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俺のバイク:ロベルタ編(8)

 まあ、なんちゅーか。
 民事裁判起こすのって大変よ? めんどくさいし、証拠固めはしなきゃなんないし、こっちで。
 これ刑事でも一緒だと思うんだよな。こっちの手間がないだけで、警察も「しっかりした証拠」を抑えないと動けないっちゅーか。証拠だーってなっても任意じゃない? 逮捕は裁判所から逮捕状出ないとダメなワケじゃない? 「警察なんか何もしてくれない、アテにならない!」って話がよくあるけど(あってはまずいのだが)そら犯人がいて被害者がいて、被害者もそういうだろうけど「犯人である」という証拠が見つからなかったらどうしようもねえんだよな、当たり前のことだけど。
 まあ、そんな当たり前の話をなんでするかっちゅーとだな、人を刺し殺した人間がいて「動機はなんだ」って言われても「分からない」って答えてそのままフラフラなーんもしないで夜の街中に消えていって偶然にも何の物証も見つからなかった、としてだな。
 その目撃者は警官なんだよ!
 そんな感じ。

そして迎える第一回
俺は耳を疑ったね
なんでだよ
せめてお手紙だけでも送って来いよ
何もしないってそんな事あり得る?
まあ、あり得たのだが
多分、単に忘れてるんだと思う
あいつすぐ忘れるから
なんなんだよ
もっと粘れよ
粘られても困るけど粘れよ
金を返せとしか言ってない
風邪とかカンケーねえし
電話口で話すのにカンケーあるか?
とにかく金しか要求してない
シンプル
それボアアップって言うのかな
確かに排気量は25ccだけ上がったが
民事訴訟に弁護士は必要ありません
自力で何とかしてください
猛烈な速度でガケに突っ込んでいった
「ブレーキあるのかな」とこっちが心配になる
ちなみにない

なんかちょっと損した気分
本当に通っていたと思う
まさかここまでバカだと思わなかったから
金額の概念を喪失している
司法の概念も喪失している
するわけねーだろ
俺の足がもったいないわ
笑顔のままヒットマンを送り込む

気付いてはいたんだよな、あいつも
気付いただけだったのだが
色々とね~あるんですよ
割と入り組んだお金の話が

 ビッグモーター案件なのだが、客も「まあいいよ、それであんたが儲かるんなら」みたいなとこがあって蔓延していた可能性もある。俺だってバイク直って保険金余ったから二万円あげると言われたら「直った上に二万円もくれるのか!?」ってなっちゃうもん。ただそんなにはバック発生しないよ。ほんとに数万円とか。店がゴリッと持っていったあとの、余り。

記録とかそういうのに残らないのかな
残ると思うんだけどな
ひろゆきのせいでアホがピンチ
ちなみにひろゆきですら最近は払うそうだ
(法律が変わったから)
それはそれでいいじゃん
普通の人はバイクなんか知らないんだし

何を言われたのか分からなかった
今も分かっていない
二年以上も書いてきてまだ馴染めていない

どんな夢見てんだよ
何かストレスが溜まっていたのだろう
そういうことあるよね
その通りになります
これはこれで面白いのだが
面白いだけで興味はない
要するにただ金取られるだけ
なんの足し引きもなく金取られるだけ
だって何もしねえんだもん!

手紙来てるだろ、手紙
領収書の控えをロベルタに渡すの拒否したの、アレなに?
控えがなかったらナシだと思ってます?
本当に親切
「あんなやつにこんなに猶予を与えていいのか」レベル
まあその猶予を一切無視したわけだが。

答え:何もしませんでした
というか「何も分かってない」というか
世の中の全てのことを
「ちゃんとしてる」と言うのもおかしいが

 「くそポンコツを売りつけて責任を取らない」よりも「末永くおつき合いしていただけるよう努力する」方が結果として商売にはなる。なんで即日、クレーム扱いする。書類まで作って。

工賃が発生する
ポンコツなんだからあちこち壊れる
東京地裁って言葉凄くいい
憧れる
刑事罰的な何かが発生するかもしれない
それもうバイク屋さんじゃないだろ
保険がね
事故だしね
何かと腰は重かったよ

来たようだな
スーパー鱗滝タイム
まあ、ほぼ
要するにあいつ何も返してない
多分ノーマルのガソリンタンクも帰って来ない
ちなみに、そうした
コックだけ新品になった
いやタンクも新品だが
二年前に買ったので……


ワニさんごめんなさい
だいぶキリが良い

スーパー鱗滝タイム
深呼吸
まだ深呼吸

 二年半かかってやって耳にしたこの言葉。
 二年半もかかって900日目前となって出て来たこの言葉。
 かかったのは一か月くらい。
 30日と考えると30倍くらい仕事が早い

そわそわしすぎだろ
二年です
しかも「10万以内に収めるつもりだった」と言っていた
凄い
ロベルタの活躍はまだ続く
感覚がおかしくなっている
何を書こうとしたのか思い出せない誤変換をしている
大丈夫ではなかった


ズバーンじゃないです
ついにこの日がやってきた
死んだのかな?
(生きていたらしいが)
来たぜ
書類に刻まれた冷酷な事実
数字というごまかしの利かない概念
乗ろう乗ろうすぐ乗ろう
終わりにしたくねえ~
こんな処理されて(コーキングがぐっちゃぐちゃ)納得したくねー
まあいいよ、取りあえず乗れるから

 おれがこの二年間、どれだけ「このステッカーをみんなに見せたい」と思っていた事か。なんならこっちが主役で良かったわ。なんでこんなことになってんだよ!

若干据え付けがおかしい
ハンドルに関してはしつこく言った
だからそれだけは用意した
俺は前払いで金払ってるけどな
ステー造らないと無理っぽい
そのうちやって貰いたい
全部俺じゃねーか!
殺す気かよ
まあ、今、死がかかってるけどねアイツ
社会的な死

適当に缶スプレーで塗っただけで交換してない
俺、ちゃんと付けてたのにUSBポート
なんでまた付けなきゃならねんだよ
あそこは本当に魔物みたいになったバイクが停めてある
俺のも大概、魔物だが(背景的に)

比較対象が悪すぎる
重いからね
スプロケで何かを思い出した
思い出し怒り

俺にも社会的な常識というものがある
せっかくの盛り上がりに泥を塗りたくない
なのでこうなった
言葉の響きで決めたのだが
まあなんとなくハマった

忙しいからね
そんなもんに付き合っていられないよね
確か数万円とかそんなもん
修理費入れたら40万近くかかっちゃうな
確かにめんどくさいだけでやる意味はない
金銭的には
これは銭金の問題じゃねえんだよ
最も最悪な展開に落ちていってほしい
インターネットには悪人が多い
ちなみに俺もそう思っている

はい来ました
スーパー鱗滝タイム
死刑判決は出ないよ
入り口が分かりにくいんだよね
あと看板くらい撮影してもいいかなと思ってスマホ構えたら怒られた
看板くらいいいだろ

 簡易裁判所といえども、勿論、行くのは初めてで、何が何だかよく分からなかった。金属探知機も二回通された。空港より厳しい。当たり前だが。
 ワンフロアに六部屋くらいあったんだけど、コロナ対策かなんかだと思うがやってる最中の部屋も扉が全開で、中が見れた。多分しょうもない民事しかやってなかったっぽくて、全部屋ほぼ誰も傍聴人なんかいなかった。でも円卓みたいなのに座ってる人たちは喧々諤々とやっていたよ。当たり前だよね。話し合いするよね、普通は!

そして、こう!
本当に一瞬で終わった。
一瞬であのアホに賠償が課せられた。
ロベルタが来ないわけだよこんなの。
思い出を刻んでおいた

 遂に始まった民事訴訟。
 民事訴訟など年単位がかかってもおかしくはない。そして普通は示談になる。どっちも疲れるので適当な金額で折り合いを付ける。それがまさか第一回口頭弁論からわずか一か月で判決って何なんだよ。どういうスピードだよ、みんなが飽きないように気を遣ったのか? 確かにあと一年とか過ぎたら面白さが失われていたと思うが、なんでノーガード戦法なんだよ。
 ノーガード戦法っていうのは、戦法なの!
 ノーガードで突っ込んでいって普通に殴り倒されてどうすんだよ!
 試合放棄じゃねえかそんなの!

 そんなワケで、恐らく最速と思える速度で裁判は終わりました。
 ここから引き返しはもうききません。話し合いも示談交渉も何も出来ません。出来るのは「控訴」だけです。仮にそうなった場合、舞台は俺の憧れアラスカ帰りのチェーンソーこと東京地裁に移ります。
 まーでも、今更やっても「控訴棄却」っていう四文字熟語が待ってるだけだと思うけど。だってあいつ何も争ってないのに急に判決出てからそんなことしたって裁判所が認めるわけないでしょ。認めるなら認めるで別にいいけど。東京地裁だし。面白いし。あと拡大訴訟で賠償金が増えるし。そもそもあいつに勝ち目なんかねえし。

 さて、ここからの皆様へ提供出来るエンターテイメントは「判決確定まで何もせず強制執行が行われる」です。強制執行の当事者になるなんて人生でそうそうありゃあしませんぜ! 俺が一番ワクワクしているぜ。
 果たして一体、どうなることやら。

 俺のバイク:ロベルタ編(9)に続く

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