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エオルゼアは、もう一つの現実世界だった。

 今年の1月末からFF14を始めている。

 キッカケはというと、去年の秋口にオタク仲間と集まる機会があり、その時に複数人からFF14のストーリーについて熱く語られたからだ。

 FF14の『漆黒のヴィランズ』と呼ばれるそのストーリーは、世間で評判だということはなんとなく知っていた。最近ようやく完全完結したらしい。 

 FF15以降これといって熱くなるジャンルもなかった私は、皆が記憶を無くしてやり直したいと言うほどのストーリーに興味が湧いた。

 私はハマるジャンルがそう多くない。
 だが、ファイナルファンタジーのナンバリング作品は私をいつも熱くさせた。それこそ園児の頃から好きだった。はじめての二次創作活動も、FFだった。

 FF14はMMOということで、他人と遊ばなければならないというところや、操作キャラが固定キャラでは無いことがずっとネックだったが、どうやらほぼソロでもなんとかなるようだし、操作キャラに関しては公式の告知ムービーに登場し続け、ストーリー上でも『その顔』にしているだけでエモくなるような、基準キャラのようなキャラがいるらしかった。
 幸い、手引きをしてくれる程よい距離感の先輩もいることだし、どちらにせよ最初は無料なので、皆が『ひろし』と呼ぶ基準キャラで始めてみることにした。

 なぜこんなに操作キャラにこだわるのかというと、一番はストーリーへの没入感を高めるためだ。
 私は、アバターキャラに愛着が湧いたことが無い。自ら考えたキャラクターがベストなものとは絶対に思えないからだ。何を作っても、しっくり来ない。私から生み出されたものが良いものの筈が無い……そのように考えてしまう。
 だから、現実の自分の分身キャラのようなものを作りがちなのだが、そうするとその世界に行って、大それたことをしている『違和感』に耐えきれない。

 キャラクリが嫌いなわけではない。むしろ好きだ。だが、『主人公』を作ることには抵抗がある。ストーリーが良いと言われているのなら、なおさらだ。

 私は去年Switchのリマスター版の『FFCC』をした際、FFキャラが一同に集結するお祭りスマホゲー、『DFFOO』でCC代表として出てくる『キアラン』君を模したキャラでプレイしたのだが、それが案外良くて、ストーリーや世界観に没入することができたし、キアラン君のことももっと好きになることができた。

 だから、FF14も同じようにすれば良いと思った。キアラン君も、ひろしも、人間型で、全て設定『1』なのも共通している。私がFF14を腰を据えて始めてみようと決心できたのは、FFCCでのプレイ経験が大きい。

 始めてみて、一番驚いたのはコンテンツの膨大さだ。
 MMOは未経験ではないが、月額料金がかかるものは初めてだったので、この世界の広さ、遊び方の多様性に本当に驚いた。しかも進むごとにそれはどんどん増えていく。

 まるで本当に別世界があるような感覚で、一種のカルチャーショックだった。30にもなって、こんな衝撃を受けるコンテンツに出会えるとは思わなかった。

 FF14をやっている人で、FF14をやる、という言い方をする人は私の観測範囲ではあまりいないように感じる。みんな『エオルゼアに行く』と言う。
 正直、最初はこの表現には半ば苦笑していた。しかし、今ならわかる。エオルゼアに行く感覚が。

 エオルゼアでは家が持てる。家には色々と便利な機能がひとまとめに集結してることもあって、何もなくともとりあえず家の周りにいることが多いのだが、そうするとよく会う人達、すなわち『ご近所さん』との付き合いが出てくることには驚いた。まるで現実の家だ。
 街へ出掛けると、ご近所さんにたまたま会ったりして、今から何しに行くんですか、私はこれからこのダンジョンに行きます、そうですか、じゃあまた、なんて会話を交わす。

すごい世界だなぁと思う。VRチャットなんかだともっと『もう一つの現実』感があるのだろうか。

 なお家及び土地はとてもお金がかかる上、人気で、土地は争奪戦になっているらしい。らしい、というのは、私は私の家を持っているわけではなく、FC(ギルドのようなもの)ハウスを家として使わせて頂いているだけで、まだそのあたりの事情には疎いのだ。

 始めたての頃はこのように、とにかく世界の広さを目一杯楽しんでいた。全てが新鮮で、驚きだった。
 寄り道的コンテンツをやっていては膨大なメインストーリーがちっとも進まないので、寄り道は実際にするわけではないが、各コンテンツに力を入れている人達を横目で見るだけで、ワクワクするのだ。

 今では当たり前だが、フライングマウントと呼ばれる空を飛ぶ生き物や機械を見るのも、移動手段が限られている上に、遅いスピードでしか進めない初期は本当にワクワクした。いつあれに乗れるんだろうと思ったものだ。

 FF14は今や国内では一番人気のMMOなので、いつだって人がいるから、道中苦戦していたら突然玄人の別プレイヤーが乱入してきて助けてくれたりするのも、オフラインでは絶対に無い体験なので、面白かった。

 私が初期から一番気に入っているコンテンツは、ダンジョン攻略及びボス戦、つまり協力バトルコンテンツである。最初こそ対人恐怖で、1日2つもいけば精神的疲労でヘトヘトになっていたが、今では早くダンジョン行きたい!と思うぐらい好きなコンテンツになった。
 ただ、パーティメンバーを先導しないといけないタンク職に関しては、今もヘトヘトになっている。これは、今のところ1日1回が限界だ。

 なんでこんなにバトルコンテンツが好きになったかというと、他人がいることによるある種の緊張感が心地よく感じるようになってしまったためだ。一人のプレイだと、こんなにちゃんとしようなんて思わない。

 嫌な目に全く遭わないかというともちろん違って、いわゆる『ギスギス』を引いてしまうこともあるし、24人で挑むレイドコンテンツでは、グループで申請して気が大きくなっているのか、嫌な感じのグループに出会うことも少なくはない。
 正直そういうことがある度に人間とゲームをやることが嫌になるが、楽しい割合の方が大きいので段々それもあまり気にしなくなった。せいぜい、身内に笑い話として軽く愚痴るぐらいだ。

 肝心のメインストーリーだが、正直、2作目にあたる『蒼天のイシュガルド』の後半までは面白くなくて苦痛だった。バトルコンテンツにハマらなければ、やめてたかもしれない。
 世界観設定は初期から興味が湧くような内容だったが、ストーリーやキャラクターに関しては薄味すぎる上演出も陳腐で、ある種『MMOらしい』ものだった。

 『蒼天』からはまるでコンシューマのゲームをやっているかのようなストーリーになり、NPCキャラにもかなりスポットが当たるようになった。主人公のヒカセンにもイベント中に豊富な表情がつくようになり、その感情の動きには、心を動かされた。これなら続けられると思ったし、その頃には私はFF14にどっぷりとハマっていた。

 先日私は、3作目にあたる『紅蓮のリベレーター』を終えたところで、今はこのゲームを始めるきっかけとなった『漆黒のヴィランズ』を100%楽しむために、出来る限りのストーリーイベントを埋め、『漆黒』の想定メインジョブである暗黒騎士を育てているところだ。

 半年もメインディッシュをお預けにしていた私の今の高揚感がお分かり頂けるだろうか。あまり期待値を高めるのはよくないなと思いつつ、漆黒の悪口を言っている人は見たことがないので、期待しても良いかなと思っている。

もしこの記事を見ている人で、初見の悲鳴を聞くのが趣味の人がいたら、私のTwitterのFF14アカウントをフォローすると良いと思う。最近、健全なアカウントを作ったので、よければ↓

それでは、また。

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