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第30回全米俳優組合賞(SAG)を楽しむための受賞予想

 全米俳優組合賞が明日9:00〜Netflixにてライブ中継されます。

 日本にも、新型コロナウイルスが猛威を振るっていたころ、少し話題になった西田敏行さんが会長を務める協同組合日本俳優連合という組織がありますが、この全米俳優組合(通称SAG:サッグ)はそれとは大きく異なる組織です。

 組織の規模感が違うなどの話もあるのですが、そうではなく、俳優は原則としてこの組合に加入しないとアメリカで制作される映画に出演することができないのです。

 「原則として」というのは、例えばハリウッド映画にはイギリス人が多く出演していますが、彼らはEQUITYというイギリスの労働組合に加入しています。
なので昨年のハリウッドストライキが起こった際も、影響は少なめでした。

 一方日本の俳優たちは、これに相当する組合が存在しないため、ハリウッドで活躍する俳優たち(Aリストスターに限らない)もSAGに加入しています。

 これらを総合すると、全米俳優組合賞に投票するのは同じ俳優たちかつイギリス人など一部の国の俳優を除くハリウッドで活躍する俳優たちということですから、この賞がアカデミー賞に次いで重要で、ある意味オスカーより名誉である賞であることがよくわかると思います。

 アカデミー賞を占う上でも、アカデミー会員の多くを占めるのは俳優ですから、この結果が大きく影響します。
 投票締切る前に授賞式が開催されることが多いですしね。

キャスト賞

 作品賞に相当する賞がこの賞です。

オッペンハイマー

 今回はこの作品しかありません。
 先日のBAFTAをはじめとした前哨戦の結果や興行的成功などもあるのですが、この作品出演者が多く、その誰もがAリストスターなんですよね。

 キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・ジュニア、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー、デイン・デハーン…授賞式かよっ。

主演女優賞

◎:本命、○:対抗、×:チャンスなし

エマ・ストーン

 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を観て、「主演女優賞はもうリリー・グラッドストーンで決まりだな」と正直思いました。
 それくらい素晴らしい演技で、作品を象徴する存在を魅力的に演じていました。

 そして賞レースを快走。このままオスカー一直線か?と思いきや、エマ・ストーンがかなり追い上げてきた感があります。

 BAFTAではリリー・グラッドストーンがノミネートから漏れるという不可解な減少が起きたこともありましたが、クリティックス・チョイスも多くの予想に反してエマ・ストーンが受賞。

 彼女が主演する『哀れなるものたち』は、プロデューサーも務める力の入れようで、もし『ラ・ラ・ランド』で受賞済みでなかったら、リリーではなく、エマ・ストーンが受賞しただろう皆が思っていると思います。

 あと大きいのが公開時期の問題ですね。
 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の余韻というのがほぼ消えてしまっている感じが正直あります。
(一方『哀れなるものたち』は年末公開)

 俳優仲間で人気も高そうなエマ・ストーンだろうというのが今回の予想ですが、もしここでリリー・グラッドストーンであれば、もうアカデミー賞はリリーで決まりだと思います。

主演男優賞

◎:本命、○:対抗、×:チャンスなし

ポール・ジアマッティ

 主演女優賞と似たようなレース展開になっているのが主演男優賞。

 早くからキリアン・マーフィーvs.ポール・ジアマッティの構図になっており、キリアンが優勢なものの、ポールも健闘していました。

 しかしやはりここ最近になってポールの受賞が目立ってきました。
 これも『オッペンハイマー』の記憶がちょっと薄れてきたからのように思います。キャストも多いしね。

 BAFTAの受賞はアイルランド人だからノーカンと考えると、ここはポール・ジアマッティではないかと予想。

 しかし主演女優賞と違い、ここでポール・ジアマッティが受賞してもオスカー確実と言えないのが不思議なところ。(なんとなくなのでなぜかはよくわからない…なんでだろう)

助演女優賞

◎:本命、×:チャンスなし

ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

 BAFTAを受賞したことで、もうオスカー獲得は確実となりました。

 メモなしのスピーチの練習しましょう。
(アカデミー賞ではメモを用いるのを控えるよう通達がされています。それでもメモありのひと少なくないけど)

助演男優賞

◎:本命、○:対抗、×:チャンスなし

ロバート・ダウニー・ジュニア

 こちらも確実。
 アカデミー賞のノミネートも3回めで資格十分。

 楽しいスピーチを期待してます。SJP映すかな?

本日の一曲

 BAFTAの"IN MEMORIAM"(追悼コーナー)のいち場面を。

 フル尺は公式で何故かなかったので探してみてください。

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