俺のバイク:ロベルタ編(4)
なんか大変だった。
とにかくめんどくさかった。
だが俺がやらんとどうしようもない。いざやるとなると「証拠」というより「根拠」の方を固めなきゃならんのだ。妥協点は何個か用意したが、それはそうと、みたいな。
とにかく争点をシンプルに収めた方が楽らしい。そりゃそうだが。
あのオッサンも遂に「被告」となってしまい可哀想だが、なーんもしないやつが悪い。とは言え書類手続き上のことなので、別に言うほどのことでもないが。訴訟起こされれば誰だって被告になる。
負けたら俺が悪いことにすらなる。
なんで負けるのか、それは想像できない。
俺もここは相当に悩んだのだが、なんか歯切れが悪いのが気に入らなかった。また戻すの? とか。出来ました以外の話を俺は持ち込みたくない。だからギリギリまで待ったのだが。
というか「とりあえず車体は持っていけ」という話になるかと思っていたのだが、一切、そんなことはなく。
ただ普通に無視されている。風邪を引いたとかは連絡してきたそうだが。
お前の体調など俺が知るか。
ロベルタも別に知りたくないと思う。
この辺はケガの功名というかなんというか、任意保険に入れっぱなしになっていたせいで「預けた車体の登録番号その他」が参照できたので良かった。何せ書類が何も手元にない。全部あっちにある。
やるっつうから預けた。
やらなかったのだが。
ここまでやって「まあ放っておくよりゃマシか」という程度の話にしかなっていない。というかそうせざるを得ない。わざわざ裁判所だのなんだの通して。そりゃやんないよね、みんな。こんなめんどくさいこと。
インターネットが巧いバイク屋さんならいいのか? と言われるとそれもそれでどうかと思うが、少なくとも「丁寧な公式サイト」は業者に依頼して作って貰っているだろうからね。お金かけてるからね。手作りでタダで造ったようなのでお茶濁しているとこよりマシ。多分。
実際、あれこれ書類やらなんやら用意しただけあるというか、全ての要求に根拠があり筋が通っているというか、正論しか並んでいないというか。フワッとしたところが全くなくてさ。ちょっとビックリする。当たり前のことしか書いてない。なんで当たり前なのかを、俺が集めた書類から紐付けている。すげーってなっちゃった。
あとちょっと怖い。
あの文書ひとつ造るのにも、法律知ってますは当たり前として、だから弁済しろみたいな単純な話じゃなく、ひとつひとつに理屈がきちんと入っていて畳みかけるように仕上げてある。
「手続きのみ」なら自分でも出来るというのは分かるが、そういうことではない。手続きだけで終わるような話ではない。そんな相手なら俺もここまではしていない。
そんな感じで、取りあえず週明けに書類とかまとまっちゃうだろうし、いよいよ裁判所が関与する問題となってきており、訴状は何回読んでも読みごたえがあるのだが、これをまだ相手は知らないと思うと、こんなもん突然読まされたら俺だったら本当に心臓に来るというかショック死するんじゃないかという不安すらある。
俺も些か思うところはあり、何かと心配な部分はあるのだが、とりあえず金は20万いかないぐらいで落ち着いたので今のところ大丈夫です。大丈夫じゃないけど。ギリいける。
俺が正しいと思うんだけどな。
何にも間違ってないと思うんだけどな。
どうなっちゃうのかなこれ。
なんか面白いようになるのかな。
誰か死んじゃったらいやだな。
とかなんか色々思うところはある。が、お前が悪い。それはもう仕方ない。諦めて欲しい。ロベルタが対物ライフルを片手で振りまわしてバンバカ弾丸撃ち込んでくると思うが、もう知った事ではない。頑張って何とかして欲しい。あいつもキャクストンくらい潔いとこがあればなあ。
いよいよ何かが始まります。
果たしてあのバイク屋さんはどう対処するのか。誰も死なない幸せな結末を迎えることが出来るのだろうか。それはそれとして全ての不義には鉄槌が必要なのだが。
ロベルタ編(5)に続く。
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