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コピーが上手くなるラジオ「コピウマ」#3 キャッチコピーの作り方

ポッドキャスト「コピーが上手くなるラジオ コピウマ」#3 キャッチコピーの作り方 の文字起こしです。音源は、stand.fmSpotifyApple Podcastsから聴くことができます。


横田:この番組では、現役のコピーライターがコピーライティングや取材などの技術論、 企画を考える上での発想法、言葉を扱う仕事の面白さや難しさなど、コピーや言葉にまつわるお話をしていきます。

横田:3週目の今回は、キャッチコピーの作り方についてお話していきます。ところで、うのりなさん。
 
うのりな:はい。
 
横田:前回、「いいコピーは3種類」と話しましたが、その3つ覚えていますか?

うのりな:…………………。
 
横田:しゃべってください(笑)

うのりな:…はい(笑)。「うれしい」がある。

横田:はい。

うのりな:「提案」がある。もう一つが…もう一つが…

横田:はい、「約束」でしたね。

うのりな:…聴き直します(笑)


横田:「約束・提案・うれしい」、この3つだと言いました。 では、それぞれのコピーを書くときにどんな風に考えていけばいいのでしょうか。

うのりな:はい。

横田:まずですね、いきなりコピーを書こうとしないでください。

うのりな:ほぉ。

横田:この「約束・提案・うれしい」について、平易な言葉で書くことはできないかと考えてみるといいと思います。

横田:まず1つ目「約束」。これは例えば、「この商品を使うとこんな気持ちになります」とか、「こんな体験ができます」。もしくは、「私たちのブランド・企業はこんな世の中を作ります」。そういったことが言えないか考えいきます。

うのりな:はい。


横田:ここで宣言した約束を守ることで、商品やブランドの価値を高めていけるわけです。逆に、ここで言った約束を破ってしまうとお客さんに対する裏切りとなって、築いてきた価値を全て失うことになる とも言えると思います。

横田:なので、作り方としてはコピーを作る前に「約束」を作ることが大事です。

うのりな:約束を作ること。

横田:約束できる事柄を作ることが大切。当然、守れる約束にしないと意味がないのですが、 あまりに内容が簡単すぎるとコピーとして力を持ちません。

うのりな:うんうん。

横田:逆に、効果的な約束を作ることができれば、言い回しをインパクトのあるものにしなくても正攻法のメッセージで機能します。前回、例に出した「Think different.」。


▲前回の記事はこちら


うのりな:はい、Appleのキャッチコピーですね。

横田:これは中学生でもわかる英語で、特に奇をてらったような表現ではないですよね。

うのりな:はい。

横田:でも、だからこそ、このメッセージって強く伝わるし、日本人の私たちにも伝わってくるものがあるんじゃないかなと思います。 これが約束のあるコピーの作り方です。

うのりな:はい。

横田:2つ目が提案のあるコピー。これは例えば、「こういう時に使ってみませんか」とか、「こういう使い方はしないでくださいね」とか。 もしくは、もう少し広げて「こんな生き方をしませんか」。こういったことをメッセージしていくとコピーが作れます。

横田:前回お話したGODIVAの「日本は、義理チョコをやめよう。」、ブラックサンダーの「一目で義理とわかるチョコ」もここに当てはまりますね。

うのりな:あ〜、そうですね。


横田:GODIVAは、バレンタインに義理チョコとしてGODIVAを含むチョコレートを誰かに贈ることはやめましょうという提案をしたわけです。ブラックサンダーは、逆にバレンタインデーにブラックサンダーを義理チョコとして贈りましょうと提案しています。

うのりな:うんうん。

横田:「こんな生き方をしませんか」のコピーは、例えば、サッポロビールの「大人エレベーター」という有名なテレビCMがありますよね。

うのりな:見たことあります!

横田:最後に出てくるキャッチコピー「丸くなるな、星になれ。」がこれに当たると思います。サッポロビールのマークが、星マークっていうことにかけてるんですけれども、人間として丸くなるなと。 星のようにキラリと輝く生き方をしようねという提案をしているわけですね。

うのりな:うんうん。

横田: 提案のコピーは、その提案によってお客さんがその商品やブランドを選ぶ理由を作ることを目的にしています。商品とかブランドに特徴や機能で差別化できるポイントがなかなかない時に有効です。 ビールなんかそれに当たると思います。

うのりな:はい。

横田:ただ、提案に独自性や個性がしっかり込められていることが大切です。 そうでないと、提案に魅力がないので機能するキャッチコピーになりません。これが提案があるコピーの作り方でした。

うのりな:なるほど。

横田:3つ目が「うれしい」ですね。400キロを2時間で走る乗り物、新幹線を 「そうだ京都、行こう。」というコピーでメッセージしたりとか。「小さくたためるジャケット」を「旅に便利なジャケット」という風に言いかえたりとか。

うのりな:はい。

横田:前に出てきた2つの「約束」とか「提案」よりも、発想やアイデアが求められるパターンだと言えます。

うのりな:う〜ん。

横田:考え出すのはちょっと難しいですが、どんなお客さんにどんな使い方をしてほしい商品なのかという観点から考えてみるのが、王道の作り方なんじゃないかなと思います。

うのりな:はい。

横田:以上がですね、「約束・提案・うれしい」の3種類のコピーを作る際の考え方でした。うのりなさん、今日の話はどうでしたか。

うのりな:作り方というか、見つけ方が違うっていうのが驚きでした。今日、それぞれのキャッチコピーを作るための自分に対する質問の仕方を聞けたので…、なんか作れそうな気がしてきました!

横田:はい、それはよかったです(笑)

うのりな:ふふっ。

横田:「キャッチコピーを作ってください」って言われると、何から考えてみたらいいかわからないっていうような、迷子のなり方をすると思うんですけど。

うのりな:あ、そうそう。

横田:最初の第一歩を踏み出す時に、「約束・提案・うれしい」を使ってもらえるといいんじゃないかなと思います。 というわけで、今回は「キャッチコピーの作り方」というお話をしました。
 



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