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  • うつ病やってらんないぜ日記

    過去十年以上、うつ病に悩まされてきた私の、直近かつ最大のうつ病の日々を綴ります。 やってらんない気持ちをユーモアに昇華して、どうにか生き残ってやる、このうつ病という険しい漢道を。

最近の記事

嵐の5人に命を救われた話

活動休止中の5人組グループ『嵐』に命を救ってもらったことがある。 あれは、高校生の時だった。 いや、無論あちらさんは私の命を救ったことなんか知らない。 嫌味な話だが、小学生の頃から中学生の頃まで、勉強がよくできた。 絵に描いたような優等生で、テストはいつも90点から100点ばかり、通知表でオール5を取ったこともある。 自分でも、勉強は得意だと思っていた。 勉強ができることが、自分のアイデンティティだった。 それが変わったのは高校生の時だ。 県内で一番偏差値の高い高校に入

    • げっそりクマさんと薄幸の美女

      あいつが来た。ドカンと来た。 あいつですよ、薬の副作用が突然押しかけてきたんだ。 大体どうして今来るのか。 今朝、朝も早よから通勤客と一緒に電車に乗って、病院に行ったばかりだと言うのに、なぜ病院が終わったタイミングで具合が悪くなり始め、徐々に満ちる潮の如く、どんどん酷くなって行くのか。 砂浜にある小島で呑気にうたた寝したら、気付いた時には潮が満ちていて、周囲を海に取り囲まれた時と同じ絶望を感じる。 大体、もう薬を飲み始めて一週間経っている。 なぜ今頃来るんだ。 薬の副作用

      • 休暇は夢か幻か

        皆さんは、「うつ病による療養休暇」と聞いてどんな休暇をイメージするだろうか。 ちなみに私は、うつ病でこうして療養休暇を取るまで、休暇と言ったらとても穏やかな時間をイメージしていた。 まるでアルプスの少女ハイジに出てくるような、どこまでも広がる青空と草原のまぶしい高原で、白いワンピースに麦わら帽子を被って、ハンモックに揺られながら、心穏やかに過ごしているイメージだった。 まあそもそも、あなたの家はハイジみたいな高原じゃなくて、都会の密な住宅街の一角にあるでしょと言われればそ

        • 待合室でゴジラビーム

          心療内科の待合室にいると、何もしていなくてもとても疲れる。 少し具合が悪い時なんかは、帰宅後にたちまち具合が悪くなる。 心療内科の待合室には、患者さんの「しんどいなア」という感情が満ち満ちている。 さながら、『風の谷のナウシカ』で言うところの腐海である。 人が生きていける場所ではないのである。 そうした患者さんと長時間接する医師達は、プロフェッショナルとしてガスマスクを身につける訓練を積んでいるに違いない。 きっと医学部か臨床実習の過程あたりで、腐海でのガスマスクの

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