見出し画像

Super Cable Boy / インディーゲーム感想レビュー

ついに Nintendo Switch を買ったので、気になっていたインディーゲームを色々遊んでいるのですが、久々に感想を書きたくなるような神ゲーに出会ったので書きます。

ゲーム概要

画像1

ぱっと見はよくある感じのレトロ風 2D 横スクロール ACT です。ジャンプと壁登りだけのシンプルなジャンプアクションで、画面も昔の GAME BOY みたいなモノクロ画面から始まります。

画像2

が、プレーを始めてまもなく主人公が最初の「カセット」を授かると、このゲームは変貌します。

画像3

主人公はお尻のケーブルを壁に突き刺せるようになり、いきなり「海腹川背」を思い起こさせる爽快ロープアクションゲームが始まります (!!)。

このように冒険を進めながら新しい「カセット」を入手して、そのたびに操作性がガラッと変わっていくのがこのゲームの魅力です。「ジャンプ距離が伸びる」とか「スライディングができる」みたいな地味な強化ではなく、本当に別ゲーかのようにガラッと変わってしまいます。しかもそれらはステージの途中で自由に切り替えることができるので、一つのステージの中でも色々な能力を駆使しながら進めていくことができます。これが楽しくて、パルクール的な快感があります。

画像4

またそれぞれのカセットにはテーマカラーが割り当てられており、カセットを得るにつれ世界もみるみるカラフルになってゆきます。

ストーリーは単純で、どちらかというとアクションに集中するタイプのゲームですが、終盤ではメタ要素やハッとさせられる言葉もあったりなかったりします。

作り込まれたカセット能力

このゲームの魅力は、なにより絶妙に設計されたカセット能力だと思います。どれも全然違う操作性ですが、それぞれがとてもよく出来ていて気持ちいいです。操作に納得感があって失敗した時はちゃんと自分のミスだったなと思えるし、総じて素早い動きが多くて爽快感があります。それぞれの能力の細部の仕様がまた絶妙に設計されていて、それもゲーム性としてレベルデザインに活かされています (ネタバレになる気がするので書きづらい)。

「カセットを切り替える」というシステムになっているおかげで、バリエーションは豊富でもそれぞれの操作は「Y を押せば発動」とシンプルに保たれているのも良いです。「↓ を押しながら Y だとスキル A が発動して、 → を押しながらだとスキル B が発動して…」みたいな複雑さがないので、「押したつもりなのに押せてなくて死」というストレスがほとんどないです。

絶妙なレベルデザイン

それぞれのカセットを入手した直後はチュートリアル的な簡単めのステージから始まり、徐々にシビアな操作が求められるステージに自然とレベルアップしていきます。レベルアップするのは操作だけでなく、能力の細かい仕様を理解して、工夫して使わないとゴールに辿り着けないような、ひらめきを必要とするステージも徐々に登場してきます。小さなひらめきを重ねていくことで、スキルの仕様をしっかり理解できる作りになっています。おかげで、各ワールドの後半にたどりつく頃にはそれぞれのカセットを「使いこなせている」と思えるレベルまで成長できるので、自分のプレーに酔える気持ちよさがあります。

そして最後のワールドでは…

ノーストレスな死にゲー体験

このゲームはいわゆる「死にゲー」と呼ばれるような難易度設定で、後半のステージは一発でクリアできることはほぼなく、何度も繰り返しトライすることでなんとかクリアできるような調整になっています。そのトライ&エラーの体験もかなり良いです。

激ムズではあるものの死因に納得感があって、「なんかよくわかんないうちに死んだ、無理」みたいなストレスがほとんどないです。初見殺しは (もちろん) ありますが、死に際にヒントがちゃんと目に入るようになっていたり、総じて「次はクリアできそう」と思える範囲になっています (まあできないんですが…)。心をそこまで折りにこないという意味でやさしい死にゲーだと思います。

死ぬとそのまま (UI を挟まずに) ステージの最初にリスポーンするのでテンポ感も良く、ステージの長さもせいぜい1分でクリアできる程度に収まっているので戻し作業のダルさもありません。また、たぶんこれは意図的だと思うのですが、ジャンプアクションにありがちな「タイミングを合わせて先に進む」系のギミックがほとんどないです。おかげでただ待っているだけの時間というのがほぼ存在せず、リトライを繰り返す間プレーヤーは常に忙しく操作しつづけることができます。落ち着きのない人に優しいゲームです。

総じて死にゲーの中でも特にストレスなく死にまくれる部類だと思うので、ステージの難易度自体は高いものの何とかクリアにたどり着けるバランスになっています。

引き込まれるグラフィック

一見グラフィックは地味なゲームに見えますが、カセットを得るごとにカラフルになっていく世界、光やグリッチの演出もバキバキで、進めてみると実はかなり派手なゲームです。引き込まれます。

とくにあるワールドのグラフィックは感動的に美しいのでぜひ観て欲しいです。

総評

死にゲー初心者にも比較的勧めやすい、ギミック系高難易度アクションです。値段も高くないので、是非やってみてほしい…! VVVVVV などにハマった経験のある人は特におすすめです。

最初のカセットまでは体験版で無料で遊べるので、それだけでもぜひプレイしてみてほしいです (でも本編は 32 倍くらい楽しいです)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?