中国の時価総額トップイレブン分析
前回に引き続きChina Internet Report 2020から、今回は中国の時価総額トップイレブンに対する日本語でのコメントです。あれだけ凄いのに余り記事が見つからず思わず自分で書き出しました。
中国のICTは日ノ出の勢いで稼いでいるため、時価総額も昨年から大幅に増えています。コロナ禍なのに凄いですね。
なお中国企業はアメリカのニューヨーク証券取引所以外に香港にも上場しており、総額をどう評価しているのか、微妙にサイトごとで異なります。ので順位は上位に有るんだなぐらいで見て下さい。
中国トップ企業のマーケットキャップトップイレブン
一位から会社のトップと、資本注入した大手の名前を上げて概要を説明します。
Tencent Holdings :Pony MA <Prosus & Naspers
18年の純利益が1.18兆円
Alibaba : Daniel ZHANG <SoftBank
18年の純利益が1.31兆円
この2社は不動のツートップですね。後で詳説します。
Ant Group :Simon HU
中国の法律に適合するためにアリババ系列からの資本を外した法人です。Alipay(支付宝)で有名です。競合はテンセント系のWeChat Payment(微信支付)です。
Meituan-Dianping :WANG Xing <Tencent Holdings,
18年の純利益がマイナス1.73兆円、売上が一兆なので大投資したんですね。
出前アプリ、美団と大衆点評との合併会社。元々アリババ系列?Alibaba傘下のMeituanとTencent傘下のDianpingによる統合案件でした。その後似たり寄ったりのサービスをするアリババが手を引いた格好です。
ByteDance :ZHANG Yiming <Softbank Group
唯一アメリカと中国を両立しているTikTokが代表アプリとしてランクイン。香港から撤退するなど難しい舵取りを頑張っています。受難の時期です。
Pinduoduo「拼多多」 : Lei CHEN <Tencent Holdings,
18年の純利益がマイナス1545億円、売上二千億円。
黄峥が2015年の9月に設立した上海寻梦信息技术有限公司(Shanghai Dream Information Technology Co., Ltd.)「拼多多」は、共同購入のシステムを持つ中国のECプラットフォームになります。
JD.com :Richard LIU <Walmart,
北京京東尚科信息技術有限公司、「拼多多」と同じテンセント陣営ですがECサイトとしては競合です。
18年の純利益がマイナス374億円ですが、売上は18年に6.93兆円。これはアリババの5.65兆円を越えています。
Netease :DING Lei <SoftBank Capital
18年の純利益が972億円、売上が一兆円
荒野行動のNetease網易と言った方が分かりやすいかも。ゲーム自体は嵌まりそうで手を出せていません。
Didi Chuxing : CHENG Wei <Softbank Corp.,
テンセントが出資したKuaidi Dacheとアリババが出資したDidi Dacheとが合併した配車サービス。中国Uberも飲み込みましたがコロナ禍でどうなのか?創業者でCEOが載っていますが、日本での知名度はJEAN LIU 社長の方が高いかも。
Xiaomi : LEI Jun Qiming
18年の純利益が2022億円売上が2.6兆円
ハードがメインで唯一ランクインしています。小米のスマホとか販売頻度が早く、ライフサイクルが短い鮮度が
惜しくもトップテンから転がって堕ちた
Baidu :Robin LI <Tencent Holdings,
18年の純利益が4136億円
BAT の頭文字として頑張って欲しいですね。アポロ計画で自動運転のプラットホームを目指しています。
ムーアの法則
少し脱線して、なぜこんなにこの業界は急激に大きくなり、新陳代謝が活発なのか?
倍々ゲームの源泉は処理速度の増加が原因とも言われていますが、
インテルのアンディグローブの予言に従ってみんなが動いているのが予見容易性を持っているからだと思います。
久しぶりに調べたらまだまだプロットに載っているようです。投資が出来ない、微細化が間に合わないなどなど、もう無理だと言われ続けていましたが達成していますね。
処理速度が倍になることを見越して開発するために、これまでに無かったアイデアを盛り込めますし、後発者優位を作りやすいです。
また、ハードが勝手に上がって行くのでスマホの買い換え需要と共に、アプリの新規登録の機会も増えます。
じゃあGAFAが何故強いかと言うと標準アプリとしてプレインストールされていたり、OSそのものだったりするからです。
二極化して斬新なアプリと他者と繋がる定番アプリになっています。
中国二大企業とAmazon、FB
今回も注目はなんと言ってもやはりテンセントとアリババですね。
アメリカの対比先、フェースブックとアマゾンで対比してみます。
時価総額10億$です。
テンセント・ホールディングス Tencent Holdings 619.854
アリババ・グループ・ホールディング Alibaba Group Holding 610.803
アマゾン・ドット・コム Amazon.com 1,376.033
フェイスブック Facebook 646.946
今年の6月時点での結果です。データは上のレポートとは異なります。他の三社にたいしアマゾンだけがダブルスコア。
テンセント、アリババ、とアマゾン、フェースブックの知財分析
この四社の特許分析をした結果です。
縦軸に企業
横軸に特許の分類です。
一番右の認証にテンセント、アリババの中国企業2社が注力しています。本人認証をしっかりしないと中国の監視社会は乗り切れませんから当然です。
テンセントはそれにデータ通信、応答が続きます。
対するアリババは均等割のようにまんべんなく出願しています。
アマゾンは、クラウドのAWS 、音声認識のAlexaなど製品にあわせて注力すると共に、マネジメントや通信コミュニケーションなど基本も出願しています。
フェースブックは右から2つ目のユーザーインターフェースに注力しています。
アマゾンと言えばワンクリック特許が有名ですが、プラットホーム企業として生奪与奪を握っています。
何処かで読んだ「実質的にアマゾンは、オープンで公的な市場を私的にコントロールされたものに変えつつあるのだ。」という言葉がその他の三社を含めて当てはまります。
インドの禁止アプリ
万里の長城でブロックして自国のアプリを育成してきましたが、昨今の情勢で風向きが変わっています。
特にインドは国境紛争から59ものアプリを禁止しました。
テンセントはQQ を含めて九個、ウイチャット、ウエイボは痛いです。
アリババはUC の二個のアプリ
バイデゥ、小米も二個
ネットイースは一個
TikTokも筆頭に入っています。アメリカもキナ臭いので要注意ですね。
これまで囲い込みをして育成し、満を持して越境しようとしたらとめられたという状況です。今後もこの流れは加速するのかもしれません。
過去の調査
荒野行動のNetease、拼多多(pinduoduo)は後で調べることにして、それ以外は、そこそこ
ちゃんと調べていました。
テンセント
アリババおよびアント
ティクトックのバイトダンス
順序が異なるのはまとめサイトにしたのでご容赦を。
JD.com、拼多多
美団、Didi
バイデゥはランク外の11位に昨年8位なのでダウンです。
本当に移り変わりが早いので定番まで持ち込んで横綱相撲まで、各社努力が続きます。
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