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妄想でも甘くて、実際はもっと甘々で…


下校中、1人で咲月は道を歩いていた。


咲月:うぅ…寒い…


身体を縮こまって咲月は寒さを凌ごうとした。


咲月:朝寒くなかったからマフラー持って来なかったよ…


咲月:寒いよ…


咲月:あぁ〜、〇〇が居たらな…



(咲月の頭の中)


〇〇:どーした、リスみたいに縮こまって。


咲月:だって、寒いんだもん…




〇〇:今日、午後は気温下がるって予報で言ってたぜ?


咲月:知らないよ、朝暖かかったら今日はあったかいって思うじゃん!


〇〇:はいはい、分かったよ。


〇〇が咲月の頭を軽く叩く。


〇〇:マフラー貸してやるから、ほら。


咲月:え…


咲月に〇〇が自分のマフラーを巻いてあげた。


〇〇:あったかいだろ?


咲月:えへへ、ありがとう!


〇〇に咲月が抱きつく。




咲月:はぁ〜、なんで今日〇〇部活あるんだよー!


咲月:〇〇のばーか!



咲月:渡したいのもあるのに、何が部活あるだよ、ぷん。



?:おい、人のこといきなり馬鹿呼ばわりすんなよ。


咲月:え?

咲月が振り返ると、鞄を手で持ちながら方に乗せている〇〇が立っていた。



咲月:〇〇、部活だったんじゃないの⁉️


〇〇:なんかなくなった。顧問が風邪引いたから。


咲月:そ、そうなんだ…


咲月:くしゅんっ!


〇〇:おいおい、大丈夫かよ?


咲月:平気だよ、別に…


〇〇:ほら。


咲月:え?


咲月の妄想の中の〇〇と同じように、目の前の〇〇が自分のマフラーを取って、咲月の首にマフラーを巻いてあげた。

〇〇:少しはあったかいだろ?


咲月:う、うん…(凄くあったかい。)


咲月:ありがと。


顔を少し赤らめながら咲月はお礼を言った。


〇〇:ああ…



〇〇が歩こうとすると、咲月が〇〇の手を掴んで引き留めた。


〇〇:ん?どした?


咲月:ごめん、ちょっとまだ寒い。


〇〇:大丈夫か?本当に風邪なんじゃ…


咲月:ううん、そうじゃなくて…


咲月は〇〇に背を向けながら〇〇の両手を掴んで、自分の身体に〇〇の腕をまわさせた。



〇〇:え?


咲月:こうしたら、あったまるから…


〇〇:ふっ、仕方ないな〜


〇〇はそのまま咲月にバックハグをして、咲月をあたためてあげた。


咲月:んふふ♪




〇〇:甘えん坊さんだな、咲月は。


咲月:良いじゃん。


〇〇:ま、良いけど。笑




少しして咲月が自分から〇〇のもとを離れ、鞄からリボンで結んだ包みを取り出した。


〇〇:それは?


咲月:あっためてくれたお礼。


咲月はそのまま包みを〇〇に渡した。


咲月:それといつもありがとう、っていう感謝だよ。


〇〇:咲月。


咲月:昨日作って、今日渡したかったの。


〇〇:あ、ありがと…


咲月からバレンタインのチョコを貰った〇〇は照れていた。



咲月:ぷふ、顔あっか!笑笑




〇〇:な、そんなことねーし!


咲月:いやほっぺ凄いよ?笑



咲月に頬を突っつかれた〇〇は、咲月の頭をポンっと叩いた。

けど構わず咲月は悪戯っ子な顔をしながら、〇〇の頬を突っついていた。


fin.

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