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城山文庫の書棚から044『循環思考』横山禎徳 東洋経済新報社 2012

元マッキンゼー日本支社長、東大等で教鞭をとった横山先生による社会システムデザイン論。目からウロコとはこのこと。

建築学科で都市計画を学び最初に入社したのが、株式会社都市デザインという会社。都市をデザインするってどういうこと?と自問しながら仕事をしてきたが、横山先生曰く、デザインできるのはシステムだそうだ。都市は生き物だと常々思ってきたけど、擬似有機体である都市が持つ自己調整能力に頼って都市システムをデザインすることが可能だという。

本書では住宅流通システムや医療システムを例に挙げ、悪循環を見つけ出し変革するための良循環を生み出すヒントを与えてくれる。社会システムとはOS =ソフトウェアであり、循環を駆動するエンジンだという横山先生の論の展開に深く頷く。

INDEXグループのシンクタンク・社会システムデザイン株式会社のトップ・宮田秀明先生は東大で横山先生と同僚だった。横山先生の唱える社会システムデザイン論から学ぶ点は多いと思う。