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知らない子に付いていくのはやめましょう、何故なら…
※(この話は、実際に体験した方の話を基にフィクションを混ぜて作成しています。)
これは高校生の頃、ある冬の部活終わりに1人の先輩と自転車で帰宅していた時のことでした。
美佑:ちょっと休憩していかない?
自転車に乗って帰り道を進んでいると、?先輩が温かいものが飲みたいと言って途中の自販機のところで自転車を止め、ココアを二人分その自販機で買って分けてくれたんです。
美佑:ほい。
〇〇:ありがとうございます。
カチッと缶の蓋を開ける音をさせてココアを飲むと体が温まり、近くにあったベンチに二人で座りホッと息をついていました。
美佑:美味しいね。
〇〇:そうですね。
美佑:あ、そうだ。これって聞いたことある?
〇〇:なんですか?
美佑:いやね、ここ…出るらしいの。
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何のことか分からずキョトンとしていると、
美佑:幽霊。
〇〇:え?
唐突にそんなことを松尾先輩から言われたんです。
〇〇:いやまさか〜笑
美佑:本当に出るらしいよ?
〇〇:でもそんな噂聞いたことないですよ?
美佑:うん、私も最近聞いたんだ〜
ニヤついている様子から、どうせわざと怖がらせるために言っているんだろう。
そう思いながら続けて聞いてみました。
〇〇:で、どんなのなんですか?その出る幽霊って。
美佑:え〜っと…
美佑:なんか子どもの霊?が夜に突然現れる…とかだったかな。
〇〇:なるほど〜
聞いたところ適当さが感じられたのもあって、誰かが悪戯で広めたんだろうと思いました。
その時は…
それから少しして、再び2人とも自転車に乗って道を進み始めたのですが…
(自転車のブレーキ音)
突然、松尾先輩が自転車にブレーキをかけたんです。
〇〇:⁉️
慌てて自分もブレーキをかけて止まりました。
〇〇:ど、どうかしたんですか?
何事かと思い、先輩に聞くと…
美佑:ねぇ、ここ…変じゃない?
浮かない表情をしながら、先輩が自分たちの右手にある道の方に指を差していました。
〇〇:この、道ですか?
一瞬何気なくそう受け答えしたんですが、
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美佑:だってさ、こんな道…
昨日まで無かったよ?
〇〇:❗️
そう言われた瞬間、初めて寒気がしました。
言われてみれば、そこは木々が生えていて道など舗装されていない場所の筈でした…
ところが何故か、その時には木々が減っていってまるで遠くまで続く道があるかのようになっていたのです…
〇〇:でも、どうして…
首を傾げていると、
ササッ
草を踏む音が聞こえてきて、その道の真ん中に白いワンピースを着た髪の長い小さな女の子が現れました。
が…
〇〇・美佑:⁉️
その女の子には目がなく、
その代わり真っ黒な空洞が二つ…
美佑:に、逃げるよ‼️
〇〇:は、はい‼️
異常を感じた僕たちは急いで自転車を漕ぎ、その場から去りました。
それから数日経ったある日、
また松尾先輩と一緒に下校していました。
美佑:ねぇ、この前の…あれ、やばかったよね。
〇〇:そうですね。
あの時の、不思議な道とそこに現れた不気味な少女のことについて話題になりました。
美佑:あんなの初めてだよ…
〇〇:・・・
美佑:どした?〇〇くん。
〇〇:いえ、その…
一瞬黙ったのには訳がありました。
実は、こういった不可思議な出来事には前に経験したことがあったからです…
昔住んでいたマンションの近くに田んぼがありました。
ある時、そのマンションから出て田んぼの近くを通り過ぎようとしたところ、その田んぼの中に一人でに立ち尽くす女の子がいたのです。
初めて見た時は、なんか変わった子がいるな…
その程度にしか思っていなかったのですが、
それから何度もその場所で見るようになると、流石に気味悪くなってきました。
〇〇:ねぇ母さん?
〇〇:あの田んぼのとこにさ、いつも女の子いるよね。あの子なんなんだろうね?
何となく母にそのことを聞いてみたんです。すると、
ガシャン
母が食器を台所で落としてしまいました。
麻衣:み、見たのね?
〇〇:え?
麻衣:その田んぼで、〇〇も見たのね?その子…
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母がその時、真っ青な表情で聞いてきたのでこちらも怖くなってきました。
麻衣:〇〇、今度母さんと一緒に霊媒師の人に視てもらうわよ。
〇〇:え、なんで??
麻衣:あなたと私が見たの、霊だからよ…
この時初めて知ったのですが、母は小さい頃霊感が強くて、この世のものではない存在によく取り憑かれて怖い思いをしたとか…
そのため霊媒師の方に除霊してもらい、それでようやく落ち着いたそうです。
後日、母に連れられ霊媒師の人に見てもらいました。
霊媒師の方曰く、その田んぼで見た少女は霊とみて間違いないとのことでした。
ただこちらに害を成すことはないだろうと言われ、二人して安心して帰りました。
美佑:ヘェ〜、じゃあ〇〇くん前に幽霊見たことあったんだ〜
〇〇:まあぁ。そうですね。
美佑:でも良かったね、その霊が悪いのじゃなくて。
〇〇:そうですね。
それから、二人で自転車を漕いでこの前とは別の道で帰って行きました。
ところが…
それから1週間経った日のことでした。
その日はたまたま学校が休みで、暇だったので散歩していました。
〇〇:ふ〜、たまには良いよな。こういうのも。
と独り言を呟いていると、公園のブランコで小さくうずくまっている女の子を見つけたんです。
〇〇:(大丈夫かな?)
心配になって、その子のもとに近づいたんです。
?:うぅ…うぅ…
〇〇:どうしたの?
?:あのね、ママとはなれちゃったの…
どうやら母親とはぐれてしまい、泣いていたそうです。
〇〇:そっか、じゃあお兄さんが一緒に探してあげるよ。
?:ほ、本当に?
〇〇:うん。
そう言うと、女の子は顔を上げてにっこりと笑ってくれました。
それからその女の子と手を繋いで、母親を探すことに。
〇〇:もしかしたら、お母さんお家にいるのかもね。
?:じゃあ、お兄さん。そこまでいっしょにいこ?
〇〇:うん。
その子に道案内してもらいながら、女の子を家まで届けることにしました。
しばらくして…
?:あ、おうちちかいよ!
〇〇:本当?良かった。
これで、女の子を無事に家に帰してあげられる。
そう安堵していました。
〇〇:?
女の子を連れてとある場所につき、右に曲がった時です。
目の前に見覚えのある光景が広がっていました。
木々が生い茂っていて、その真ん中に道が続いていて…
〇〇:(え、これ…)
見た瞬間、体が震え始めたんです。
嫌な予感がする…
バッ
〇〇:!?
その瞬間、空いていた左手が強く握られました。
左を向くと、
美佑:行っちゃダメ!!!!
必死な形相で僕の左手を松尾先輩が掴んで引き戻そうとしていました。
〇〇:先輩!?
美佑:その子から離れて!
先輩からそう言われ、僕は右手の方を見たんです。
さっきまで僕の手を掴んでいた腕が、
肌色から真っ白に変わっていたんです。
それに服装も、
さっきまでは冬物の洋服だったのが、
いつの間にか白いワンピースに変わっていて…
〇〇:!
僕は恐る恐る、その腕から顔の方へと視線を移しました…
そこにはさっきまでの可愛らしい少女の面影はなく、真っ白な肌に髪が長く、目が無くて真っ黒な空洞が二つ…
「チッ!アトスコシデ、キミヲツレテケタノ二ナ!」
〇〇:うわぁあああああああああ!!!??
それから、僕は先輩と一緒に霊媒師の方に見てもらいました。
が、霊媒師の方曰く除霊するまでもないとのことでした。
霊媒師:あなたのね彼女さんの守護霊が強いから、その守護霊がねあなたのこと守ってくれてるよ。
実はあのあと、
美佑:良かった、間に合って…
僕に抱きついて、先輩が涙を流していました。
〇〇:先輩…
美佑:ダメじゃない、あそこに近づたら!この前怖い目にあったのに!
〇〇:すいません、本当に…
美佑:ほんとだよ…私嫌だよ。
美佑:もしあのまま、〇〇君が連れてかれちゃって二度と戻らなかったら…
仕方ないとはいえ、先輩が近くにいなかったら本当に危ないところだったので、先輩がここまで言うのも当然だと思います。
〇〇:本当、心配かけてすいませんでした!
僕は松尾先輩から離れて、頭を下げて謝りました。
美佑:もう許さないからね。
〇〇:!?うぅ…
美佑:いい?今から言うこと、ちゃんと聞いてね。
〇〇:は、はいぃ…
命の危険に晒された身です。
だからその命の恩人である先輩の言うことなら、どんなことでも聞くつもりでした。
美佑:今日から、私と付き合ってね。
〇〇:へ?
気がつくと、先輩が僕の手を握っていました。
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美佑:〇〇君のこと、私ずっと前から好きだったの。
あの恐怖体験をして良かったこと、
それは松尾先輩と恋人同士になれたことでした。
fin.
※(この話は、実際に体験した方の話を基にフィクションを混ぜて作成しています。)
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