ショッピングモールでのパネル展で伝えたいこと

 2021年1月20日より盛岡市内にあるショッピングモール「イオンモール盛岡南」にご協力いただいて、専門店街2階でパネル展を実施しています。

 当初予定していた令和4年春のリニューアル開園に向けて、リニューアルの進捗状況を発信して期待度を高めてもらったり、ZOOMOに所蔵されている標本や写真など工事期間中に見ていただけなくなってしまうものを展示したりすることで、休園期間中にもZOOMOの取り組みを知ってもらい、環境教育活動に繋がればという当園職員の思いと、イオンモール盛岡南の担当の方々の思いが一致したことで実現に至りました。
 残念ながら工事着工の遅れからリニューアル開園を令和5年春に延期することになってしまいましたが、引き続きパネル展を継続させていただいています。

 展示開始日の1月20日には1階のイベントスペースをお借りして、リニューアルに関するパネルとリニューアル後の模型を展示し、ZOOMOSHOPの取扱商品の販売や、新たにデザインしたロゴのお披露目なども行いました。当日は地元のテレビ局や新聞社がたくさん来てくださって、地元での期待感の高さを改めて感じることが出来ました。

画像1

駆けつけてくれた岩手のゆるキャラ「とふっち」

画像2

たくさんの取材陣に囲まれて緊張の面持ちの筆者

 パネル展は2か月に1回ほどのペースで展示内容を変えながら、ZOOMOの目指す姿や取り組みなどを紹介しています。
初回のテーマは「ZOOMOの歩みとリニューアル」。開園からの記録を写真で振り返るとともに、ZOOMOの新たな理念やリニューアル後の図面、模型を展示しました。
 昨年はたくさんメディアに取り上げていただいたとはいえ、まだまだリニューアルをすることも、工事の間お休みをさせていただくことも知らない方はたくさんいらっしゃると感じています。
 盛岡で一番といっても過言ではないくらい人が集まるショッピングモールで情報発信ができるということは非常に意義のあることです。

イオン盛岡南写真展 (1)

リニューアル後の図面や模型

イオン盛岡南写真展 (4)

開園から30年の思い出の写真の数々

 4月からの展示のテーマは「動物の赤ちゃんと動物幸せ大作戦」。
 本来であれば多くの動物が子育てをする姿を動物園で見ることが出来たはずの時期ですので、これまでにZOOMOで生まれた動物たちを写真で振り返るとともに、動物たちの心身の健康のためにZOOMOが取り組んでいる環境エンリッチメント(給餌方法や回数の変更、野生下での採食方法に近づけるための工夫、遊び道具などを入れることにより野生下での行動を引き出すこと)やハズバンダリートレーニング(動物に協力してもらいながら、飼育係の指示により体を寄せたり、注射などの治療に至る前に、ご褒美を使いながら動物自ら協力してもらうようにする。日常の健康管理や治療に役立つトレーニングのこと)の実例と、それらの基礎となる動物福祉についてパネルで紹介をしました。
 また、ライオンが遊んで壊したブイや、カナダカワウソが使ったサイコロフィーダー、ニホンツキノワグマの使っているハチミツフィーダーなども展示しました。
 展示物があることで足を止めて読んでくださるお客様が増えたとお聞きし、初めての試みである我々にとっても、魅力的な展示を作る良い勉強になっています。

画像5

エンリッチメントグッズの展示

 イオンモール盛岡南で開催させてもらっているのはパネル展だけではありません。
 3月13(土)には再度1階イベントスペースをお借りして「トークライブ“飼育裏話”」と「足跡はんこワークショップ」を行いました。
 ただ楽しいだけ、ただ可愛いだけの企画であれば、動物園が行う必要はありません。毎日たくさんの方が訪れるショッピングモール内で、楽しみながら動物や動物園のことを知ってもらえる、学んでもらえる企画、休園期間中にもZOOMOを思い出してくれる仕掛けが出来ないかということで、この2つを行うことにしました。

 トークライブでは休園期間中の動物たちの様子や、嫁入りが決まっていたキリンの「カリン」の成長記録、動物たちを心身共に健康に飼育するための取り組みなどを、たくさんの映像や画像を使ってご紹介しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策のため、十分に距離を取ってもらうため席数は非常に少なく設定しましたが、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

画像6

トークライブの様子

 足跡はんこワークショップは、本物の動物の足型から作られた足跡はんこ(土や雪の上に残った足跡や、麻酔をかけて健康診断を行った際などに足型をとって作製した消しゴムはんこ)を使って、一般の方にオリジナルグッズを作ってもらう企画です。動物種だけでなく足型をとった個体名まで分かるので、個体への思い入れも強くなること間違いなしです。
 参加料が材料費込みの値段で設定していたことから、あまり参加者は多くないだろうという大方の予想に反して、常に席は埋まっており盛況なままイベントを終えることが出来ました。

画像7

足跡はんこワークショップの受付の様子

 現在のパネル展は、6月に変えたばかりの「ゾウの人工授精プロジェクトとキリンのお引越し」です。アフリカゾウの“マオ”とキリンの“カリン”の成長を写真で振り返りながら、当園が現在取り組んでいる国内初のゾウの人工授精プロジェクトと、4月に富山市ファミリーパークに引越しをした“カリン”の搬出の様子をパネルで紹介しています。

イオンモール盛岡南 (1)

キリンの頭骨と頸骨(首の骨)も展示

 また、7月30日(土)には「夏休みの宿題お手伝い展」と「足跡はんこワークショップ」を一階のイベントスペースで行う予定です。自然観察や植物を使った工作など、夏休みの宿題の役に立つ情報を展示したいと思っています。当日は職員も常駐しますので、展示内容や飼育動物のことなど、なんでも質問にもお答えします。

 今回の足跡はんこワークショップには動物公園友の会の会員が一緒に運営してくれます。市民と共につくる新たなZOOMOの形をお見せしながら、賑やかに開催出来ればと考えています。お近くの方はぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。
(※新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため中止をする場合があります。予めご了承ください。)

 パネル展は今年度末までイオンモール盛岡南店のご協力により続けさせていただける予定です。
 これからもZOOMOを通じて動物と人とのより良い関係について考えてもらえるきっかけを作れるような展示を続けていきたいと思いますので、ぜひイオンモール盛岡南店のパネル展をご覧ください。

企画営業広報 荒井