宿題の役割
小学校での宿題の役割は何なのかを考えてみる。
①基礎学力向上
特に低学年の場合、算数では足し算や引き算、掛け算を行うが、慣れるまでには一つの問題にかなりの時間を用いる。瞬時にできるようになれば、その後計算問題では苦労することはほぼない。様々な学力レベルをもつ公立小学校では、思考を大きく求めるような宿題は必要ない。そのような宿題を出されれば、できない児童が多発する。であるから、宿題は大多数が自分の力で解決できるような、基礎学力の向上を狙ったものがよい。
②家庭での学習習慣を身につける
①であげたような宿題であれば、自力で解決できるため、親の力は必要ない。中学校への橋渡しも兼ねているので、自宅での勉強時間を確保してほしいという思いがある。小学生の宿題の目安は学年×10分とも言われているようだが、個々の能力差がある。宿題は最低限とし、残りは自学などで賄うのが良いと思う。保護者が自宅学習に力を入れている家庭であれば、この目的は必要ないかもしれない。
③保護者への学習状況の報告
「お子さんは基礎的なところが出来ていますよ」あるいは「ちょっと躓いてますよ」と知らせる役目もある。現在は家庭の様子も様々ではあるが、ほとんどの家庭では子どもの学習状況に関心がある。宿題を少し見てもらえば、この子はこれは出来ていそう・出来ていなさそうというのが分かると思う。
個人的には小学生には宿題は必要ないと思う。なぜなら、勉強自体は学校で行っているし、小学生時代の自由時間を思う存分満喫してほしいからである。だが、宿題を出してほしいという保護者は多い。私の場合、基本的に宿題は必要ないと思っていること、上記のように必要最低限しか宿題を出さないので、懇談会で「宿題を増やしてほしい」と言われることが多々ある。その際は②の説明をする。大体は納得していただけている。
目的のない宿題ほど意味はない。担任が目的なしに、ただのルーティーンとして宿題を出しているとしたら悲しいことである。
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