産業革命のメモ

昨今、第四次産業革命という言葉を多くの人が耳にしているだろう。第四次産業がどのようなものかはさておき、産業革命について最近考えていることをまとめたい。

過去、人類は三度の産業革命を経験してきた。それはここ数百年以内の出来事であり、未曾有の出来事であると言えるだろう。

さて、私たちが経験した産業革命によって、私たちは世界の意味合いを大きく変質させた。それは物理的な範疇に収まることを知らず、時間的な部分にまでその領域を進出させている。

例えば、蒸気機関の発明により、私たちはモノ作りの面で画期的な方法を生み出すだけでなく、むしろ世界の物理的時間的距離を一変させたことに意味があるのではないだろうか。また、情報革命では私たちは新たな空間を創出した。このように産業革命は、私たちの生活空間に可変性をもたらしたと言い換えることができるだろう。

そのような革命的な変化はイノベーションとして、ある日突然世に出てくるものではない。螺旋階段を上るようにいくつもの積み重ねがあればこそのものである。そのために、産業革命と資本主義は非常に密接な関係性にあると言える。

つまり、産業革命はさまざまな蓄積なもとである種の方向性を持ち、有機的な運動にもとづいて進行していると考えられる。

例えば、エンクロージャーは過去経験してきた全ての産業革命で形を変えて経験している可能性が高い。第四次産業革命では、歴史的な共有地を私有地化する過程の代わりにいくつかの企業や政府により、多種多様であらゆる分野の情報をエンクロージャーされている。これに関してEU等では法規制に向けた取り組みも存在しているが、根本的な解決には至らないだろう。(過去の例を見ても、政府は一度は規制するがその後より狡猾に出来る手立てを用意する。)

おそらく、産業革命において、エンクロージャーによる何かしらの蓄積が必要とされているのではないだろうか。今回はビックデータの集積・蓄積が第四次産業革命の基盤になると思われる。

トマス・モアが「羊が人間を食う」と評したが、今回は「情報が人間を喰う」と評することができる。

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