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1、2年目のディレクターが押さえておくべき管理とは

あと1ヶ月ほどするとオロにも新卒の方たちが入社します。今回は1、2年目のディレクターが押さえておくとよい3つの管理について書きます。

ディレクターは何をしているのかと言われるといつも下記の3つで答えます。新卒面接とかでも同じことを言ってます。製造業におけるQCD( Quality, Cost, Delivery)に近いのですが、品質の追求は似ていますが、価格の追求とか納期の早さとかになると異なります。

・進行管理
・利益管理
・品質管理

進行管理とは

進行管理には2つやることがあります。1つはタスクを考えることです。タスクを考えるとは、例えば「コーポレートサイトを作る」となった場合に公開までにざっくりと下記のようなタスクが考えられます。

・要件定義
・画面設計
・デザイン
・コーディング
・CMS開発・組み込み
・検証
・公開準備

「要件定義」とは作ろうとしているサイトの機能やルールを決める作業です。タスクを分解すると「サイトのコンテンツを決める」、「必要な機能を決める」「CMSに必要な機能を決める」「公開ルールを決める」などです。要件定義のタスクは何を決めるかを考えます。
「コーディング」であれば、「フロントエンド設計(Nuxt.jsを使ってSSRで実装するとか)」「html/cssの設計」「ページのコーディング」などです。実装側の作業では設計が必要なタスクとコードを書くタスクに分けられます。
「コーポレートサイトを作る」というゴールまでに、どのようなタスクがあるのかを考えます。もちろん作るものが違えば、決めなければいけないことは大きく変わります。

もう1つは、考えたタスクに完了日を設定しスケジュールを組み立てます。タスクが具体的になるとおおよその作業時間が検討でき、それをもとにスケジュールを作っていきます。あとは期日通りにタスクが消化されているかを管理していきます。
大体の場合、予定通りにスケジュールは進みません。そのため事前に余裕を持ったスケジュールを組む、余裕がなくなってきたらタスクを再検討する、追加メンバーを入れるなど、調整を行います。

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進行管理とはプロジェクトを円滑に進めるためにタスクを整理し、タスクの進捗を確認して問題があれば対処することです。

利益管理とは

例えば500万円の予算(売上)があったとして、すべてをサイトの制作(人件費)に使ってしまうと、いいこともあれば悪いこともあります。
悪いことで考えるとWebは技術の進歩が早いので、技術を把握するための勉強代(案件稼働してない時の人件費)が使えません。新規の提案は稼働にかかった費用が請求できないことも多いため、採用される確率が高くないならそもそも提案しないという判断を取ることになります。利益はさまざまなところに使われていて、新しいことをするには利益を作って会社にお金を残す必要があります。

一方で今は利益がなくてもいいこともあります。最初の案件は利益がないが、その後は定期的に仕事が発生して、1年間のトータルで見ると利益が出るようなプロジェクト。またはノウハウを吸収し次の案件につなげるプロジェクト、など。プロジェクトに対する利益の方針はどちらかというとアカウントやプロデューサーで考えますが、ディレクターに一任されていることもあります。

ディレクターは予算に対して事前に利益計画を立て、プロジェクトメンバーの稼働を管理します。メンバーの稼働が予想より多くなっていたら原因を考えます。
・要件が増えたことで稼働が多くなった
・作業担当者の技術レベルが足りないため稼働が多くなった
・予定外のタスクが発生していて稼働が多くなった
など

それぞれの解決策として、要件が増えた場合は先方と追加費用を交渉します。技術レベルの場合はベテランメンバーのアドバイスが入ると早期に解決することが多かったりします。予定外のタスクの場合はアサインメンバーに本来求められているタスク作業もしくは役割が発生しているため、作業内容の確認やプロジェクト体制の見直しを行います。

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利益管理とはプロジェクトメンバーの稼働状況と事前に計画した利益を比べ、健全にプロジェクトが進められているかを把握することです。

品質管理とは

要件定義時に決めた機能が正常に動くか、デザインに崩れがないか、要素の抜け漏れがないか、など主にブラウザチェックのことを指します。不具合やレイアウト崩れや制作メンバーがミスしやすい箇所を見つける能力は、意外と経験に左右されるため、若手メンバーでは見つけられない抜け漏れがベテランメンバーだと簡単に見つけられたりします。1つ1つのチェック項目に対してきちんと照らし合わせて見ることや、疑いながら見ることなど、根気強さが求められます。

もう一方で少し手を加えることで品質がよくなることもあります。ボタンの反応や検索結果待ちなど、インタラクションのある箇所をユーザーの立場になって動作確認を行い改善することも大事です。ストレスを感じそうな箇所にはローディングを追加する、メッセージを追加する、プラスになるものを加えて品質をよくする方法があります。

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品質管理とは事前に決めたデザインや機能が正しく作られているかを確認し、ひと手間加えてより良いものに仕上げることです。


ディレクターは多くのスキルを求められますが大きく3つの管理を押さえておくと、どのようなプロジェクトでもやるべきことが見えてきます。


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