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マタ・ハリ

※後半に作品ネタバレあります※

いつぶり?って改めて見たらほぼ1年ぶりでした。
でもこういうのは自分のペースでほどよくサボるくらいがちょうどいいって最近読んだ本にも書いてあった!
ここのところは特に舞台の中止もなく(GW期間に関してはことごとく全部やられましたが)、今では月数回しっかり観劇してます。
ただただ記録サボってただけって話ね

さて何故今になって再び記録し始めたのかというと、書かずにはいられない舞台を見てしまったからに他ならないです。
今回観てきたのは池袋のブリリアホールにて上演された「マタ・ハリ」です。
この作品、3年前にも上演されて1度観に行ってます。
その時なんて素晴らしい作品かと心の底から震えたのを覚えています。
ちなみにこの時アルマンを演じてた加藤和樹くんに沼落ちしてます。
1回しか観ていないけど私にとって心に残っている作品、その作品の再演はもうたまらなく嬉しかったです!

3年前と変わったのはマタ・ハリ役が柚希礼音さんに加えて愛希れいかさんが加わったこと、アルマン役に三浦涼介くんが参加、加藤和樹くんはラドゥー役のみに変わりそのラドゥー役にもWキャストとして田代万里生くんが参加されてます。
他にもピエール役が工藤広夢くん(これもすごい嬉しかった!)、ビッシングが宮尾俊太郎さんになるなどダンスに強い人たちが采配されてる感じがしました。

さて作品内容に入ります。ちょっとネタバレしますよ

- STORY -
1917年、第一次世界大戦の暗雲たれこめるヨーロッパ。
オリエンタルな魅力と力強く美しいダンスでパリ市民の心をとらえて放さないダンサーがいた。名は、マタ・ハリ
彼女の人気はヨーロッパ中におよび、戦時下であっても国境を越えて活動する自由を、手にしていた。
その稀有な存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、彼女にフランスのスパイになることを要求する。もし断れば、人生をかけて隠してきた秘密を暴くことになる、そうほのめかしながら...。
自らの過去に戻ることを恐れ怯えるマタ。
同じ頃、彼女は、偶然の出来事から運命の恋人に出会う。戦闘パイロットのアルマンは、彼女の孤独な心を揺らし、二人はともに美しい夜明けのパリを眺め、人生を語り合う。
一方ラドゥーの執拗な要求は続き、一度だけスパイをつとめる決心をしたマタ。彼女の世話を続けてきた衣装係のアンナの祈りの中、公演旅行でベルリンへ向かい、ドイツ将校ヴォン・ビッシング宅で、任務を無事遂行する。しかし、謀略はすでにマタ・ハリの想像を超えて進み、アルマンへの愛に目覚めた彼女の運命を、大きく歪めようとしていた...。
(「マタ・ハリ」公式HPより)

というのが本作のストーリーです。
第一次世界大戦真っ只中の混乱の時代、その中で必死に生きる人々が描かれます。
キーワードは「戦争」「愛」「嘘」といったところかな、戦時中という時代背景がより登場人物の関係性やつながりを濃いものにしています。
その中で育まれる愛、マタとアルマンの運命的な愛は作品の中でも特に美しく、共に朝日を眺めるシーンはドラマチックで思わず浸ってしまいます。
他にもアンサンブルの方々が魅せる国民のつながりもいろいろ想像させられて胸を打つし、一方でラドゥー大佐からマタへの歪んだ愛情も同時に描かれていてこれがまた目を惹くんですよねえ。
ラドゥー大佐がマタの魅惑に狂わされていく様は狂気というか劣情まみれな感じが本当に好きです。それは今回再演を見たことで気づけたことかもしれません。
そして「嘘」、ダンサーとしてのマタ・ハリは暗い過去を捨て去った後の偽りの姿でした。そんな彼女と運命的な出会いをしたアルマンも、実はラドゥー大佐の部下でマタを利用するために送られた人間。仕組まれた出会いだったのです。
だけどマタとアルマンは徐々に本当の自分をさらけ出しあい、お互いの気持ちが本物であると認識し始めます。これがまた美しいんだ
真実は嘘と裏腹、疑うことは生きること、真実は変わり身が早い、と歌詞に多く登場するように「嘘」「虚構」は本当に大きなテーマです。スパイにも嘘がつきものですしね
何が本当で何が嘘か、立場はどうあれそれを必死に探し求める人間模様はこの作品の面白さの一つかなと思います。

あとこの作品とにかく曲が良いんだよねえ〜
作曲を担当してるのはあのフランク・ワイルドホーン
もう聞けばわかると思うけど、ハイ!ワイルドホーンです!って感じの曲が多い笑
特にマタが序盤で歌う「わたしは戻らない」(ラドゥー大佐に過去を暴かれたと察したマタがあの頃に戻ってたまるかと歌い上げるナンバー)、これのワイルドホーン味すごいです。とても強さがあって印象的なイメージです。
かと思えば「C'est La Vie」(マタとアルマンが朝日の中夢を語り合うナンバー)はすっごくロマンチックで優しさがあって思わず聞き惚れる、
他にもアルマンとラドゥーが歌う「二人の男」なんかもすごく印象的!
なんというかワイルドホーンの楽曲って歌う人物の感情とか気持ちがすごく曲にのっている感じがするんですよね、そこに生の人の歌声が乗った時の化学反応がエグい。愛情も憎悪も狂気も分け隔てなく表現されているからこそ、感情の繊細な部分が歌に乗ってガツーーーン!!と響いてきます。これが良い!
そう思うとデスノートとかもめちゃくちゃわかりやすいくらいワイルドホーン。

そんなこんなで大好きなこの「マタ・ハリ」という作品。
まあ好きだけど今回はWキャスト1回ずつ見れたら満足かな、、、とか思ってたら事件が起きました。
詳しいことは後々記述しますが、結論から言うと3回観ました。東京だけで。
言わずもがな原因はキャストにあるのでキャスト振り返っていきます。

マタ・ハリ役は柚希礼音さんとちゃぴちゃんこと愛希れいかさん!今回お二方両方とも見られました!
お二方とも本当に美しい!マタ・ハリを演じられるのって本当ごく少数だよなあ...
柚希礼音さんは初演で拝見した時にその美しさに本当に見惚れたので今回も絶対見たかった!筋肉のつき方とダンスの力強さが本当に美しい、、、
ちゃぴちゃんマタに比べるとすごくかっこよさのあるマタだなあと感じました。
あと低音響かせた時がやばい、深みのある歌声に撃ち抜かれました。
男性のような力強さと女性としての繊細さを併せ持ってるって最強すぎる
ちゃぴちゃんも出演が決まった時楽しみで楽しみで仕方なかった!
個人的ちゃぴちゃんって可愛らしいイメージが強いんだけど、マタを演じてるちゃぴちゃんはすごく大人びていて、色気のあるかっこいい女性という感じでした!
あとユーモラスというかすごく感情表現が豊かなのでマタをすごく近くに感じる。
二人とも全然違うマタでしたがそれぞれが全然違う魅力を持っていて同じ作品でも違う表情が見えてきました。これがWキャストの良いところ!!!

そしてアルマン役はとんちゃんこと東啓介くん
三浦くんはタイミングが合わず見れませんでした...こちらもすごく見たかった!
こちら初演の時は和樹くんで見たので実は今回が初見!
わかっちゃいたけど背が高っけぇ〜〜〜〜〜足の長さがバグりすぎです。
あとすごく歌声が深い。とってもハスキーな声をされていて声量もあるので、あの響きづらいブリリアホールでもビリビリ響いてきました!
現代系ブロードウェイミュージカルの主人公とかやってほしい、是非。
アルマンはすっごく真っ直ぐな男なんですよね、そんでもってロマンチックだしユーモラス、ラブロマンスでときめかない私も流石にアルマンにはときめきます。
もしかしたらミュージカルの男主人公の中で一番好きなキャラクターかもしれないな〜なんて思うくらいカッコいい男です。
素敵なアルマンに会えて満足でしたが、欲を言えば和樹アルマンに再会したかったな〜〜〜〜〜!!!!これで落ちたんだから私〜〜〜!!!!!!

そしてここからがほぼほぼ本題になってきちゃいます。
ラドゥー役の田代万里生くん。この人が本ッッッッッ当にエグかった...
1回見て本当に好みすぎて万里生くんの回とれるだけチケット取りました。
追いチケしたのは全部この人の所為です。愚かよね私ね〜〜〜
しかも本当は2回見るなら次は和樹ラドゥーでとか思ってた私の心を全部奪い去っていった...結局全部万里生くんで観た...ごめんね和樹くん次は必ず.......
いや万里生くんが素敵っていうのはずっと前からそうだったんだけど、今回のラドゥーを演じてる万里生くんが本当にドツボで沼だったんだよね!!
ラドゥーはフランス軍事諜報部の大佐で、自分の采配で兵士の生死が決まるっていうとてつもないプレッシャーを背負ってる人間。
戦争に勝つため、少しでも多くの命を救うために、マタをスパイに誘います。
と、最初は責任感の強い堅実さを感じさせますが徐々に狂気が露わになります。
マタと関わるうちに魅力にとりつかれて愛を激しく求めたり、密接に関わってるアルマンに嫉妬したり、とにかく感情の揺さぶられ幅がすごい。
とにかく劣情まみれ。戦争やプレッシャーがラドゥーを歪めてしまったと考えるとこの人も被害者の一人ではあるのだけど、もうマッドネスな悪役感がすごい。
今まで見てきた万里生くんってカッコよくてスマートで〜みたいな役が多かったから(たまにクズだったけど)、もう新鮮でしかないわけです!
ダイナミックに体を使って抑えられない欲望を表現したり、2面性を疑うほどの表情の入れ替わりがすごい!劣情マッドネス万里生ずっと見てられるな...と思った
裁判シーンの迫力もすごいし(ここはもう完全に悪役)、ラストにアルマンを撃ってしまった後の後悔に嘆く表情、フラフラと壇上に上がってく様も全部良い。
出てるシーンは一瞬も見逃したくなくてずっとロックオンしてました。
完全万里生に狂わされてます。マタに狂わされたラドゥーのようにそれはもう。
こういうちょっと心に闇を抱えた感情的な役良いよね、もっとやってほしい!
個人的にはSMOKEの超やってんのを観たいです。どっちも韓ミュ、ありじゃない?偉い人聞こえる?
この人に会いにたぶん大阪公演も行きます。あ〜〜狂わされとるな〜〜〜

Wキャストはここまでのお三方!他にも魅力的なキャストばかりです!

マタの衣装係アンナ役の春風ひとみさん
この人も素晴らしかった...マタを包み込む母親のような愛情深さに心打たれまくりでした。
歌声も柔らかで心地良くて、ずっと聴いていたいと思いました!
千秋楽では挨拶時にちゃぴちゃんマタの「今夜の客席はどう?」という問いかけに対して「大入満員です!」と挨拶を締め括ってくださいました。
このやりとり本編中にもあるんですけどマジで泣けますからこれほんと

ドイツ将校ヴォン・ビッシング役の宮尾俊太郎さん
この方はKバレエカンパニーのバレエダンサー。
ビッシングは2幕最初にダンスするシーンがあるんだけど、そのダンスがマジで美しい。1幕では強く冷酷な男という印象がありましたが、ダンスの繊細さに度肝を抜かれました。さすがバレエダンサー...
この人だけに留まらずこの作品に出てる方みんなダンスが上手いです。
なのでダンスシーンは本当圧巻なんですよね

ダンスが上手いといえばピエール役の工藤広夢くん
この人は王家の紋章のセチ役で知ったんだけど、本当にダンスが上手い!!
いやただ上手いというよりすごく感情豊かなダンスをされる方。
この人のダンスが大好きで大好きで、舞台に出てると必ず注目しちゃいます
今回思ったのはダンスはもちろん、その他の動きもすごくダイナミックで目を惹くなあと感じました。
まさに舞台上で全力で生きてる!という感じで。舞台映えがすごいです
お芝居面も印象的で、空から帰った後仲間達の影を追う姿、2幕中盤から後半まで戦場で過ごすピエールとしてずっと舞台上に存在してる姿、すべて繊細で思わず目で追ってしまう力を持ってるなあと感じます。
あと実は歌も上手い...透き通る歌声が素敵で...もうできないこととかあるのかなこの人?

あと個人的に気になったのがアンサンブルの中川賢さん
この方おそらく初見でしたが、こちらもすごく素敵なダンスを魅せてくれます。
1幕途中で市民に扮した中川さんのソロダンスがあるのですが、それが素敵!
戦時中という時代の中で何か一抹の希望を掴もうと飛び上がるけど、手の内には納まらず指をすりぬけていく...そんなことを感じさせる表現の振り付け。
すごく力強くてでもどこか繊細で、この作品自体や世界観を体現してるようですごく素敵でした。他のシーンでもすごく素敵に踊ってらっしゃいます。

わかってます、書きすぎました。
もうそれほどまでに虜にされてしまいましたマタ・ハリに!!
7月10日からは愛知、7月16日からは大阪での公演も予定されてます。
さらになんと!今日発表されましたがDVDにもなるようで!!歓喜!
チャンスはたくさん、生きてるうちに1回は観ていただきたい作品です。
大阪公演行こうと思っているとはいえ少し間が空くのでそれまでマタハリゾンビになります。
やはり書くことで行き場のない好き!!!が消化される気がする
今年はもうちょいちゃんと書きます


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