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空っぽ

一番恐れていた事。

覚悟は出来ていたか?覚悟はしていたつもりで出来てはいなかった。

前を向いていたか?前を向いたふりをしていた。

真っ直ぐだったか?真っ直ぐでいたかったけれどいつからか歪み始めてた。

当たり前だと思い込んでいた事は当たり前じゃなくて、誰かが頑張ってくれていた事。

極限に達すると涙も出なくなる。何かおかしいなと思っていた。ああやっぱりそうでしたか。と、握りしめていた手を緩めるだけ。

謝罪と感謝。

いざとなったら言えない。告げる方も辛かったよね。いや、告げる方が辛いよね。

ごめんね。ありがとう。



歩いてきた道も全部忘れてしまうのだろうか。

好きも嫌いも全部忘れてしまうのだろうか。

あの綺麗な景色も忘れてしまうのだろうか。

あの時の悔しさも悲しみも忘れてしまうのだろうか。

あの時の喜びも幸せも忘れてしまうのだろうか。

今この瞬間の虚しさも忘れてしまうのだろうか。

この中には何一つ残らないのだろうか。

徐々に消えていくのは嫌だな。忘れたくないな。

もし、全部が空になるなら。はい。今から全部なくなります。誰か合図をして欲しい。

通りすがりのわたしにはこれ位がちょうど良いじゃないと言い聞かせる。

さぁ、何して過ごそうか。