「台風だけどほのぼのしてます」

朝起きると、家の窓に雨と風が打ちつけていた。

天気予報で3日前から台風が近づいていると報道されていて、今日まさにこの近くの空を台風が通過しているのだ…


〇〇：凄いね、風の音。

陽菜：うん、雨も凄いし。

〇〇：台風だから仕方ないね。

陽菜：これじゃ、どこにも行けないね…

〇〇：どうしよっか…

台風で大学の講義が休みになったものの、何をしようか迷っていた。

陽菜：桃鉄しようよ。

〇〇：良いよ。

ゲーム機を起動して、2人分のコントローラーを用意した。

〇〇：どうしよっか？年数。

陽菜：3年決戦でやろうよ。

〇〇：おっけー。

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それから、コンピューターの対戦相手を2人分設定して桃鉄を始めた。

途中、陽菜の汽車が赤マスに止まった。

陽菜：え〜、お金減っちゃったよ〜

〇〇：はは、どんまいって。


次に〇〇の番になって青マスに止まる。しかも、営業成績3倍のイベントが起きた。

〇〇：うぉ、あざまーす！

陽菜：え〜、ずるいよ〜！


と〇〇が浮かれていたら、スリの銀次イベントが起きてしまう。

〇〇：えっ、ちょっ…おい、取るなぁー！

陽菜：あはは、どんまい。欲張るからだよ！


そんなこんなで、桃鉄の3年決戦を3回やった。





勝利数の結果は、2対1で陽菜の勝ちだった。

陽菜：いえ〜い、勝った〜！

〇〇：いや、運良過ぎだって…

陽菜：運も実力の内だよ〜

〇〇：あ〜、悔しい！！

陽菜：ねぇ〜、映画観ない？

陽菜がテレビの入力を切り替えて、サブスクの画面に変えていた。

〇〇：ん〜、気分転換に観るか。

陽菜：観よ観よ。


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2人でスパイ映画を観ていた。



映画が見終わったタイミングで、丁度外が晴れてきた。

〇〇：あ、止んだね雨。

陽菜：〇〇〜、外出かけない？

〇〇：え、でも今蒸し暑いよ？？

陽菜：さっき観たやつの続き、映画館でやっているから、観たいな…

そういえば、そうだったな。

と〇〇は思い出し、陽菜の提案に乗った。

〇〇：じゃあ、行こ。俺も続き観たいし。

陽菜：やったぁ〜


喜んでる陽菜の姿を見て、〇〇は口角が上がっていた。


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〇〇と陽菜は映画館に着き、予約していた2人分のチケットを発券し、ポップコーンとドリンクを購入した。

陽菜：んふ、美味しい。

ポップコーンを一つ口にいれ、頬張っていた。

〇〇：良かった。

すると、陽菜がまたポップコーンを掴み、
今度は〇〇の口に持ってきた。

〇〇：え？

陽菜：はい、あーんして。

口を開けて、陽菜にポップコーンを入れてもらう。

陽菜：ポップコーンの箱、持っててくれてるからね。

〇〇：ありがと。


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そして、映画を観終わると、


陽菜：泣いてるじゃん。

〇〇：だ、だって…〜〜が最後あんなこと言うんだよ？

陽菜が観たいって言って映画を観に来た筈が、何故か観終わると〇〇が号泣していた。

陽菜：よしよし。

〇〇：でも良かった、観れて。

陽菜：うん、楽しかった。

〇〇：次どうする？

陽菜：どうしよっかな…？

呑気にしながら、〇〇と陽菜は手を繋ぎ、時々互いに目を合わせてニッコリしていた。

fin.