初めてのアイドル
中1の夏、部活動が嫌だった。
その頃、部活に入るのは必須でどうにか馴染むために運動部に所属した。が、
毎日毎日意味もなく走らされ、やりたくもないスポーツの練習が苦痛で仕方なかった。
どうにか部活を辞めても許されたい、
よし、
アイドルになろう!
思いたったら即行動、
見つけたのがド田舎のローカルアイドルだった。どんなアイドルでもいいからアイドルという者になれば生きることを許される気がした。
私はアイドルだから、
部活をしてなくてもいいだろう、と。
そんなこんなでオーディションに応募。
(1次審査は適当にとった写真を送ったと思う)
そして最終審査、当日。
こんな田舎の公民館が会場!?
田んぼの真ん中にあった公民館にて行われた。
中に入ると、数人の個性豊かな老若な女の子が居た。
皆メイクをしたり、髪を整えたりと、それぞれがベストをつくしていた。
私は何をしたらいいのか分からず、とりあえずキャンメイクのアイシャドウを目の上に塗る行為をしてみた。(これが人生初メイク)
そしておじさんが数人来て、会議室へ案内された。
はじまめます、と同時に資料が渡されその場で書けと言われた。
もらったのは契約書だった。
まだオーディションをしてないのに最初に渡すのか、、と幼心に疑問を持っていたがそのままスタート。
事前に渡されたスーパーの店内BGMのようなオリジナル曲を順番に披露した。
私はオリジナル振付までつけて必死にアピールした。振りはおろか、歌詞までも覚えてない人もいて、受かる気しかしなかった。
一応面接のようなものもします、との事でひとりひとり簡単な質問をされた。
詳しくどんな事を聞かれたか思い出せないが、
・好きな食べ物はなんですか?、と聞かれ
全然1番好きなじゃないのに何故か頭に梅干しが浮かんだので「梅干し」と言ってしまった。
梅干しキャラで行けそうですね~と面接官に言われ、なんやそれと思ったのを覚えている。
そして
最後に「今日来てくれた子みんな合格!」
その瞬間アイドルになったのだ。
どう考えてもおばさんな人も、自我がまだ無さそうなロリも、部活を辞めたい私もアイドルになったのだ。
これで部活から解放されるぞ〜!
それしか頭になかった。
後日。
最初の活動がアー写撮影だった。カバンにはキャンメイクのジューシーピュアアイズと梅干しのお菓子を入れ、田舎のスタジオに向かった。
そこに用意された衣装が
ユニクロのエアリズムだった。
中1の私でもさすがにやばいと察した。
エアリズムを着て超ミニスカートを履き、撮影は始まった。
よく分からずとにかくピースした。
全然ピースじゃない、これは何の撮影だろうか、
オーディションの日から半分ほどになったメンバー、短すぎるスカートに寒すぎるエアリズムで限界だった
自分に自信が無くなったと伝えその場で逃げるように帰った。
契約書を出していなかったため、すんなりと抜けれたのが不幸中の幸い。
その後そのアイドルはデビューすること無くホームページが消えていた。
あのまま続けていたら何になっていたんだろうか。
他の女の子達は無事家に帰れたのだろうか、、、
夏が終わり、
帰宅部ど鬱中学生が誕生。
その後私がまたアイドルを目指した話はいつか書こうと思う。
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