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恐怖って、そんな簡単に終わらない…何故って…

※(この話は、実際に体験した方の話を基にフィクションを混ぜて作成しています。)


放課後の教室で…


健斗:で、その廃墟になった病院に夜行って、5階の564室に行くと幽霊が現れて追っかけられるらしいんだよ。

いろは:何それ、怖っ。

〇〇:もし捕まったら、どうなるんだ?

健斗:捕まったら、首から上を…

咲月:ちょっ、それ以上は言わないで!!

健斗:え、ああ…そうだな。言わないでおくわ。

〇〇:おい、何本気でビビらせに来てるんんだよ健斗。

健斗:いや、聞いてきたのはお前だからな?

〇〇:それは、うん…悪かったわ。

いろは:なんか、肝試しでは行かない方が良さそうだね…




夏が近くなると、クラスのほとんどが帰った教室で4人で怪談で盛り上がることがここ最近の日課になっていました。


健斗:じゃあ、俺たち先帰るわ。

〇〇:おう、じゃあな。

いろは:またね〜〇〇くん、さっちゃん。

咲月:うん、またね〜


健斗くんといろはと別れて、私は〇〇くんと一緒に教室に残っていました。


〇〇:しかし健斗の野郎、ほんとどっからあんなに怪談を持ってくるんだろうな。

咲月:そうだね、すごいよね。

〇〇:ま、けど怪談って実際に遭ったら結構怖そうだよな。

咲月:うん…

〇〇:ん?どうした咲月?

咲月:あのね、実は昔…遭ったんだ。

〇〇:え?

咲月:小学生くらいの時なんだけどね…

〇〇:初めて知ったわ…

咲月:うん、誰にも言ってないし。

咲月:でも、〇〇くんにだけはその、言おうかなって…

〇〇:大丈夫なのか?その、話し出したら怖くなってとか…

咲月:ううん、大丈夫。まぁ、あの時はすごく怖かったけど。


そして、私は〇〇くんにその時の出来事を話し始めました。


これは、小学生の時に私が実際に体験した話です…




ある日、小学校から帰ってきた私は家のソファーでゴロゴロしていました。


両親はその日仕事で出かけていて家には誰もいなく、

暇を持て余していた私はとりあえず宿題を終わらせてから、

テレビをつけて好きだったアニメかなんかを観ていたんだと思います。


しばらくすると、


トンッ…   トンッ…


2階からゆっくりと歩く音が聞こえてきたんです。


もしかしたら、母が早く帰ってきたのかもしれない。


そう思った私はテレビを消してソファーから立ち上がり、廊下に行って階段のところから2階に向かって叫びました。


咲月:おかえりー、お母さーん!


シーンッ


返事は返ってきませんでした。


もしかして部屋で寝てるのかもしれない。


そう思って階段を上り、2階にある両親の寝室に向かったんです。


ガチャッ


寝室のドアを開けると、


咲月:え?


ベッドには誰もいなくて、部屋中見回りしても誰かが入ったような痕跡すらありませんでした。



もしかしたら他の部屋にいるのかもしれない。


そう思って、2階にある残りの2部屋を見てくることにしました。


ガチャッ


当時物置きに使っていた部屋のドアを開けました。


シーンッ


誰もいませんでした。

最後に私の部屋に着き、部屋のドアを開けました。


ガチャッ


シーンッ


誰もいませんでした。




「フフッ」



咲月:⁉️


突然部屋の外から、知らない女の人の笑い声が小さく聞こえてビクッとしました。

怖くなった私は、部屋のドアを閉めてベッドに上り布団を被って隠れていました。


咲月:(早くお母さん、お父さん帰ってきて…)


そう切に願いながら、私は目を閉じていました。


それから、1時間くらい待ったのでしょうか?


ガチャッ


咲母:ただいま〜、咲月〜


玄関から母の声が聞こえてきて、私はホッとしました。


咲月:(良かった、お母さんが帰ってきた…)


私はすぐ布団から出て部屋のドアを開けて、下に降りようとしました。

部屋を出て階段を降りようと左に曲がった瞬間、


ドンッ


目の前で、白い服にぶつかったんです。


咲月:⁉️


下を見ると、



そこには血だらけの脚が…




そして顔を上に上げてしまったんです…

そこには、







「イタイ…イタイヨォ…」




額から血を流した青白い女のひとが…



咲月:いやぁああああああ⁉️


そのまま気を失った倒れてしまいました…





〇〇:⁉️

〇〇:そ、それで…その後は?

咲月:その後ね、お母さんとお父さんが帰ってきて2階の廊下で倒れていた私を介抱してくれていたの。

〇〇:そっか…

咲月:その後霊能力者の人にみてもらったら、私が外で霊に憑かれてそのまま家に連れてきちゃったみたいなの。

咲月:それでお祓いしてもらって、それからは特に何も起きていないかな…

〇〇:そっか、良かった。

咲月:うん。


小学生の時の話をし終えた私は、そのまま〇〇くんと手を繋いで帰りました。


ただ一つ、彼にはまだ言ってないことがあるんです…



話の途中で私たちは教室から出て校門を通り、

歩きながらまた話を続けていたのですが、

その途中、少し離れた場所に植えられていた木の後ろから、










目が真っ赤な、生気のない黒いワンピースを着た女がこちらをジッと見ていたことを…


fin.

※(この話は、実際に体験した方の話を基にフィクションを混ぜて作成しています。)

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