進化ではなく良化~パチスロ ガメラ2

暇だった時にちょろっと立ち寄った店で空席だったので2000G ほど打った感想と共に、リメイクのあるべき姿を語ってみようと思う。なお、前作の6号機ガメラを打った際の打感などについては以下の別記事に記してあるので併せてお読み頂きたい。(なお解析や攻略等はほとんど読まずに自分の経験をもとに書いてあること、執筆当時から時間も経っており判明したことなど事実と異なる点も多い事はご了承いただきたい)

初代ガメラ(6号機)の問題点

基本的な仕様は初代6号機ガメラと大差がない。リーチ目を引く、もしくはバトル目を引いた際の抽選によって当選した疑似ボーナスのみで出玉を得る。BIG中は技術介入によってJACを上乗せして出玉を伸ばす。やる事や狙う所などは大差なく、リール配列に関しても違和感を感じさせない作りだ。

初代ガメラが抱えていた問題点として以下の点が挙げられる

仕様面

・強烈とは言えないまでもリセット恩恵があり、有利区間ランプの点灯をチェックすれば一目瞭然なのでリセットの扱いが難しかった
・「フル攻略102%」を謳っていたが、天井が搭載されている事によって常に平坦な102%というわけでは無く、ハイエナの温床になっていた
・BIG後にBR比率が入れ替わってしまう、打ち手にとって不利な状態があった為BIG後即ヤメ放置台がゴロゴロ転がっていた
・通常時にBARを揃える嫌がらせで放置されていた

打感面

・ボーナス準備中に告知前にBRが分かってしまう事が多かった
・確定画面中の小役によって告知がひっぱられ確定画面で追加投資というような光景も見られた
・JAC中に1枚役、ハズレが多くメダルの減りが実感できてしまい消化がだれやすい

演出面

・対応が分かりにくい背景変化系の演出が多くアツくなるタイミングが分かりにくかった
・バトル目からの抽選がメイン契機であったのにバトル目の成立が分かりにくかった

などなど。私自身嫌いな台では無かったのだが、これらに挙げた理由のいくつが原因となって次第に選択肢から外れていった台であった。

そして、今回のガメラ2はこれらの問題点の殆どを解消してある。

元々のゲーム性をそのままに問題点を解消した中々完成度の高い台であるという結論に至った。詳しく中身を見て行こう。

仕様面に関する変更

まず現在の6号機は有利区間に関する表示義務が無い為見た目でリセットか据え置きかは判別ができない。最近のサミーの台という事もあってこの台も恐らくガックン判別も効かないであろう事が想像出来る。リセットによる恩恵の有無は不明だが、あったとしても判別が出来ないのでいわゆる「リセ狩り」行為は無意味と言える。

天井は非搭載である為ハイエナに付近を徘徊されるような目障りな事も起こらず、天井がある事によって起こるG数によって変わる期待値の変化も大きくはないだろう。現状全ての仕様について解析が発表されていない為、G数による周期高確移行などがある事も考えられるが、現状ではヤメ時をほぼ気にすることなく打てる。なお、BIG終了後30G以内の即連はBIGが確定するという仕様が発表されているが、その状態も液晶でわかるようになっているのでその間は辞めない方が無難。こういった仕様も相まって、おそらくBIG終了後に存在していた「不利状態」も存在しない、あるいは緩和されていると考えていい。いかなる状態でも102%で打てる台に変わったと言えるだろう。お財布の中身に左右されず、いつでも安心して着席できる台へと変わった。

なお、BAR揃いは相変わらずリアルボーナスが揃ったのと同じ扱いとなり液晶表示に従えなかった場合ペナルティ扱いになるのも変わっていない。どうにかして欲しかった点だが、仕様を考えると致し方ない部分もあるだろう。技術介入機と言う面も合わさって、相変わらず目押しが出来ない人にとっては困難を強いる台といえる。

打感に関する感想

ボーナス成立時にある程度BRが分かってしまう問題については解消されている。以前はハズレ時に「BARをねらえ!」が発生しない=BIG濃厚、あるいは1枚役を何度とってもBIGの告知がされない=REG濃厚というがっかり仕様だった。今回は確定画面中にハズレが成立したゲームでBRに関係なく告知がされる。よって純粋にどちらが成立したかをドキドキしながら待つ事になる。なおハズレを引くまでは延々とボーナスが始まらない為確定画面で追加投資になる場合もあるのは前作と同様。小役優先かつ1枚役が頻繁に成立する台とあって、この辺りはどうしようもなかったのだろう。

JAC中に関してもある程度の改良が見られる。白フラッシュを伴うハズレは相変わらず成立するがJAC中に1枚役やチェリーを取りすぎて13枚役を1回損するような事が発生する事は無くなった。また今回のJACは「13の倍数+1」枚の払い出しで終了するのでチェリーをすべて回避する事で枚数損を感じる事無くJACを消化しきる事が可能。左にBARを狙う事で取りこぼせるのでJAC中に見慣れない演出が来た場合逆押し赤7狙いでチェリーかどうかを判別しながら、左でしっかりと回避するように。

演出面の簡素化

この台は演出のカスタムが出来るようになった。各カスタムについては詳細は省くが、告知ものやパチンコの先バレが好きな打ち手が「おっ?」となるようなカスタムもついている。

前作の背景演出は対応役が複雑で何がアツいかもわかりにくく、どちらかというとルーレットや連打演出などの背景演出とは無関係な演出の方がアツくなれた。今回は「ガメラの食事」演出がメイン演出である。ガメラが降ってきたアイテムを食べるか食べないか、ただそれだけの演出である。「ただそれだけ」なのだが、「食べる=小役以上」と言う点だけで前作の背景変化演出より分かりやすくなっている。アイテムによる対応も決められているがそれを覚えなくても「食べるか食べないか」だけ見ていれば十分演出として機能しており、これだけで大分分かりやすく進化したと思う。それでいて従来の魚群やハープ音や消灯演出など、バトル目に期待したくなるような演出もそのまま用意されているので、単純に分かりにくい演出を変更して分かりやすい演出だけ残したと考えていい。

逆押し赤7狙いをしているとバトル目は通常1枚役と同じ停止形を取る為成立が分かりにくかった。今回は演出カスタムで「バトル目入賞時に音が変化する」というカスタムが付け加えられた。バトル目は大抵の場合そのゲームでバトルに発展するが、当選している場合のみ例外的に発展しない事もあった。この仕様の為、逆押しをする人にとっては演出が発生したり、1枚役が成立していると辞めにくいという問題があったが、カスタムする事でこういった不安からも解消してくれる。

他にも多くのカスタムがついているので詳しくは台を触って体験して欲しい。

まとめ 

進化より良化、リメイクとはかくあるべし

ハッキリ言って、ATやARTなどの補助機能が無くガメラのようなリーチ目役や小役の抽選によって疑似ボーナスのみで増やす台というのは世間一般に受け入れられているかというと疑問が残る。

しかし、このガメラ2という台は明らかに「前作で挙がった不満点を解消する」事にこだわって作ったように感じられた。長々と前述した点においてもそうだし、液晶が大きくなったことや技術介入時の音を消せるようにしてあるカスタムが付いたことなどもそうだと思う。

この世には星の数ほどの「後継機」が存在する。そのいずれを取ってみても「○○が進化!!」とか「前作の面白さをそのままに!!」といったような取ってつけたフレーズがセットになっている。しかしその多くはそれらの新要素が足を引っ張ったり、良かった点が潰されてしまったりといった点で大きく評価を損ねている。勿論ガメラ2にも新要素が大きく追加されており、覚醒ボーナスやフリーズのように大量獲得を夢見られる要素も盛り込まれた。しかしベースとなっているゲーム性に大きな変化はなく、前作を打った人は何の違和感もなく打っていける台になっている。

大衆受けはしなかったものの地道に前作を見つめなおして良くしていった台というのは珍しい。ある人物の言葉を借りれば

「こういうのでいいんだよ、こういうので」

と言う感想をもった。

スマスロ全盛期となった今、パチスロとしての良さを語る前に出玉性能や設定ありきでパチスロが語られる事が増えてきた。ギャンブルマシーンとしてのパチスロも大いに結構であるが、パチスロが進化した末路が今だというのであればそんな進化などクソくらえと思っている。いくら機械だAIだとは言っても作るのは人間、遊ぶのも人間だ。複雑化してゴチャゴチャした仕様に首をひねるよりは、今まであったものを進化ではなく良化する事で体験できる面白さや楽しさというのもまた良いものであると、この台から感じることができた。

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