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心から泣ける【ペク・ドンス-Ⅱ】悪人?〘テウンの巻〙

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あどけない、子供の笑顔は、どんなに野卑な悪人の心にも、明かりをさし、浄化させるものだと、つくづく感じる。それは、永く、心にこびりついたままの、ドス黒い塊すらホカホカと溶かしていく。

黒紗燭籠(フクサチョロン)の人主(インジュ)、テウンは、ドンス達にも、卑劣なやり方を繰り返していた。ドンスの仲間、ジンジュを襲い、気絶させ、小屋に監禁する。意識が戻り、抵抗するジンジュに、情け容赦なく暴行を加える。

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ある日、貧しい村のひとつ木覓山(モンミョクサン)に住む一人の少年に目を付け、貧しい子が口に出来ない食べ物を与え、ドンスの養父サモと、ジンジュの父親ジンギに、文を届けさせる。その時は、単に、使い走りは子供に限るとの、程度であろう。

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だが、その後、元々は、自分がコケにしていた連中に、深傷を負わされ、倒れていたところを、着眼点に優れたドンスに救われる。

筵に、包まりながら、ぐったり座り込んでいる所に、あの、少年が現れ、「すまん…今日はくれてやるものが…」と、言うテウンに、一つのお菓子を差し出して、無邪気な笑顔を見せる。

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やがて、権力への野心をむき出す、ホン・テジュの、〈木覓山〉の村人を罪人として捕らえるという企みを知ったテウンは、村の名で、あの、ムジャキナ少年の笑顔を思い出し、深傷であるに拘わらず、相手に立ちはだかり、日本人刺客の剣に、刺し貫かれた瀕死の身で、火と火薬を投げつけ、相手をけ散らかすことが出来たのだ。

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少年の村を守る事の出来たテウンは、安堵したように、力尽きる。

「おじさん、おじさん」と、泣き叫ぶ、少年の頬に手をやり、「うるさいぞ、銅鑼でも食ったか」と、笑って見せる。なおも泣く少年を母親らしき女性が、抱えるように、その場から連れ去る。

 そこへ、駆けつけたドンスの腕に力を入れながら、礼を言い、そして、虫の息で、後に起こる〈謀反〉を伝え、息絶えた。

 ドンスの心意気と、子供の笑顔に触れ、最期は、正義の為に、命を投げ出す、真の武人として、死んでいったテウン。

 私としては、何とか、奇跡的に回復して、ドンスの仲間として、やり直す事ができたらな、と…

   お粗末ながら、ホームファイター・プヨン🙇



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