僕の願いが届いたんじゃない。
ー乃木神社にてー
絵馬に願い事を書き、掛けようとすると、後ろから背中を押された。
「何してたの?」
「あ、いや…合格祈願だよ」
「ほんとに?見せてよ。」
「あ、ちょっ…」
強引に手をどかされ、絵馬に書いた内容を見られた。
(お、終わった…)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんで、嘘ついたの?」
「ご、ごめん…(最悪だ…何してんだ俺氏)」
「嘘つかないで良かったのに…」
彼女が、自分の絵馬を見せた。
「!」
「ね?」
「あ、あの…さっき言ったのは嘘だけど…絵馬に書いたのは、お、俺の本当の願い事だよ!」
「分かっているよ。」
微笑む彼女が差し出した手を握る。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?