美味しい〜!
〇〇が作ったフレンチトーストを頬張り、美波は満面の笑みを見せてきた。
〇〇:良かった。
美波:ありがとう、〇〇。
〇〇:あ。
美波:え?
〇〇が手を伸ばすと、美波の右頬についた砂糖を取った。
〇〇:付いてたよ。
美波:あ、ありがとう。
〇〇:ふふ。
美波:な、何笑ってるのよ?
〇〇:いや、美波ってギャップ凄いなって。
美波:唐突にディスるじゃん。笑
〇〇:違うって。褒めてるよ、ちょっと子どもっぽいのも可愛いなって。
美波:やっぱりディスってる〜〜!笑
美波が口を尖らせて、フレンチトーストを一口サイズに千切った。
〇〇:ごめんって、拗ねないでよ。
美波:はい。
〇〇:え?
美波が千切ったフレンチトーストを〇〇の口に近づけてきた。
美波:あ〜んして。
〇〇:へ?
美波:良いから、ね?
〇〇:え、あ、あ〜ん…
パクッ
美波にあ〜んをされた瞬間、〇〇の顔が赤くなっていた。
美波:ぶふっ、顔あっか笑笑
〇〇:な、見ないで!
美波:可愛いな、〇〇。
〇〇:もう…
美波:さっきのお返しだからね笑
〇〇:だと思った笑笑
こんな風に休みの日は、〇〇と美波がイチャつく朝がやってくる。
〇〇:あ、そうだ!
美波:何?どうしたの?
〇〇:ちょっと目閉じて待ってて。
美波:なんで?
〇〇:良いから、良いから。
美波の手を美波の目に覆わせて、〇〇は食卓から移動した。
〇〇:絶対開けちゃダメだよ〜、良いって言うまで!
美波:もう、わかったよ〜
少しして、〇〇が小さな白い箱を持って戻ってきた。
美波:(何してるのかな?)
〇〇:良いよ、目開けて。
美波:本当に?
〇〇:本当に。
美波:ドッキリとかじゃないよね?変な虫のおもちゃとか。
〇〇:違うって笑
美波:あ、開けるよ?
〇〇:うん。
美波が目を開けると、蓋が開いた箱にネックレスが入っていた。
美波:これ…
〇〇:誕生日おめでとう、美波。
美波:ありがとう…〇〇‼️
〇〇:美波が前に欲しいって言ってたからさ。
美波:もう、変に警戒しちゃった笑笑。ありがとう、覚えててくれて。
〇〇:付けてあげよっか?
美波:う、うん。
〇〇がネックレスの留め具を後ろに回して付けた。
ネックレスを〇〇に付けてもらう美波も、さっきの〇〇みたいに顔が紅潮していた。
美波:ど、どう?
〇〇:凄く似合っているよ、美波。
美波:よ、良かった。
それから身支度して、〇〇と美波は外に出かけた。
美波は〇〇からもらったネックレスを時々触れながら、時々微笑を浮かべていた。
〇〇:美波〜
美波:あ、うん!どうした?
〇〇:凄くそれ気に入ってくれたみたいだね。
美波:え、あぁ…うん笑(だって〇〇がくれたんだもん。〇〇がくれたものならなんだって…)
美波:ねえ、これからどこ行く?
〇〇:ああ、それ聞こうと思ってた。
美波:ああ、そっか。ごめん。
〇〇:ううん、じゃあ美波がこの前行きたいって言ってたお店は?
美波:良いね!
〇〇:じゃ、決まりだね。
美波:うん。
2人が手を繋いで、美波が〇〇の肩に顔を乗せながら歩いていった。
fin.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?