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マンジャーレ・カンターレ・アモーレ 自分の人生を豊かにするデザインは?③

Q7 小林さんのときめくものはなんですか?
「あったら素敵だよね」、と思えるもの。たとえば、僕のクライアントで「ranto」というブランドを展開している、胡蝶蘭の農家さんがいます。2年くらい一緒にやっていますが、この仕事はときめきます。
 
胡蝶蘭は日本だと、高価なお祝い用の花というイメージがあります。でも欧米では、小さい胡蝶蘭を自分用に飾る文化があるんです。水やりが少なくても数ヶ月は持つ花なので「家に花がある」という状態が、簡単にキープできるんです。朝起きて、リビングに花があるって素敵じゃないですか。「家に花がある生活」の入り口として、胡蝶蘭は最適。だから普及させたい。

そこまでしている人に「一緒にやろうよ」と言われたら、応えるしかない。「ranto」との仕事では勝手に営業したり、ポップアップストアーの店頭で販売員として立っていたりもします。頼まれてもいないのに(笑)理由は楽しいから。ときめいたからです。
 
想いがあって、それを体現するために頑張っている人が好きです。共感できる人との仕事なら頑張れます。その人の想いを大切にしたい。その表現方法がデザインであり、アートなんです。
 
Q8 小林さんにとって「デザイン」とは?
デザインを単なる課題解決の手段としてとらえる風潮がありますが、僕はその考え方があまり好きじゃないです。デザインは、情緒的なものがあってこそ。自分自身を表現している部分がなければ、自分がつくる意味はないと思います。イタリア人はそういうアート的な部分をすごく大事にしている。
 
その意味ではアートも情緒のひとつだと思っています。今は残念ながらロジカルが優先される日本で働いていますが、自分は情緒的でありたいと思っています。楽なことよりも楽しいほうを優先させること。それも、イタリアで強まった感覚です。

Q9今後やりたいことはどんなことでしょうか?
楽しく仕事をすることです。お金よりも、好きな人と楽しく仕事することを優先させていきたい。デザインの仕事や考えることが好きだから、それはライフワークとして続けていきたい。でも、結果を出すことは目的じゃなくて手段です。生活があるからお金は必要です。本当に共感できる人と仕事できるなら、報酬はいくらでもいいと言いたい。でも、今はまだその状態にはないです。できれば45歳くらいには達成したいと思っています。

ーー45歳!早いですね。その先の展望は?
その先は、楽しく仕事をしていきたいです。休みたいときに休んだり、行きたい時に旅行に行ったり。
楽しく仕事をしていれば、結果も自然と付いてくると思っています。夫婦共働きなので、経済的にはなんとかなるかなと。そのぶん妻に負担をかけている面はありますけど(笑)

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 Q10 そんな小林さんは、誰にどんな記憶を残したいですか?
自分の子供に「親父楽しそうだな」と思われたい。最近は仕事で家にいない日も増えていますけど。それでも「仕事は楽しい」と思わせたいですね。世の中はツラい、仕事って大変なんだとは思ってほしくない。

仕事をしている時間って、1日のうちで一番長いじゃないですか。割り切って、仕事以外の時間を楽しむという生き方も否定はしません。でも、ぼくは仕事の時間を楽しみたいと思っている。楽しい時間は長い方がいいですから。働くことをネガティブに捉えたくない。人生を楽しくする手段として仕事がある。そういう親がカッコいいと思います。
 
Q11 小林さんの「推し」を教えてください!
2つあります。まずはイタリア。人生を楽しむスタンスも好きだし、自分たちの仕事や作っているモノに誇りを持っている人が多いです。ワイン作っている人も、みんな自分が作っているワインが世界一だと思っている。
僕の理想は、1年の半分をイタリアで過ごすこと。イタリア人も愛嬌があって素敵ですよ。一度は行ってみることをおすすめします。
 
2つ目は胡蝶蘭。「ranto」でやっている仕事は素晴らしいことだと思っているので、それをもっと広めたいです。
 
ーーでは胡蝶蘭を体験しに行ってきます。編集後記で推しを私がトライするので、イタリアでなくて安心しました(笑)
 
Q12では最後に、小林さんの次のお友達を紹介してくれるかな?
大学時代のサッカー友達の大津寄君を紹介します。大学は違いましたが、国公立大サッカー大会で意気投合し、それからの付き合いになります。彼は今京都でプロダクトデザインをしていますので、ビジネス上のつながりもあります。そんな大津寄君の話をぜひ聞いてみてください!
 
インタビューを終えて
情緒やときめきを大切にされている小林さんのお話をお伺いし「マンジャーレ・カンターレ・アモーレ」プチイタリア体験が静岡でできました。次回は京都で大津寄さんにインタビューします!

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