会社で恐れられる女上司は、部下である彼氏くんに甘えたいのと甘えさせたいになります。
ー会社内ー
美波:これ、見せてもらったけど…ひどい。
?:は、はい…
美波:これじゃ通るわけないわ、やり直して。
?:す、すいません!
上司にダメ出しを食らい、肩を落とす部下が〇〇のもとにやって来た。
?:はぁ…
〇〇:どうした?ため息なんかついて。
?:またダメでした…
その一言で、何のことか直ぐ〇〇は察した。
〇〇:また梅澤さんだな?あの人厳しいからね…
?:そうなんですよ…
?:まぁ、前の全然仕事しない上司よりはマシだとは思いますが…
〇〇:で、どこ直さなきゃいけないんだ?
?:え、見てくれるんですか?
〇〇:ああ、丁度手が空いたから。
?:ありがとうございます😭
この課の皆が分かっていることだが、前の男上司は偉そうな割に自分で全然仕事せず、部下に仕事を押し付ける最低な人だった。
それが去年にようやく会社から去り、その後を美波が引き継いだ。
厳しさが多少部下たちには怖い思いをさせてはいるものの、ちゃんと仕事はこなすし会社の業績を改善させたりと、部下たちからの評価は寧ろ前の上司よりは良い。
そんな美波にも、素を見せられる相手はいた。
ー〇〇と美波の家ー
美波:はぁ〜、疲れたー〇〇!
〇〇:お疲れ様、美波。
ソファーに寄りかかっている美波の肩を、〇〇がマッサージし始めた。
美波:く〜、痛っ!
美波:でも気持ち良い〜
〇〇:ふふ、良かった。凄いこってるね。
美波:そうなの。
美波:はぁ〜、やっぱりデスクワークは肩にくるね。
美波:あ、後で〇〇の肩もマッサージするね。
〇〇:ありがと。
美波:いえいえ。
美波:あー、でも気持ち良くて寝ちゃいそう。
目がうとうとし始めた美波は、顔を〇〇の腕にすりすりする。
〇〇:良いよ、寝てて。
〇〇:ご飯作ってくるからさ。
美波:あ、ダメダメ!
美波:今日は、〇〇にご馳走作るって決めているから。
〇〇:へ〜、何作ってくれるのかな〜
美波:ふふ、楽しみにしてて♪
美波がエプロンを付けてキッチンに向かうと、〇〇は洗面所の前に置いてある洗濯物が入ったかごを持っていき、洗濯物を洗濯機に入れて洗剤をセットしてスイッチを入れた。
それからお湯を沸かして、風呂に入れるようにしてから、〇〇は美波のところに向かった。
〇〇:ん⁉️この匂いは…
美波:じゃーん、ブイヤベースだよ♪
食卓に、ブイヤベースの入った鍋とフランスパンの乗った皿が置かれていた。
〇〇:うわー、めっちゃ美味しそう!
美波:〇〇が前に食べたいって言ってたから作ってみたんだ。
〇〇:ありがとう!
美波:ふふ、良かった!
美波:早く食べよ?
〇〇:うん。
2人は食卓の椅子に座って、パンをブイヤベースに浸して食べた。
〇〇:んー、美味しい!
美波:味とかどう?
〇〇:丁度良いよ!
美波:良かった、濃すぎたりしないかなってちょっと不安でさ。
〇〇:全然!美波が作ったのなら、なんでも美味しいよ?
美波:ふふ、嬉しい。
そうニコニコしながら、美波がブイヤベースのタレをつけたパンを〇〇の前に差し出した。
美波:ほい。
〇〇:ん?
美波:ほら、口開けて。
〇〇:え、良いって。美波まだ食べてないじゃん?
美波:良いから、あーんして?
〇〇:え、あ、あーん。
パクッ
美波にあーんをさせられて、顔が赤くなる〇〇だった。
美波:ふふ、〇〇可愛い。
〇〇:な、何それ?
〇〇:この小悪魔め。
美波:ひゃ〜、目が怖いですぅ〜笑
〇〇:もうー笑
美波:あはは。
会社での雰囲気とは打って変わって、美波は〇〇に対しては素直であった。
ー寝室ー
美波:ね〜、〇〇?
〇〇:何?美波?
美波:好き。
枕に顔を乗せて、〇〇の顔を見ながら美波は言う。
〇〇:え、何?
美波:もう、聞こえてるでしょ?
〇〇:バレた?
美波:このー!
〇〇:うわ!?
〇〇:ちょっと、くすぐったいって笑笑
美波:彼女を揶揄ったバツだー❗️
〇〇:あひゃひゃひゃ!(涙)
〇〇:すいませんでした…
美波:じゃー、私にも言ってくれたら許す。
〇〇:え?
美波:ほらー、早く。
頬を膨らませて、美波は待っていた。
〇〇:ふふ、分かったよ。
〇〇:好きだよ、美波。
美波:う、うん。
〇〇:何照れてるんだよー
美波:て、照れてなんかないし!
そうは言うものの、美波の頬は赤くなっていた。
〇〇:でも可愛いくて、良いよ。
美波:もう、ずるいってば。
そう言いながらも、美波は〇〇の手を握って微笑んできた。
〇〇:え、あ…
美波:ふふ。
〇〇:そっちだって…ずるいくらい…
〇〇:可愛いじゃんか。
〇〇が美波の頬をさすると、美波がまた照れ始めた。
美波:〇〇?
〇〇:何?
美波:おやすみ。
〇〇:うん、おやす…?
美波は目を閉じてそっと〇〇とキスを交した。
それから、2人は額をくっつけて微笑み合いながら目を瞑った。
手を繋いだまま。
fin.
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