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カリンのお引越し

 4月9日、季節外れの雪が舞う中、大きな木製の輸送箱に入ったキリンのカリンは朝8時頃盛岡を出発し、長旅の末、夜7時頃に富山市ファミリーパークに無事到着しました。

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 キリンの輸送は交通渋滞を避けるために夜間に行われることが多いのですが、今回はまだ寒い時期でしたので、カリンの体調を考え日中の移動となりました。
 出発までの約20日間は、輸送箱の中で落ち着いていられるように毎日トレーニングもしました。また、少しでも早く出発できるように、何度も輸送箱がクレーンでトラックに積み込まれるまでの段取りを確認しました。無事送り出すことができほっとしています。

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 現在、日本国内の動物園では58園館で190頭(2020年12月31日現在)のキリンが飼育されています。どこの動物園に行っても見ることができる人気の動物のキリンですが、アフリカの現地では生息環境の悪化や密猟などにより絶滅の危機が増大し、2016年には国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。
 そのため、日本国内の動物園では相互協力しながら、繁殖可能なキリンを動物園同士で移動させることにより、新たなペア作りを進めて繁殖を促す取り組みを行っているのです。

カリンの哺乳

 カリンは母親のユズからミルクをもらうことが出来ず、人工哺育で育ちました。人工哺育で育ったキリンは1歳にならずに亡くなるケースもありますので、3歳まで無事成長し国内でのキリンの繁殖を担うまでに成長できたことは大変うれしく思っています。

 カリンがいなくなり、当園のキリンは一時的にオスのリンタだけとなりましたが、5月27日には東京都多摩動物公園より2歳のメスのユンが新たなパートナーとして来園しました。キリンのメスは3~4歳で大人になるので、まだまだ子供ですがカリンに負けずかわいらしいので、ぜひ会いに来てください。

ユンが来園した時の話は、また後日。

キリン担当 丸山