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詠んだ短歌11

すぐ夜が始まる時の微かな気配 自室からすら逃げ出した木曜日


火をつける前の煙草の匂いに焦がれ燐寸を擦って見上げた雨雲


Amazonから来たドイツの小箱に引っ越し、燐寸棒たちがからりと笑った


ないものに焦がれて君に火をつける 煤の残り香が皮膚を蝕む


南東からきた暖かい風に吹かれて笑顔で沈んだ夕日


新宿で緑の電車に乗り込み揺られるわたしに微笑むタルパ


「ないからない」を飲み込めないからコンビニに閉じ込められたまま朝

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