マガジンのカバー画像

つれづれ創作詩

17
練習がてら、創作詩を投稿します。日常から社会情勢まで、様々なテーマで創作していきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

創作詩「回復期」

イチョウが音もなく散る午後 わたしは一人 公園のベンチに座っていた カーディガンの感触が少…

記憶
2週間前
8

創作詩「初恋だった日々」

学校帰り 受験勉強のために立ち寄った図書館で 机に向かい勉強する君を見かけた その怜悧な眼…

記憶
2週間前
8

創作詩「赤い屋根の家のあった町」  ~童謡「赤い屋根の家」後日談~

  高校入試の帰り ぼくは電車に揺られていた 窓を見ると 頬に少しにきびのある 学ラン姿の自…

記憶
2週間前
6

創作詩「靖国にて」

神門をくぐると そこは静謐な空気に包まれていた さっきまでビル街を歩いていたはずなのに い…

記憶
2週間前
4

創作詩「校舎へと続く桜並木の坂道」

校門をくぐると 桜並木の坂道がある 懐かしい母校の校舎へと続く道 すでに花は散り 今では青々…

記憶
3週間前
9

創作詩「トンネル」

そこを抜ければ光が差すと 誰かが言った そこを抜ければ明日が来ると 誰かが言った そもそも…

記憶
4週間前
7

創作詩「オノマトペ」

排水管 こぽこぽ かぽかぽ 小川 さらさら ちょろちょろ ハト ぷっぷく ぷくく セミ じゃりじゃり しゃりしゃり ススキ ざわざわ ざわーん 自転車 すーすー きこきこ 子ども とことこ わらわら 風 びゅーびゅー そよそよ 夕焼け きらきら じわじわ 鉛筆 しゃかしゃか とんとん 本 ぺらぺら ぱたん ミシン とことこ ととと 蛍光灯 じーじー ちかちか 包丁 とんとん ざくざく 換気扇 ごーごー ぶんぶん 夜 ゆらゆら すやすや 星 きらきら ぱらぱら

創作詩「シャボン玉」

おさな子の手を引いて 金木犀の香る児童公園を訪れた おさな子は砂場を見つけると 弾けたよう…

記憶
1か月前
11

創作詩「震災」

突如として大地が激しく揺れ 人が 動植物が 家具が 自動車が 建物が 次々になぎ倒されていった…

記憶
1か月前
3

創作詩「冬空」

透き通るような青 何もかも吸い込んでしまいそうな どこまでも澄んだ青 それはずっと高く遠く…

記憶
1か月前
11

創作詩「記憶」

どんなに手を伸ばしても届かない それでいて 前だけ向いて進もうとしても ずっと纏わりついて…

記憶
2か月前
8

創作詩「戦争」

耳をつんざく破裂音 響き渡る轟音 大地が砕け散る 建物が砕け散る 人も砕け散る 無色の景色と …

記憶
2か月前
4

創作詩「通学路」

喧騒の先に 友が呼んでいる 足音が連なる イチョウ並木から 木漏れ日が降り注ぐ 生垣に 朝露が…

記憶
2か月前
5

創作詩「海」

すべての命はここから始まり すべての命はここで終わる 太陽の光を吸い込み 地球を浸す どこまでもどこまでも 広がっていく   トビウオの群れが跳ねる クジラが潮を吹く シャチが食いちぎる クラゲが水面を漂う サンゴが卵を飛ばす イソギンチャクが揺れる クマノミがひょっこり顔を出す 貝が砂地を這う   白い砂浜 寄せては返す波 サンダルの足を止めて屈む 貝殻を拾う 砂の粒が指先に吸いつく ゆっくりと太陽が落ちてくる ほどなくして 辺りは夕闇に包まれ始める 波音がいつまでも静かに