コロナ禍の中でパチ屋に並ぶ人々の気持ち

コロナ禍で外出自粛要請の中、「にぎわっているパチンコ屋」の映像をニュースでよく見かける。

休業要請を無視して、営業しているお店のことは今は置いといて、そこに集まる人々について書いていきたい。

「こんな時にパチンコに行くなんて、バカじゃないのか?」
「わざわざ負けに行くなんてなにを考えているんだ?」
「お店が勝たせるわけないだろ」

こういった意見がごく常識的なコメントであろう。
私もそう思う。
わざわざ今いかなくても。と思う。

しかし、開店前の朝イチから並んでいる人々に、そんなアドバイスをしてもまったく響かないのだ。

なぜなら、彼らは「勝つつもり」で並んでいるからだ。

前者の一般的な人の思考と、朝から並んでるパチンカーの思考とでは、どこまでいっても平行線のままで絶対に近づくことはないということ。別次元の思考をもっているのだ。

パチンコに詳しくない人に説明すると、パチンコ屋には銀色の玉を弾いて大当たりをさせ玉を増やしていく「パチンコ」と、コインを3枚ずつ入れて大当たりを狙いコインを増やしていく「スロット」という2種類の遊びがある。(中にはどちらかの専門店もあるが)

パチンコ玉は1玉4円(今は1円などのレートが低いお店もある)

スロットコインは1枚20円(こちらもレートが低いお店がある)

これを1,000円単位で購入しゲームをしていく。

大当たりの確率は機種にもよるが、1/100~300くらいで、購入した玉を使ってその確率の大当たりを狙うのが基本。

そして、お店側はその大当たりをさせないで、どんどんお金をつぎ込んでもらうために、パチンコなら釘を締めて玉が入りづらくし、スロットなら大当たり設定を一番低確率にセットして営業する。

どれだけ無謀なお金の使い方をしているかお分かりだろう。

それでもまったく大当たりしないわけではなく、程よく興奮させ夢を見させるのがお店の常套手段。


さて、コロナ禍の中、朝から並んでいる彼らに話を戻そう。

並んでいる彼らは毎日のように、もしくは毎週末のように自分がホームとするパチ屋に足しげく通い、遊戯に興じているはず。
ニュースのインタビューで「仕事も休みでやることないんで」と答えているのは、インタビュー向けの建前あって、そもそも休日となれば他の用事を一切入れずに、朝からパチンコをすることを最優先にしているはずだ。

だから、「不要不急」「外出自粛要請」そんなことよりも、「最優先事項」としてパチンコがあるのだ。

そんな毎日のように、毎週末のようにパチ屋通いをしている彼らからしたら、「いつもより玉が入いが悪い台」や、「明らかに大当たり設定が悪い台」、そんな不利な状況の台を打たされているくとは百も承知だ。
一般の人に半笑いで言われる前に百も承知、いや、万も承知なのだ。

それでも朝イチからお気に入りの台と向かい合い、台にどんどん1万円札を投入させることを最優先事項としている。

どんなに渋い営業をされようとも、ピカピカ、ガガガガ、キュインキュイン♪というアドレナリンを全開にさせてくれる音と画面演出に興奮と夢を見に行くのだ。

一日中そういう興奮の坩堝に身を投じていれば、最終的にどれだけ負けようとも、少しの後悔と、明日への大きな希望と期待を胸に眠るのだ。
「今日負けた分は明日取り返そう」

それから、今どきの綺麗な作りのお店に限って言うと、タバコの煙対策のために、隣の台との間にアクリル板で仕切りがあったり、空気清浄機が付いていたりする。
そして、ほとんどは無言のままで正面を向いたまま興じているので、おそらくは世間が思うほど感染リスクはないかもしれない。(夜のお店よりは各段に)


なにが言いたいのかわからない感じになったが、世間の人がどれだけ「パチンコに並んでいるのはバカだ」と言おうとも、当の本人たちは何とも感じていないということ。

多少でもそう感じるパチンカーは行ってないだろう。

そして、10万円の給付金が手に入ったら、さらにその人数は増えることは明らか。お店も手ぐすねを引いて待ち構えているだろう。


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