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【前編】第96回アカデミー賞授賞式レポート

 第96回アカデミー賞特集もあと1回を残すのみとなりました。(↓前回)

 本日は授賞式を観てない方向けのレポートです。

1. 監督賞候補者の紹介【済】
2. 主演女優賞候補の紹介【済】
3. 主演男優賞候補の紹介【済】
4. 助演女優賞候補の紹介【済】
5. 助演男優賞候補の紹介【済】
6. 技術部門の予想【済】
7. その他映画賞部門の予想【済】
8. 俳優・監督部門の予想【済】
9. 作品賞部門の予想とランキング【済】
10. ノミネート作品ランキング
11. アカデミー賞予想シート配布【済】
【今回】12. 授賞式レポート

第96回アカデミー賞特集

ノミネート作品の映像クリップからスタート

 まずはノミネート作品のクリップからスタート。

『哀れなるものたち』→『バービー』→『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』→『ザ・クリエイター/創造者』→ 'May December' →『オッペンハイマー』→『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』→『落下の解剖学』→『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』→『君たちはどう生きるか』→『マエストロ:音楽と愛と』→『パスト ライブス/再会』→『アメリカン・フィクション』→『ニモーナ』→『ロボット・ドリームズ』→『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』→『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』→『関心領域』→ 'Golda' →『ナイアド』→『雪山の絆』→『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』→『マイ・エレメント』→『ナポレオン』→『伯爵』→『ゴジラ -1.0』

 ドキュメンタリー作品や短編映画はなし(いい作品多いのに…)

 クリップを締めくくるのは、お決まりのホストとのクリップ。
 選ばれたのは『バービー』。まぁでしょうね。

 そしてデュア・リパでジミー・キンメルが登場。

ジミー・キンメル登場〜恒例のノミネート作品いじり

 なんと4回目のホストとなるジミー・キンメル。
 アカデミー賞のホストは負担が大きいらしく、授賞式が終わると「もう二度とやりたくない」という司会者が少なくないのですが、2年連続4回目。

 ただホストを迎えるスタンディングオベーションは割とまばら。

 「1時間早くなったけど、終わりは変わらないよ。」(今年は例年より早くはじまりました)とかました後まずイジるのは『マダム・ウェブ』。(大コケして、MCUのトドメを指した)

 ここからはじまるのは、恒例のノミネート作品と俳優いじり。

 2023年の映画を引っ張った『バービー』ですが、グレタ・ガーウィグ監督がノミネートされなかったことに「皆さんのせいですよ」とチクり。
 クリストファー・ノーラン監督はスマートフォンを持っておらずメールもしないことで有名なのですがそれは「ポルノの誘惑に負けないように」。
 そしてロバート・ダウニー・ジュニアは薬物依存でいじる。(恒例)

 式には来ないと言われていた『落下の解剖学』のメッシたんも来てるし。まぁ呼びますよね。視聴率のためなら・・。

 長すぎるといじられる『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』。ほんと長いですよ。

 ブラッドリー・クーパーはプラスワンが高確率でママなもんだから、もちろんいじる。

 『タクシードライバー』ぶりに2人でノミネートされたデ・ニーロとジョディ・フォスター。触れずにはいられませんよね。

 そしてネイティブアメリカンとしてはじめてノミネートされたリリー・グラッドストーン。
 学生のころ「将来オスカーを獲りそうなひと」と言われていた彼女も俳優を諦めようとしてたそうです。

 同じく初ノミネートのザンドラ・ヒュラーは、作品賞にノミネートされた2作品に出演してる。すごいこと。
 『関心領域』はドイツではラブコメ扱いのジョークは笑えませんね。

 ベストキャスティング賞が新設される話と、ストライキの話。
 「AIでも書けますよね。」といじられるのは「トランスフォーマー」。

 このホストによるオープニングトークはお決まりなものの、ジミー・キンメルのはあまり好みじゃない。中途半端というか…。

 映画業界を支えるスタッフたちを壇上に上げ、スタンディングオベーションでオープニングを締めくくる。

歴代ウィナー5人がプレゼンターを務める方式復活

 ここで登場するのは、助演女優賞の歴代ウィナー5人。
 プレゼンターたちひとりひとりが、助演女優賞候補を紹介する。

  • ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オールアットワンス』
    →ジョディ・フォスター

  • メアリー・スティーンバージェン『メルビンとハワード』
    →エミリー・ブラント

  • ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
    →ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

  • リタ・モレノ『ウエスト・サイド・ストーリー』
    →アメリカ・フェレーラ

  • レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』
    →ダニエル・ブルックス

 一番ウケたのはリタ・モレノの「♪アメ〜リカ〜」かな。(『ウエスト・サイド・ストーリー』の人気曲)。
 ダニエル・ブルックスは俳優になるきっかけがまさに『カラーパープル』の舞台版だったそうで、その役を手にして、アカデミー賞にノミネートまでされるなんで出来過ぎなのかも。

 受賞は…ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ)

 呼ばれた途端に泣いちゃうダヴァイン・ジョイ・ランドルフ。

 今シーズンの助演女優賞レースは、ほぼ独走状態で他の追随を許さない受賞っぷりでした。
 歌手志望だった彼女に演じるきっかけを与えてくれた母親、違うなにかになろうとしていたけれど、「自分らしくいればいい」と気づいたというスピーチに涙。
 共演者のポール・ジアマッティ泣いてる。

アニメは子どもだけのものじゃない

 作品賞ノミネート作品の紹介クリップ。『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

 スピーチでパブリシストへの感謝を強く述べていたダヴァイン・ジョイ・ランドルフですが、ど忘れしたのか名前を言わなかったのでジミー・キンメルに「名前を言わなくていいの?」と言うと、パブリシストの名前を言うダヴァイン。(音声なし)

 続いて発表されるアニメーション部門について「子どもにアニメの投票させちゃだめですよ」と言うジミー・キンメル。
 まだアメリカではアニメ=子どものもの何でしょうか。アメコミ実写のどこが大人向け?偏見の国と思ってしまう。

 プレゼンターは、クリス・ヘムズワースとアニャ・テイラー=ジョイ。

 短編アニメーション映画賞を受賞するのは… 'WAR IS OVER! by Inspired Music of John&Yoko'

 正直に言うと映画としては他のノミネート作品のほうがよかったように個人的には思いますが、アニー賞を受賞したこともあり、知名度で他の作品は難しかったでしょうね。

 壇上に登場し、91歳になるオノ・ヨーコの誕生日を伝えるショーン・レノン。
 こういうところがあんまり好きじゃない。

 そして長編アニメーション映画賞。受賞するのは…『君たちはどう生きるか』!

 クレジットされている宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーともに欠席のためスピーチはなし。
 受賞の可能性が五分五分だったこともあり、その判断もしょうがないと思いつつ、やっぱりスピーチ聞きたかったですね。

コメディエンヌ登場も…

 続いて紹介される作品賞ノミネート作品は『哀れなるものたち』。この後度々流れることになる、『哀れなるものたち』の音楽ですが、これが作中でも感動を盛り上げるんですよね。是非映画館で観ていただきたいです。

 脚本賞と脚色賞を発表するのはメリッサ・マッカーシーとオクタヴィア・スペンサー。
 コメディエンヌのふたりですが、若干スベリ気味でケミストリーが起きず。

 まず発表されるのは脚本賞。受賞するのは…『落下の解剖学』

 BGMは50centですが、これは「スピーチ長いよ」のときに流してほしかったな…。

 プライベートでのパートナーとの受賞というのは初めて見た気がします。アルチュール・アラリは役者でもあるだけあって結構イケメンですね。

 そして脚色賞を受賞するのは…『アメリカン・フィクション』

 『ウォッチメン』で知られる本作の監督も務めるコード・ジェファーソンはプロデューサーとして作品賞にもノミネート。
 「2億ドルの作品を1本作るなら、もっとたくさんの映画を作って、いろんなひとにチャンスを与えて欲しい。」とスピーチ。

"What Was I Made For?"

 楽曲賞ノミネートパフォーマンス一発目は、ビリー・アイリッシュとフィネアス・オコネルのパフォーマンス。

 アカデミー賞授賞式というとマドンナが大幅に音を外し、ビヨンセですら緊張を隠しきれなかったのを記憶していますが、いまの若い子はほんと物怖じしないし、歌ウマですね…。

 オケピは舞台下じゃなくて、舞台上にあることに驚き。

『哀れなるものたち』旋風

 作品賞ノミネート『パスト ライブス/再会』のクリップの後登場するのは、キャサリン・オハラとマイケル・キートン。

 割と謎の組み合わせ…(キャサリン・オハラは『みんなのうた』、マイケル・キートンは『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』を是非。

 発表されるのは、メイクアップ&ヘアスタイリング賞。

 受賞は…『哀れなるものたち』

 ウィレム・デフォーへの感謝を述べる受賞者。
 メイクアップ&ヘアスタイリング賞は特殊メイクが凝っている作品が受賞するイメージがあったので、『マエストロ…』を予想していましたが、そういえばウィレム・デフォー演じるゴッドウィン・バクスター博士は思いっきり特殊メイクでしたね。

 つづいて発表される美術賞の受賞は…『哀れなるものたち』!

 美術賞のトップランナーはずっと『バービー』でしたが、ピンク一色のバービーランドに対し、『哀れなるものたち』は場面ごとに適切なプロダクトが製作されていて、受賞は納得ですね。

まさかの全裸男ふたたび

 長い歴史を誇るアカデミー賞。事件にも事欠きませんが、オスカーウォッチャーの記憶に残っている珍事件といえばコレ。

 第46回アカデミー賞の全裸男です。
 セキュリティがばがばすぎやろと現代では考えられない事件です。

 この事件を紹介するジミー・キンメルに登場を促されるジョン・シナは、まさかのオールヌード!(安心してください。履いてますよ。)

 紹介クリップ中にお召し物を着たジョン・シナが発表するのは衣装デザイン賞。

 受賞は…『哀れなるものたち』

 受賞者のホリー・パディントンはやっぱりパフスリーブのドレスで登場。
 エマ・ストーンに感謝を捧げるも、スピーチ中彼女はバックステージにいました↓

(受賞を聞いて慌てて戻るエマ・ストーン)

"Wahzhazhe (A Song For My People)"〜国際映画賞発表

 作品賞紹介『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のクリップから登場するのはオーセージ・シンガーズ。

 前哨戦で全く候補にも上がらなかったこの楽曲がノミネートされたのは驚きでしたが、授賞式の盛り上がりを考えるとこれでよかったのかも…

 続くプレゼンターはバッド・バニーとドウェイン・ジョンソン登場。

 バッド・バニーが話すのは英語ではなく、まさかのスペイン語!プレゼンターが英語以外の言葉を話すのは初めてかも…(世界のナベケンも英語でした)

 そして国際映画賞を受賞するのは…『関心領域』

 ジョナサン・グレイザー監督による「ホロコーストを理由にして、大勢の人たちが苦しめられている」というスピーチに出演するザンドラ・ヒュラーは大泣き。
 もちろんイスラエルによるガザ侵攻の話。拍手が起こるもそれは少しまばらで、実際映像を見ても全員が拍手しているようには見えません。

(後編に続く)

本日のドレス:アリアナ・グランデ

 めっちゃ動きづらそうでしたが、目立つ割りに下品でなく、『ウィキッド』の期待がめちゃくちゃ高まりましたアリアナ・グランデ。

 ブランドは「ジャンヴァティスタ ヴァリ」。
 今年は場所取る系のドレスは少なかった印象。

 ★★★


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