2022年6月26日 奈良クラブ 0-0 ソニー仙台FC 感想

勝てば首位と勝点で並ぶこの試合を奈良クラブはソニーに勝てなかった。しかも、場所はロートフィールド奈良である。なぜだろうか。まずはこの試合のシュート数を見てみると10本(前半3本+後半7本)と数は打っている。では、シュート数10本のうち枠内シュートはどうだったかを見てみると…

(以下敬称略、番号反映せず)

7分

寺村→相手陣内右サイドへ大きく金子昌が少し中へ運び前方の右サイドまで走り込んだ片岡へ→片岡バックパス→都並 ゾーン3手前付近右サイドで都並大きくクロス→ペナ内前左で右SB14番と競り勝ち浅川の頭もGK26番がパンチングで弾く こぼれ球をペナ内後右でフリーの金子昌のシュートもGK26番パンチングで弾く

8分、右CKに走り込んだ都並の頭もGK26番キャッチ

48分、右CKからファーサイドのボールにペナ内後左で片岡がダイレクトでボレーシュートを打つもゴールバー上段に当たる 寺村がペナ内右後方でこぼれ球をシュートも枠外

52分、左サイドでスローインからのリスタート 加藤→ペナ内前左で山本競り勝ち右後方へ 金子昌がペナ内前右で頭もGK26番が弾きゴールラインを割る

54分、右サイド深くで相手のクリアボールを山本が収める→ペナ内後右で片岡バックパス→ペナ外右からフリーの森田ミドルも枠外

66分、ペナ外左サイド付近可児FK 伊勢の頭もGK26番弾く

90分

アルナウのロングボールを浜田に合わず左CB4番が頭で返す 可児が収めるも左WG11番が詰め寄るがかわし→田中に左SB8番つくもパス→桑島に右IH25番つくも左回転でかわし→左サイドで森に右SB14番つくもクロス→ペナ内後左で25番にインターセプトされるが桑島左ポケットで25番のトラップミスのこぼれ球を奪い右CB3番を個で打開クロス ペナ内前中でフリーの片岡の頭も上手くミートせずGK26番キャッチ

90分+2分

90+2分、センターライン付近で伊勢→加藤に左右IH15番25番が前方のパスコースを狭めるがそこを通す→可児→桑島へのスルーパスを選択せず少し前へ運び左サイドの森へ渡る そこに右SB14番がつく 加藤へバックパス 加藤に15番25番が寄せるも→可児へ→右CB3番がシュートコースを切り桑島へ フリーの桑島がペナ内後左からシュートも枠外


このように、シュート数10本のうち枠外シュートが3本、枠内シュートが7本だ。枠内7本のうちゴール期待値というのをあくまで個人的に考えてみると、5.5となった。厳しい見方をしても4以上はあるのではないかと考える。この数字で無得点というのはどう考えても不思議である。

次に、奈良クラブの攻撃について考えてみる。まず懸念していたソニーのアグレッシブなプレッシングについてだ。 ソニーは1、7、9、10、13、16、25、28、30、33、45、45+1分、50、55、62、73×2、74、78、82分、にハイプレスを仕掛けてきた。しかし、13、33、74、82分以外はほとんど奈良クラブはプレス回避できていた。このおかげで奈良クラブは、ソニーからショートカウンターをほとんど受けずに済んだ。次に攻撃の改善点についてだ。

18分

左WG10番からCF9番へスルーパス 9番ボールを収めて右WG11番へパス 11番に加藤がインターセプト 前へ運ぶも11番が詰め寄ろうとするも途中戻り森田へバックパス フリアン監督何で?とジェスチャー 長島か浅川へ大きくロングクロスを蹴り上げてもよかったか その後アルナウが6秒ルールによりファール

39分

加藤のクリアボールをセンタライン左サイド付近で山本が収める フリアンゴーサインも山本は浅川へ出さず 片岡左ポケットへ走り込む 前へ運んで長島へ横パス 長島バックパス→加藤→寺村がロングボールもゴールライン割る 山本がボールに触った瞬間に浅川へミドルクロスを上げてもよかったか。


このように、バックパスを選択したことで、攻撃の期待値を大きく下げてしまったことがとても残念であった。リスクマネジメントは当然ではあるが、ここはチームとしてぜひとも改善してほしいところだ。次に攻撃でよかった点について。

4分

右SB14番→右IH16番がCF9番へのクロスを寺村クリア CH5番と山本と競り合う 降りた右WG11番と14番が詰め寄るもこぼれ球を長島収め浅川へ 浅川から左サイドを走り込んだフリーの加藤が持ちクロス しかし右CB3番がクリア その浮き球をペナ内前中で浅川とGK26番と競り合うもキャッチされる

29分

伊勢→都並に左WG10番つく→右へ降りた浅川が上手く体の向きを変えて左CB4番つくも倒れる 浅川右サイドで落として→空いたスペースをフリーの金子昌が使う ペナ外中央付近浅川へスルーパス 左SB8番クリアボールが左サイドへ 相手のカウンターの根を加藤の飛び出しで防ぐ 右WG11番プレスバックも加藤が収め→長島がCFへクロスもGK26番キャッチ

30分

プレス回避後左→右 都並左WG10番切り返しでかわす 少し前へ運ぶ 左IH18番パスコースへ入るも森田へ 4対4の状況 18番寄せるも森田素早くターン 長島がCFの位置へ入る 長島に右SB14番右CB3番左CB4番がつく 金子昌に左SB8番がつく 森田は長島へスルーパスも3番にクリアされ相手ボールへ スペースがあった金子昌へパスでもよかったか。

51分

都並から右サイドへ縦パス 金子昌中へ入る 浅川右へ流れるもパス通らず 左4番カバーに入りタッチライン割る

55分

アルナウ→早い縦パス片岡 相手の5人背中を取る 少し前へ運び右サイド金子昌へ 右サイドで左SB8番と競り合いもそのまま抜けずゴールラインを割る

56分

相手陳内で右IH16番から加藤がカット 森田が右WG11番を止める こぼれ球を長島へ渡る 右CB3番がつく 左CB4番がつくが浅川へスルーパスも浅川はスルー 左SB8番カバーし金子昌へは合わずタッチラインを割る


このように、いずれもシュートまではいかなかったものの、とてもよい流れからの攻撃だったかと思う。このよい流れがあったからこそ、先述した90分、90+2分のチャンスに繋がったのだろう。次は守備についてだ。

5分

アルナウのロングボールからセンターサークル外右寄りでフリーの片岡へ 片岡のトラップのこぼれ球を左IH18番が回収し降りてきた左WG10番へ 片岡と森田競り合えずステイ フリーの10番が少し運び右斜め前にパス CF9番に伊勢と寺村つく 右WG11番が加藤を切り替えして右へ回り込んで振りきりフリーでシュートもアルナウの正面でキャッチ

11分

左SB8番へ金子昌プレス 8番→CH5番 左IH18番前線からスペースへ降りる 5番へ山本プレス 5番→18番へ 金子昌プレスバック片岡と挟み込む こぼれ球に5番がフォロー 5番フリーに近い状態で森田も競り合えずステイ 5番→CF9番へ 都並が競り合うもファール

30分

押し込まれている場面 センターライン付近右サイドへ降りた右IH16番に山本寄せきれずステイ 16番→CH5番に片岡寄せきれず その後片岡スライディングも5番→左IH18番へ 伊勢が食いつく 森田も寄せきれずコース狭める CF9番が伊勢のスペースへ入る 寺村9番をマーク 18番ペナ内後中の9番へスルーパスするも9番の背後へ こぼれ球をアルナウ収める

37分

CH5番から左WG10番へオーバーロード 都並寄せる 金子昌も後方でフォロー 10番勝負せずペナへスルーパスを選択し決定機作れず

44分

右WG11番降りてセンターライン付近右サイドで受ける 片岡つり出され加藤かわされる 右IH16番が走り森田もつられる パススペースが出来る 11番→スペースがあるフリーの左IH18番へ 金子昌寄せきれず 18番→左WG10番→左SB8番左サイド深くでアーリークロス アルナウパンチングで弾く 山本がクリア

61分

左サイド攻めきれずバックパス アルナウのロングボールを左CB4番がインターセプト少し前へ運ぶ→後ろ向きCH5番バックパス→左SB8番前へ運ぶ→CF9番へ 9番に伊勢と森田が挟み込むも9番収める 9番→左IH18番→右WG11番が右サイド深くからマイナスの柔らかいクロス 加藤寄せ切れず ペナ内後右で右SB14番スルーし18番ペナ内後右からダイレクトシュート アルナウパンチング

69分

右IH16番が最終ライン→左IH18番バックパス→CH5番 可児と浅川挟み込むも5番ワンタッチパス→フリー左WG11番へ 片岡寄せきれずかわされる 11番→右WG15番スルー→右SB14番へ 14番右サイド深くでクロスを加藤がブロック

75分

左CB4番→左WG11番→4番→センターライン付近左サイド左SB8番へ 後方からのリターンパスにつられ奈良クラブ6人背中取られる 8番ゾーン3手前左まで右斜めへ運ぶ 8番→11番へパス ペナ外中左よりで11番がシュート 伊勢のスライディングでブロックも寺村のハンド?でファール その後、FKで左IH16番のシュートも壁中央の浅川の頭でブロック、クリアボールを8番がダイレクトシュートも枠外

80分

センターサークル内左CB4番から右WG15番へ斜めの早い縦パスが入る 15番に加藤が寄せるもワンタッチでヒールパスが斜めに入りペナ内後右で左IH18番が受ける CF20番へクロスも可児がカット カットボールを右サイド際で18番が回収 そのまま可児が寄せるも18番から右SB14番へマイナスのスルーパス ペナ内後右で14番がシュート?パス?も寺村がクリア


このように、ソニーのシュート数は4本とかなり抑えたとはいっても、こうして見返してみると、ソニーに奈良クラブ陳内まで上手く進入されているのがよく分かるだろう。ソニーは前線もしくはIHの選手がレイオフして中盤に数的優位な状況を作り出し、奈良クラブの中盤の選手をつり出しておいてから、その空いたスペースをついて何度も危険なエリアへ進入していた。この点においてはソニーの攻撃の方が上だったと認めざるを得ないのではないか。奈良クラブは、最終ラインとGKの体を張った粘りの守備でソニーからシュートを未然に防いでいたとはいえ、このまま何も改善をしないでいると、HondaFC、大分、岡崎、三重、新宿、しまねといった後方から繋いでくるチームに大量失点してしまう恐れがある。グリーンシートが8試合と喜んでばかりはいられないことを、あえてここで私は苦言を呈する。やはり、もう少し前線からのプレッシングが必要ではないかと考える。

最後に、これだけはここで伝えねばならないことが一つだけある。それは…

4分

ゾーン3手前中央右CB3番→右IH16番→CH5番に森田と浅川挟みこむ こぼれ球を山本回収 フリーの片岡へバックパス 片岡左へワンタッチでパス フリーの長島絶妙のグラウンダーのスルーパス ペナ内後中で浅川ダイレクトでシュートしゴールもオフサイド判定


これは私が見てもオフサイドではなかったように思える。この浅川選手の高技術をオフサイドと判定されてしまっては高技術も何もあったものではない。JFLであってもVARはやはり必要ではないのか。などと予算的に無理なことは十分に分かっているし今更タラレバを言ってもしょうがない。しかし、これが入っていればこの試合は大きく変わっていたであろう。そう、奈良クラブが勝っていたということに…











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